『黄色い実 紅雲町珈琲屋こよみ⑦』吉永南央(文藝春秋2019/6/20)
草が営むコーヒー豆と和食器の店小蔵屋の頼れる店員久実についに訪れた春の予感に浮き立つ店に
「元アイドルの女性が店の敷地内で暴行を受けた」と訴え出た衝撃のニュース。犯人は地元名士の息子。
大騒動の町で気付けば久実は浮かぬ顔。暴行を受けたと訴え出た元アイドル。他にも被害者?
小さな町の大事件が小蔵屋の日常を揺るがせる。草が示した道とは? シリーズ第7弾。
『小春日和』『颪の夜』『宿り木』『帽子と嵐』『黄色い実』5話連作短編集。
・生きているということは、変わること。
そう自分に言い聞かせる P22
・誰も彼も順繰りに歳をとりつつ、
若い人たちの嫌がる心配をするようになる P48
・誰かを好きになったら、多少おかしくなるもんじゃない? P105
・すべきことをしたら、気分が晴れるわよ P142
・好きなものを一つ手に入れたら、どうでもいいものを一つ処分しました。
そういう暮らしを始めて二年で、どうでもいいものがなくなりました P153
・大事にしたって、しなくたって、割れる。
割れるから、大事に扱う P207
・世間て、自分の中にあって、自分を苦しめるのかも(略)
人の気に入るようには生きられないのにね P222