『その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ②』吉永南央(文春文庫2012/11/10)
北関東の紅雲町でコーヒー豆と和食器の店小蔵屋を営む老女草は最近くさくさしている。
小蔵屋の近くに安さと豊富な品揃えが売りの和雑貨店つづらが開店し、露骨な営業妨害を仕掛けたりしてくるからだ。
しかもつづら出店の裏には詐欺まがいの不動産売買の噂があって、草はほっておけなくなる。
シリーズ第2弾、
『如月の人形』『卯月に飛んで』『水無月、揺れる緑の』『葉月の雪の下』『神無月の声』『師走、その日まで』6話連作短編集。
・多少の不安材料はやる気の原動力 P11
・人の役に立ちたいなら、自分がしっかりしなきゃだめだって P82
・四十を過ぎると、女として選んだ道の違いがくっきりと表れてくる(略)
二十代で失ったものの大きさをつくづく感じた。
後ろを振り返っても何もない。
先を見ても失うだけの人生のように思えてくる P94
・「変な大人!」
「変じゃない人なんていないの!」P100
・進む道を決めていたからか、視野が広く大胆だった P105
・過去にこだわる時って、今が幸せじゃないからのような気がして P116
・家族って、面倒なものですね P124
・全部知っていて味方になってくれる人が、一人いる。
それだけで、こんなに気持ちが落ち着くものなんですね P160
・金の貸し借りは、人間関係を壊してしまう P180
・一生ついて回るわよ。
何とかできたものを放り出した後悔は P202