トランスフォーマー(Transformers)は、2007年公開のアメリカ映画。監督はマイケル・ベイ、制作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ。続編トランスフォーマー/リベンジ(Transformers: Revenge of the Fallen)が2009年に、第3作目トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン(Transformers: Dark of the Moon)が2011年に公開されています。
元ネタは、日本のタカラが発売していた変形玩具と、それを基にしたハズブロやマーベル・コミックを原作として製作されたTVアニメーション作品。このような子供向きの玩具やゲームの映画化は、大概失敗するのですが本作は世界中で大ヒットを記録しました。物語は、惑星サイバトロンには金属生命体であるトランスフォーマーが存在していた。彼らは正義の戦士オートボットと悪の軍団ディセプティコンに分かれて抗争を行っていた。生命を生み出す力を持った物質オールスパークが地球にある事を知った彼らは、その戦いの舞台を地球に移すことになる・・・。
思い切り有名な作品ですので詳しい解説は省きますが、元ネタは身近な自動車や飛行機などをロボットに変形させようというアイデアの玩具。それを無理やりなんとか大人が見ても納得できる物語に仕立て上げています。宇宙人が自動車に変形するのは、かなり無理があると思うのですが、彼らは環境に適応するために、自分と同じ質量が一致する物質の内部構造までを取り込むトランススキャンという能力を持っているという設定になっています。公開当時は、トランスフォーマーたちが変形する車両新型カマロやポンティアック・ソルスティス、ステルス戦闘機のF-22などが話題となりました。
車が主役や主役級となる重要な活躍を果たす映画は幾つもあります。有名どころでは、バック・ツゥ・ザ・フューチャーのデロリアン、ブレードランナーのスピナー、バットマンのバットモービル。
車というか公道レースを主題としたキャノンボール・ラン。日本人役としてジャッキーチェンが出演していますが、ジャッキー映画には三菱車が数多く登場していました。ちなみに第一作目にジャッキーがマイケル・ホイと一緒に搭乗した車は、スバルレオーネ1600スウィングバック4WD・SRX。
前回紹介した、スーパーチャージャー搭載のインターセプターが重要な役割を果たすマッドマックス。
元ネタのトランスフォーマーは、80年代辺りに少年時代を過ごした世代からは、忘れられない思い出の玩具の様です。この頃には、アメリカから逆輸入される形でTVアニメもやっていました。
いかにもアメリカ人が好みそうなトレーラーに変形する司令官コンボイ(オプティマス・プライム)。
デストロンNO.2のスタースクリーム。こいつは、2007年版実写では最新のステルス戦闘機のF-22に変形する。ちなみに映画にも模型やCGでなく実際のF-22が登場します。
なぜこの映画をネタにしたのかというと、かなり珍しい黄色い車が主役(準主役)を張る作品だから。司令官オプティマス・プライムの横にいるのが、黄色い新型カマロより変形するバンブルビー(バンブル)。原作では、黄色いフォルクス・ワーゲン・ビートルより変形しています。サイバトロンの小型戦士ミニボットという設定で、正義の戦士オートボット軍団が来る前に偵察役として地球に先にやってきており、主人公の愛車となって主人公を守るという役割になっています。映画では新型カマロに変形しますが、これは監督がGMで極秘開発されていたカマロを見て、これしかないと決めたそう。映画では、70年代の2代目カマロで登場後に新型に再変形をします。また原作に敬意を示して、黄色いフォルクス・ワーゲン・ビートルも出演しています。
映画の元ネタは5代目カマロ(2009年~)ですが、公開当時はまだ発売されていなかったためカマロ・コンセプト(2006)が使用されています。これはCMなどでも効果的に使われていました。黄色という色は特殊な色のため、目立つことも大事な要素のスポーツカーや、可愛らしいイメージのコンパクトカーにしか採用されない色のようです。また特別仕様車(スイフト・スポーツ、フィットなど)にも時折使われています。注意を喚起する色なので、そういう使い方になるのでしょう。この車は、スポーツカーでなおかつ特別な車ですから、まさしくイエローがぴったりとあっていたのでしょう。ちなみに原作のバンブル(黄色いフォルクス・ワーゲン・ビートル)の方は、小さくて親しみやすいイメージからでしょうか。
ということで、黄色い車が主役を張る数少ない映画、トランスフォーマーでした。
参考:Wiki トランスフォーマー、トランスフォーマー(2007)、バンブル、シボレー・カマロ、キャノンボール・ランの項、トランスフォーマーDVD/音声解説、80年代こども大全集/宝島社
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