以前から一部で問題視されていた携帯用のソーシャルゲームのガチャ(コンプガチャ)ですが、子供が数十万円突っ込んだとかいう話が出て来たり、このままではいよいよ規制されるんじゃないかとか、ここに来て運営企業が自主規制するみたいな動きが次々と出て来ました。
「ガチャって何?」って人は以下の記事に目を通すのが分かりやすいかも。
【漫画つき】コンプガチャだけじゃない。ケータイSNSゲーム課金の仕組み解説
コンプガチャKOEEEEEE!!!
だからってなんでもかんでも行政が規制!ってのもどうかとは思いますが、まあ大人がハマるくらいだからね。子供は抑えがきかないでしょう。大人だろうが子供だろうが、ケータイで数回ポチポチしただけで数万円が飛ぶって、やっぱり問題でしょ。
実は何を隠そう、私自身も子供の頃に「ガチャ」に実家の金をつぎ込んだことがあるので、「子供がハマルのは問題だ!」みたいな意見もよく分かります。
もっとも、私がぶち込んだガチャはガチャと言っても昔のいわゆる「ガチャガチャ」で、実家の金というか、正確には祖母の金なんですが。
昔はそこらの駄菓子屋とか個人商店とか、あるいはコンビニの前とか、子供がたむろする場所にはどこでも普通に「ガチャガチャ」というのが置いてありました。硬貨をセットしてダイヤルを回すとオモチャが入ったカプセルが出てくるアレです。
ガチャガチャは今でもコンビニとかゲーセンにありますけど、昔のガチャガチャってのは一回10円とか20円の低料金で、コインを入れてダイヤルを一回転させると、プラスチックの入れ物(カプセル)がゴロンと出て来て、中には大抵はゴミみたいなオモチャ(ハズレ)が入ってるんですが、1つのガチャガチャの機械には必ず何個か「当たり」のカプセルも入っているわけです。当たりと言っても、今から見ればしょーもないオモチャとかミニチュアとかキーホルダーとか、そんな品物ですけど、それを狙って子供はみんなガチャガチャに小遣いを突っ込むのです。で、俺はなけなしの小遣いをガチャガチャに突っ込む友達のことを「無駄なことするなあ」と基本的には冷ややかに見ていた。見ていたはずなんだけど、ある年の冬に祖母の家に遊びに行った時に、なぜか一度だけガチャガチャに熱くなって結構な金をつぎ込んでしまったことを最近のニュースを見て思い出しました。
祖母の家のすぐ近くには個人経営の駄菓子屋兼雑貨店があり、店先には例によって数台のガチャガチャが置いてありました。
いつもなら気が向いたときに一、二度回して終わりになるのに、その時はそのガチャガチャの景品がなぜか俺の心を惹いたのです。
祖母から小遣いとしてもらっていた手持ちの十円玉をすべてそのガチャガチャに投入したものの「当たり」は出ず、俺は祖母の家にとって返し、祖母からまた十円玉を何枚かもらって店に引き返してガチャガチャを回したのだが、いっこうに当たりは出ない。
最初の内はハズレのカプセルもきちんと開けていたが、そのうちめんどくさくなり、ガチャガチャの機械の回りにハズレカプセルをずらっと並べつつ、おそらくすごい形相で必死にガチャガチャを回していたであろう俺。手持ちの十円玉が尽きる度に祖母の家に戻り、
「ばーちゃん、金くれ!」
と必死に頼んでいた。
はじめのうちは俺に言われるままに十円玉を何枚かずつ渡していた祖母も、おそらくその合計金額が300円ぐらいに達した辺りで、自分の財布からではなく、戸棚から大量の五円玉の穴にヒモを通して両端を結びつけたモノ(なぜそんなモノを作っていたのかは不明)を引っ張り出してきて、端の結び目をほどいて五円玉を数十枚ほど俺に渡すと、店の人にガチャガチャに入れる十円玉と両替してもらうように言いました。
おそらくその駄菓子屋のおばあさんも、さっきからなんか小せえガキが店のガチャガチャを何度も何度も回しては、周りに大量のハズレカプセルを並べている光景を見ていたんでしょう。あからさまに不審がっていましたが、俺もここで止めたら今までつぎ込んだ金が全部パーです。それに次にガチャガチャを回した奴が当たりを引いてしまうかも知れないじゃないか。ってこれもガチャガチャの罠なんですね。
五円玉を両替してもらった十円玉をさっそくガチャガチャにつぎ込んで行きますが、当たりは一向に出ませんでした。
もう日も落ちて店の周囲は暗くなり始め、両替した十円玉さえ尽きようとした時、店の中から駄菓子屋のおばあさんが顔を出してきて、俺に店の中に入るように言いました。駄菓子屋のばあちゃんは、ゴソゴソと机の中から俺がやってたガチャガチャの「当たりの景品」を出してきて俺の手に握らせると、一言
「あんまりムダ遣いしたらあかんで。」
と言い、早く家に帰るように言いました。
俺は何か礼を言いながらも、(そういうしくみになってるのかぁ…)と、なにか釈然としないものを感じながら祖母の家に帰り着きました。いや、その「当たり」はガチャガチャの中から直接出てくるのではなく、「当たり」と書いたカプセルを店の人に見せて交換してもらうシステムだったかも知れないので、店の人がズルをしていたわけではないとは思うのですが。
ともかくも、ようやく目当ての品を祖母の家に持ち帰って眺めていると、一緒に祖母の家に来ていた弟(最初に店までは一緒に行ったが、ガチャガチャはやらずに先にさっさと帰っていた)がツカツカと寄ってきて、ぼそっとこう言いました。
「ショボイな…。」
俺も「絶対に獲ってやる」というさっきまでの興奮はすっかり冷めてしまっており、「ああ、そうだな…。」と相槌を打っていました。
不思議なことに、先ほどまでは絶対に手に入れてやろうとあんなに熱くなっていたはずのその景品がどんな物だったのか、今では全く思い出せません。そんなものなのかもしれません。
まあ、子供のうちに、サラ金のお世話になって財産差し押さえとか一家離散とかならない程度に少額ギャンブルに突っ込んでおくのもいい経験になるんじゃないかなとも思うわけです。ギャンブルの予防接種みたいなものですかね。ばあちゃんゴメンよ。
ちなみにここでは冷静沈着な奴のように見える弟も、今ではすっかりうっぜえネトウヨです。(^q^)
にほんブログ村
「ガチャって何?」って人は以下の記事に目を通すのが分かりやすいかも。
【漫画つき】コンプガチャだけじゃない。ケータイSNSゲーム課金の仕組み解説
コンプガチャKOEEEEEE!!!
だからってなんでもかんでも行政が規制!ってのもどうかとは思いますが、まあ大人がハマるくらいだからね。子供は抑えがきかないでしょう。大人だろうが子供だろうが、ケータイで数回ポチポチしただけで数万円が飛ぶって、やっぱり問題でしょ。
実は何を隠そう、私自身も子供の頃に「ガチャ」に実家の金をつぎ込んだことがあるので、「子供がハマルのは問題だ!」みたいな意見もよく分かります。
もっとも、私がぶち込んだガチャはガチャと言っても昔のいわゆる「ガチャガチャ」で、実家の金というか、正確には祖母の金なんですが。
昔はそこらの駄菓子屋とか個人商店とか、あるいはコンビニの前とか、子供がたむろする場所にはどこでも普通に「ガチャガチャ」というのが置いてありました。硬貨をセットしてダイヤルを回すとオモチャが入ったカプセルが出てくるアレです。
ガチャガチャは今でもコンビニとかゲーセンにありますけど、昔のガチャガチャってのは一回10円とか20円の低料金で、コインを入れてダイヤルを一回転させると、プラスチックの入れ物(カプセル)がゴロンと出て来て、中には大抵はゴミみたいなオモチャ(ハズレ)が入ってるんですが、1つのガチャガチャの機械には必ず何個か「当たり」のカプセルも入っているわけです。当たりと言っても、今から見ればしょーもないオモチャとかミニチュアとかキーホルダーとか、そんな品物ですけど、それを狙って子供はみんなガチャガチャに小遣いを突っ込むのです。で、俺はなけなしの小遣いをガチャガチャに突っ込む友達のことを「無駄なことするなあ」と基本的には冷ややかに見ていた。見ていたはずなんだけど、ある年の冬に祖母の家に遊びに行った時に、なぜか一度だけガチャガチャに熱くなって結構な金をつぎ込んでしまったことを最近のニュースを見て思い出しました。
祖母の家のすぐ近くには個人経営の駄菓子屋兼雑貨店があり、店先には例によって数台のガチャガチャが置いてありました。
いつもなら気が向いたときに一、二度回して終わりになるのに、その時はそのガチャガチャの景品がなぜか俺の心を惹いたのです。
祖母から小遣いとしてもらっていた手持ちの十円玉をすべてそのガチャガチャに投入したものの「当たり」は出ず、俺は祖母の家にとって返し、祖母からまた十円玉を何枚かもらって店に引き返してガチャガチャを回したのだが、いっこうに当たりは出ない。
最初の内はハズレのカプセルもきちんと開けていたが、そのうちめんどくさくなり、ガチャガチャの機械の回りにハズレカプセルをずらっと並べつつ、おそらくすごい形相で必死にガチャガチャを回していたであろう俺。手持ちの十円玉が尽きる度に祖母の家に戻り、
「ばーちゃん、金くれ!」
と必死に頼んでいた。
はじめのうちは俺に言われるままに十円玉を何枚かずつ渡していた祖母も、おそらくその合計金額が300円ぐらいに達した辺りで、自分の財布からではなく、戸棚から大量の五円玉の穴にヒモを通して両端を結びつけたモノ(なぜそんなモノを作っていたのかは不明)を引っ張り出してきて、端の結び目をほどいて五円玉を数十枚ほど俺に渡すと、店の人にガチャガチャに入れる十円玉と両替してもらうように言いました。
おそらくその駄菓子屋のおばあさんも、さっきからなんか小せえガキが店のガチャガチャを何度も何度も回しては、周りに大量のハズレカプセルを並べている光景を見ていたんでしょう。あからさまに不審がっていましたが、俺もここで止めたら今までつぎ込んだ金が全部パーです。それに次にガチャガチャを回した奴が当たりを引いてしまうかも知れないじゃないか。ってこれもガチャガチャの罠なんですね。
五円玉を両替してもらった十円玉をさっそくガチャガチャにつぎ込んで行きますが、当たりは一向に出ませんでした。
もう日も落ちて店の周囲は暗くなり始め、両替した十円玉さえ尽きようとした時、店の中から駄菓子屋のおばあさんが顔を出してきて、俺に店の中に入るように言いました。駄菓子屋のばあちゃんは、ゴソゴソと机の中から俺がやってたガチャガチャの「当たりの景品」を出してきて俺の手に握らせると、一言
「あんまりムダ遣いしたらあかんで。」
と言い、早く家に帰るように言いました。
俺は何か礼を言いながらも、(そういうしくみになってるのかぁ…)と、なにか釈然としないものを感じながら祖母の家に帰り着きました。いや、その「当たり」はガチャガチャの中から直接出てくるのではなく、「当たり」と書いたカプセルを店の人に見せて交換してもらうシステムだったかも知れないので、店の人がズルをしていたわけではないとは思うのですが。
ともかくも、ようやく目当ての品を祖母の家に持ち帰って眺めていると、一緒に祖母の家に来ていた弟(最初に店までは一緒に行ったが、ガチャガチャはやらずに先にさっさと帰っていた)がツカツカと寄ってきて、ぼそっとこう言いました。
「ショボイな…。」
俺も「絶対に獲ってやる」というさっきまでの興奮はすっかり冷めてしまっており、「ああ、そうだな…。」と相槌を打っていました。
不思議なことに、先ほどまでは絶対に手に入れてやろうとあんなに熱くなっていたはずのその景品がどんな物だったのか、今では全く思い出せません。そんなものなのかもしれません。
まあ、子供のうちに、サラ金のお世話になって財産差し押さえとか一家離散とかならない程度に少額ギャンブルに突っ込んでおくのもいい経験になるんじゃないかなとも思うわけです。ギャンブルの予防接種みたいなものですかね。ばあちゃんゴメンよ。
ちなみにここでは冷静沈着な奴のように見える弟も、今ではすっかりうっぜえネトウヨです。(^q^)
にほんブログ村