スポイチ編集長日誌

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歴史書と「歴史小説」の簡単な違い

2013年03月04日 | その他
歴史書においては、その中のあらゆる記述に対して史料的な裏付けが逐一求められるのに対して、歴史小説では、作者による創作エピソードの追加や、登場人物に対する作者による思想や感情の忖度などの「脚色」が行われていることが両者の間の顕著な違いである。

よって、「歴史小説」においては「架空の史実」、つまり作家の創作によるフィクションが公然と入り込んでくるが、これを「歴史的事実」だと思い込んでしまうと、本質を見誤ってしまうことにもなるし、歴史小説家が勝手に脚色したり創作したエピソードを「歴史的事実」だと信じ込んだり、あるいは史実だとして孫引きの形で紹介してしまったりするなどして恥をかくことにもなりかねない。

両者を簡単に見分けるポイントは、「出典」がいちいち明記してあるかということと、歴史小説においては、カギカッコ(「」)つきのセリフが多用される傾向にあるという点だ。
学術論文のルールとしては、カギカッコの中に入る言葉は、本当に当時の人間が言ったか書いたかしたものでなければならず、その出典となる根拠を示せない、示していないのであれば、それは執筆者の創作によるものと考えられるのであり、それは歴史書ではなく「歴史小説」となる。

良心的な歴史作家であれば、自分で創作した架空のエピソードならば「自分で創作した」旨を「あとがき」にでも書いておいてくれたものだが、長い年月の間に本文部分以外は忘れ去られ、作家が創作したり、あるいは取材時に第三者の創作やデマのようなものを事実だと誤認した結果の架空のエピソードが"史実"として伝えられているものが結構あるのではないか。

もっとも、普通の本屋で売られているような「歴史もの」の新書などは、「歴史ノンフィクション」などと銘打たれていても、その多くは出所不明のセリフの多用などから、作家自身の思想が強く入っている「歴史小説」に限りなく近いものであると言える。



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