オバマ大統領の就任演説なんですが、さっそく今日のテレビには、日本人でも「感動したっ!」みたいな人がいっぱい出ていましたね…。
オバマ米大統領、就任演説全文(和文)――YOMIURI ONLINE
惰訳 - Barack Obama Inauguration Speech in Full――404 Blog Not Found
確かに「グッとくる」ものがあるかもしれません。
だけど俺が聞いて、おや?と思ったのが「Concord」「Gettysburg」「Normandy」の次に「Khe Sahn」(Battle of Khe Sahn)が出て来たところなんですがね。
ん~、そこでケサンが来ますか。
アメリカのああいう演説では、言い回しの一字一句に至るまでプロのライターが推敲に推敲を重ねて言葉を選んでいるでしょうから、ノルマンディの次にただなんとなくケサンを並べたわけではないと思います。
だけど、あれ、俺の推測では、初期稿では「Khe Sahn」のところには、「Iwo Jima」が入っていたのではないかと勝手に妄想してるんですよ。
なんでかって言うと、他に並べていた「Concord」「Gettysburg」「Normandy」は、いずれもアメリカとその「自由と民主主義」にとって重要な、歴史的勝利で終わった戦いであるのに対して、「Khe Sahn」は戦術的には勝利した戦いとはいえ、その後のアメリカ停滞の原因にもなったベトナム戦争中の戦いで、他の三つと並べたときにちょっと違和感があったから。
どうしても語呂的にアメリカの歴史で「自由と民主主義を造った激戦地」として象徴的なものを四つ挙げるなら、そこにはまず硫黄島の戦いの名が出るのではないか。でもそうするとノルマンディがあるので第二次世界大戦から二つ入ることになってしまうが、大西洋戦線と太平洋戦線は対戦国が異なるので事実上別の戦争として捉えても問題ではない。
そこで、「Iwo Jima」が差し替えられたという前提でその理由を探るとするなら、先だってのオバマ勝利演説時に真珠湾攻撃に触れた際の日本からの一部の反応を考慮したってことかなあと。
それも一部からの反応にだけ配慮したってわけじゃなくて、つまり日本軽視とかじゃなくてちゃんと配慮してますよというメッセージ。
もちろん、日本だけじゃなくて普通に元ベトナム帰還兵らに配慮したとも見ることができる。
まあ、なんの根拠もない、ただの推測ですが。
逆に、湾岸戦争(ブッシュ父)や「対テロ戦争」(ブッシュ子)が入っていないことから一定の意図を読み取ることもできるかも知れない。
ともかく、この演説は、「国には、歴史には、国民には過去からの連続があって、今があり、未来へ継承しなければならない」、という意志をはっきり示した内容だ。
「美しい、正しい歴史」でなければ国を愛せないとか士気に響くとか言う幼稚な主張や、あるいは老人が若年層に負債を押し付けてひたすら逃げ切りを図っている無責任状態とは反対の、そこに触れた人をなんだかその気にさせる内容の演説だな。
なんにせよ、アメリカという国の底力を舐めてはいけない。
だが、海の反対側では、今や政治家にとって必要な「資質」は、まずは偉大なおじいさまやその子供の精子によって製造されたことになってしまっている。
しかも、よりによってオバマ就任演説のその同じ日に国会で”漢字テスト”か…。
これでは…彼らには勝てん…。
オバマ米大統領、就任演説全文(和文)――YOMIURI ONLINE
惰訳 - Barack Obama Inauguration Speech in Full――404 Blog Not Found
確かに「グッとくる」ものがあるかもしれません。
だけど俺が聞いて、おや?と思ったのが「Concord」「Gettysburg」「Normandy」の次に「Khe Sahn」(Battle of Khe Sahn)が出て来たところなんですがね。
ん~、そこでケサンが来ますか。
アメリカのああいう演説では、言い回しの一字一句に至るまでプロのライターが推敲に推敲を重ねて言葉を選んでいるでしょうから、ノルマンディの次にただなんとなくケサンを並べたわけではないと思います。
だけど、あれ、俺の推測では、初期稿では「Khe Sahn」のところには、「Iwo Jima」が入っていたのではないかと勝手に妄想してるんですよ。
なんでかって言うと、他に並べていた「Concord」「Gettysburg」「Normandy」は、いずれもアメリカとその「自由と民主主義」にとって重要な、歴史的勝利で終わった戦いであるのに対して、「Khe Sahn」は戦術的には勝利した戦いとはいえ、その後のアメリカ停滞の原因にもなったベトナム戦争中の戦いで、他の三つと並べたときにちょっと違和感があったから。
どうしても語呂的にアメリカの歴史で「自由と民主主義を造った激戦地」として象徴的なものを四つ挙げるなら、そこにはまず硫黄島の戦いの名が出るのではないか。でもそうするとノルマンディがあるので第二次世界大戦から二つ入ることになってしまうが、大西洋戦線と太平洋戦線は対戦国が異なるので事実上別の戦争として捉えても問題ではない。
そこで、「Iwo Jima」が差し替えられたという前提でその理由を探るとするなら、先だってのオバマ勝利演説時に真珠湾攻撃に触れた際の日本からの一部の反応を考慮したってことかなあと。
それも一部からの反応にだけ配慮したってわけじゃなくて、つまり日本軽視とかじゃなくてちゃんと配慮してますよというメッセージ。
もちろん、日本だけじゃなくて普通に元ベトナム帰還兵らに配慮したとも見ることができる。
まあ、なんの根拠もない、ただの推測ですが。
逆に、湾岸戦争(ブッシュ父)や「対テロ戦争」(ブッシュ子)が入っていないことから一定の意図を読み取ることもできるかも知れない。
ともかく、この演説は、「国には、歴史には、国民には過去からの連続があって、今があり、未来へ継承しなければならない」、という意志をはっきり示した内容だ。
「美しい、正しい歴史」でなければ国を愛せないとか士気に響くとか言う幼稚な主張や、あるいは老人が若年層に負債を押し付けてひたすら逃げ切りを図っている無責任状態とは反対の、そこに触れた人をなんだかその気にさせる内容の演説だな。
なんにせよ、アメリカという国の底力を舐めてはいけない。
だが、海の反対側では、今や政治家にとって必要な「資質」は、まずは偉大なおじいさまやその子供の精子によって製造されたことになってしまっている。
しかも、よりによってオバマ就任演説のその同じ日に国会で”漢字テスト”か…。
これでは…彼らには勝てん…。