職場の同僚が鬱を理由に休んだり早退したりしていると、「私も休むぞー\(^o^)/」とかじゃなくて、「休みたいのはみんな同じなのに、一人だけ楽してサボってる奴は許さない!キー!さっさと辞めろ!」みたいな意見が噴き出してくるというのは、いかにもみんなで我慢大会するのが好きな日本的な光景ですね。
■「オレが抜けたらこの職場はどうなる!?」→どーもならん
とくに新卒で会社に入ってずっと働き続けている人の中には、「会社を辞めるのはこの世の終わり」みたいに恐れながら、それでも我慢しながら不満のある会社に日々通い続けている人も多いだろうけど、辞めても別に何も終わらんよ。
不安定で薄給な労働がいっぱいある一方で、一部の「正社員」に負担と責任を負わせて、鬱になったり過労死させるほどの過重労働を強いているってのが今の会社組織でしょう。
もっとも、最近じゃ学生バイトにまで「責任感」を押し付ける職場もあるみたいですが。
でもね、仮に「もしもあの人が居なくなったらこの部署は回らない」なんて人は、実際には居ませんよ。
仮にその人が辞めても、大抵は他に自覚とか責任感の芽生えた人とかがちゃんと出てきて、その人のいなくなった穴を埋めてくれるので、結果的になんとかなっちゃいます。野球チームみたいなもんです。
もしも特定の個人が居なくなっただけで、ほんとに部署が回らなくなって機能不全を起こしたり会社が潰れたりしたら、その会社組織に根本的な問題があったってだけのことです。
だから、「もし自分が休んだらこのチームは、この会社はどうなる?」とか考えて鬱の徴候が出ているのに無理して出勤してる人、別にどうもなりません。いわんやバイトをや。
■簡単に辞められて、簡単に再就職できればいい
鬱に限らず、一旦会社を辞めても、離職中の社会保障があり、病気が寛解すれば好きな時に復職できる仕組みがあれば、辞めても問題ないはずなのです。
うつ病でなくても他の病気とか家庭の事情とか、あと単に会社と仕事に飽きたとか、もっとカジュアルにバンバン会社を辞めていいと思う。
もちろん会社の業績が悪くなったからとか、アイツ嫌いだからとかそんな理由で会社側からクビにするのもアリだと思う。
なんだか、「雇用流動化賛成」みたいに聞こえるかもしれないけど、本当に労働者の誰もが「一旦辞めてもすぐ復職(転職)できる」「仕事を辞めている間の社会保障が手厚い」という条件ならば、別に問題はないと思う。
病気を抱えて、あるいは合わない職場で我慢して働き続けて鬱になるなど、自然なことではない。
しかし、実際にはそういう社会にはならず、「ごく少数の手厚く抱え込まれたコア社員」と、「大多数の単純労働ワンコールワーカー、および失業者」みたいに分化固定化していくのだろう。多くの人が予想しているように。
このように、今や「予備兵力を持たない経営」が主流で、普段は必要ギリギリの人数で長時間労働し、それでも人が足りなくなったらその都度、派遣とかいわゆる非正規雇用の労働者を集めてくればいいや、ってのが今の流行です。
だが、昨今の「すき家」とかを見ての通り、そんなシステムは一旦「正面兵力」を損耗し、「補充」に失敗したらどうしようもなくなります。昭和19年以降の日本軍のようにね。
それに、「不意に職を離れることが当たり前になる」時代には、今までは当たり前だった、個人でローンとか借金とか、あと賃貸もそうか、いわゆる「定期的にカネを払い続けなきゃいけない」システムを抱えていることはリスクになります。
■企業が長時間労働させる理由
多くの会社が長時間労働で一日中社員を会社に縛り付けて、休日は寝てるだけみたいな働き方をさせてるけどさ、じゃあ聞くけど、労働者がみんなそんな状態なのに、その企業の製品・サービスを誰が買えるのよ?
実際に、「朝から夜遅くまで長時間ずーっと会社に居る奴が偉い」という思想の会社で働いてたことがあるって話を前に書いたけど、自分で自社の製品を買ってるって社員は、その会社には居なかったもの。
一応言っておくと、長時間労働させてた会社側にも言い分はあって、「競合他社が長時間労働してるのに、ウチだけが早く帰っていたら競争に負けてしまう!」って、会社の幹部連中は本気で考えてたらしいのね。バカでしょ。
それと、いくら実績を出している、デキる社員であっても、定時に帰っていると会社は評価しない、むしろ意欲が低い社員とみなして最低の評価を下すって話もあって、それはなぜかというと、デキる社員の人が辞めてく時に聞いたんだけども、「定時に帰っているのにノルマが達成できているのなら、残業すればもっとアウトプットを上積みできるはずだろ!なぜ残業しないんだ!?やる気が無いのか?」というようなことを言われたらしいのね。
「定時に帰っている社員はやる気が無いとみなされて評価が下がる」ってのはそういう意味です。うん、やっぱりバカでしょ。
だって、余計に時間をかけたからって成果物が増やせるって業務じゃなかったからね。だから裁量労働制だったんだけど、導入してる側が理解してなかったというわけだ。
■デキる社員がダメ会社にしがみつく理由
私が以前にいたことのある職場で、「この人、デキる人なのになんでこんな低レベルな会社にしがみついているのかなー?」と思った人を見ていると、新卒でその会社に入社した人の場合は、「その会社のことしか知らないので転職が怖い」「どうやって転職活動をすればいいのかわからない」という理由がまずあります。
とくに就職氷河期世代の場合は、就活で大変な思いをしてやっと就職したのに、また就職(転職)活動をやるなんて……と思っていそうな人がいっぱい居ました。
でもね、職があるかどうか、内定が出やすいかどうかなんて、就職活動をした時期の景気動向次第です。新卒(不況時)の就活ではあんなに苦労したのに、好況時に転職活動したらあっさり決まった、なんてことはよくあります。
また、中途採用で入社した社員の場合も、「家族と家(のローン)があるため転職への踏ん切りがつかない」「経済的にも世間体的にも無収入になる期間を作ることが許されない」ために転職を躊躇している人もいました。
たとえ安月給でも、程度の低い会社でも、毎月必ずある程度の決まったお金が振り込まれる、っていうのは、家族やローンを抱えている人にとっては、とてもとても大きいんですよ。
■別業界へコンバートしたら事実上レベル1
気軽に転職と言っても、大抵は一度会社を辞めてしまうと、それまでの実績はリセットされちゃいます。とくに他業界への転職では、それまで積み上げたものが全部パー、またレベル1からやり直しみたいになることが多いのです。もっとも、周りのモンスター(業務)も強くなっている分、レベルが上がるのも早いですが。
業界にもよりますが、基本的に、まともな会社に新卒で入ってそれなりの年数を勤めた会社を辞めて、転職中途入社の道に進むと、収入も待遇もダウンする茨の道となるのがデフォルトというのが現実です。
また、うっかりブラック企業に転職してしまい、いわゆる「ブラックDQNスパイラル」(一度ブラック企業に足を踏み込むと、次に転職した先もブラック企業であることが多いという意味)に突入してしまうことを恐れて転職に踏み出せない人もいました。
■オッサンにとっては、転職回数≒経験人数
それとぶっちゃけた話、大抵の企業では、中途採用者よりも新卒で入社した社員のほうが大切にされます。多少アホであってもね。
そりゃあ企業のオッサン目線から見れば、その会社のことしか知らない「元・新卒処女」のほうがかわいいに決まってるじゃないですか。
一方、転職を繰り返してきた中途入社組の社員に対しては、「こいつ、腹の中では我が社を前の会社と比べてるんだろうな」と勝手な想像をして疑心暗鬼になっているわけです。
だからこそ、「履歴書を汚す」なんて表現があるわけで、就活生は「新卒切符を無駄にするな」と口を酸っぱくして言われるわけです。
■現代は「異常な時代だった」と振り返ることになる
今、自分が生きている時代のことを客観的に見るのは難しい。「今、この時」という時代は常に狂っているとも言える。
それでも、「多少健康を害していても毎日無理やり出勤して長時間労働するのが社会人として当然!会社に属していなければ人ではない」みたいな意見がまかり通っている今の時代は、少し先の未来からも、「あの頃はみんなであくせく長時間サビ残みたいなことしてて、過労死者を出したブラック企業経営者が立志伝中の人みたいにのさばったりしていた異常な時代だった」と評価されることになるでしょう。
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■「オレが抜けたらこの職場はどうなる!?」→どーもならん
とくに新卒で会社に入ってずっと働き続けている人の中には、「会社を辞めるのはこの世の終わり」みたいに恐れながら、それでも我慢しながら不満のある会社に日々通い続けている人も多いだろうけど、辞めても別に何も終わらんよ。
不安定で薄給な労働がいっぱいある一方で、一部の「正社員」に負担と責任を負わせて、鬱になったり過労死させるほどの過重労働を強いているってのが今の会社組織でしょう。
もっとも、最近じゃ学生バイトにまで「責任感」を押し付ける職場もあるみたいですが。
でもね、仮に「もしもあの人が居なくなったらこの部署は回らない」なんて人は、実際には居ませんよ。
仮にその人が辞めても、大抵は他に自覚とか責任感の芽生えた人とかがちゃんと出てきて、その人のいなくなった穴を埋めてくれるので、結果的になんとかなっちゃいます。野球チームみたいなもんです。
もしも特定の個人が居なくなっただけで、ほんとに部署が回らなくなって機能不全を起こしたり会社が潰れたりしたら、その会社組織に根本的な問題があったってだけのことです。
だから、「もし自分が休んだらこのチームは、この会社はどうなる?」とか考えて鬱の徴候が出ているのに無理して出勤してる人、別にどうもなりません。いわんやバイトをや。
■簡単に辞められて、簡単に再就職できればいい
鬱に限らず、一旦会社を辞めても、離職中の社会保障があり、病気が寛解すれば好きな時に復職できる仕組みがあれば、辞めても問題ないはずなのです。
うつ病でなくても他の病気とか家庭の事情とか、あと単に会社と仕事に飽きたとか、もっとカジュアルにバンバン会社を辞めていいと思う。
もちろん会社の業績が悪くなったからとか、アイツ嫌いだからとかそんな理由で会社側からクビにするのもアリだと思う。
なんだか、「雇用流動化賛成」みたいに聞こえるかもしれないけど、本当に労働者の誰もが「一旦辞めてもすぐ復職(転職)できる」「仕事を辞めている間の社会保障が手厚い」という条件ならば、別に問題はないと思う。
病気を抱えて、あるいは合わない職場で我慢して働き続けて鬱になるなど、自然なことではない。
しかし、実際にはそういう社会にはならず、「ごく少数の手厚く抱え込まれたコア社員」と、「大多数の単純労働ワンコールワーカー、および失業者」みたいに分化固定化していくのだろう。多くの人が予想しているように。
このように、今や「予備兵力を持たない経営」が主流で、普段は必要ギリギリの人数で長時間労働し、それでも人が足りなくなったらその都度、派遣とかいわゆる非正規雇用の労働者を集めてくればいいや、ってのが今の流行です。
だが、昨今の「すき家」とかを見ての通り、そんなシステムは一旦「正面兵力」を損耗し、「補充」に失敗したらどうしようもなくなります。昭和19年以降の日本軍のようにね。
それに、「不意に職を離れることが当たり前になる」時代には、今までは当たり前だった、個人でローンとか借金とか、あと賃貸もそうか、いわゆる「定期的にカネを払い続けなきゃいけない」システムを抱えていることはリスクになります。
■企業が長時間労働させる理由
多くの会社が長時間労働で一日中社員を会社に縛り付けて、休日は寝てるだけみたいな働き方をさせてるけどさ、じゃあ聞くけど、労働者がみんなそんな状態なのに、その企業の製品・サービスを誰が買えるのよ?
実際に、「朝から夜遅くまで長時間ずーっと会社に居る奴が偉い」という思想の会社で働いてたことがあるって話を前に書いたけど、自分で自社の製品を買ってるって社員は、その会社には居なかったもの。
一応言っておくと、長時間労働させてた会社側にも言い分はあって、「競合他社が長時間労働してるのに、ウチだけが早く帰っていたら競争に負けてしまう!」って、会社の幹部連中は本気で考えてたらしいのね。バカでしょ。
それと、いくら実績を出している、デキる社員であっても、定時に帰っていると会社は評価しない、むしろ意欲が低い社員とみなして最低の評価を下すって話もあって、それはなぜかというと、デキる社員の人が辞めてく時に聞いたんだけども、「定時に帰っているのにノルマが達成できているのなら、残業すればもっとアウトプットを上積みできるはずだろ!なぜ残業しないんだ!?やる気が無いのか?」というようなことを言われたらしいのね。
「定時に帰っている社員はやる気が無いとみなされて評価が下がる」ってのはそういう意味です。うん、やっぱりバカでしょ。
だって、余計に時間をかけたからって成果物が増やせるって業務じゃなかったからね。だから裁量労働制だったんだけど、導入してる側が理解してなかったというわけだ。
■デキる社員がダメ会社にしがみつく理由
私が以前にいたことのある職場で、「この人、デキる人なのになんでこんな低レベルな会社にしがみついているのかなー?」と思った人を見ていると、新卒でその会社に入社した人の場合は、「その会社のことしか知らないので転職が怖い」「どうやって転職活動をすればいいのかわからない」という理由がまずあります。
とくに就職氷河期世代の場合は、就活で大変な思いをしてやっと就職したのに、また就職(転職)活動をやるなんて……と思っていそうな人がいっぱい居ました。
でもね、職があるかどうか、内定が出やすいかどうかなんて、就職活動をした時期の景気動向次第です。新卒(不況時)の就活ではあんなに苦労したのに、好況時に転職活動したらあっさり決まった、なんてことはよくあります。
また、中途採用で入社した社員の場合も、「家族と家(のローン)があるため転職への踏ん切りがつかない」「経済的にも世間体的にも無収入になる期間を作ることが許されない」ために転職を躊躇している人もいました。
たとえ安月給でも、程度の低い会社でも、毎月必ずある程度の決まったお金が振り込まれる、っていうのは、家族やローンを抱えている人にとっては、とてもとても大きいんですよ。
■別業界へコンバートしたら事実上レベル1
気軽に転職と言っても、大抵は一度会社を辞めてしまうと、それまでの実績はリセットされちゃいます。とくに他業界への転職では、それまで積み上げたものが全部パー、またレベル1からやり直しみたいになることが多いのです。もっとも、周りのモンスター(業務)も強くなっている分、レベルが上がるのも早いですが。
業界にもよりますが、基本的に、まともな会社に新卒で入ってそれなりの年数を勤めた会社を辞めて、転職中途入社の道に進むと、収入も待遇もダウンする茨の道となるのがデフォルトというのが現実です。
また、うっかりブラック企業に転職してしまい、いわゆる「ブラックDQNスパイラル」(一度ブラック企業に足を踏み込むと、次に転職した先もブラック企業であることが多いという意味)に突入してしまうことを恐れて転職に踏み出せない人もいました。
■オッサンにとっては、転職回数≒経験人数
それとぶっちゃけた話、大抵の企業では、中途採用者よりも新卒で入社した社員のほうが大切にされます。多少アホであってもね。
そりゃあ企業のオッサン目線から見れば、その会社のことしか知らない「元・新卒処女」のほうがかわいいに決まってるじゃないですか。
一方、転職を繰り返してきた中途入社組の社員に対しては、「こいつ、腹の中では我が社を前の会社と比べてるんだろうな」と勝手な想像をして疑心暗鬼になっているわけです。
だからこそ、「履歴書を汚す」なんて表現があるわけで、就活生は「新卒切符を無駄にするな」と口を酸っぱくして言われるわけです。
■現代は「異常な時代だった」と振り返ることになる
今、自分が生きている時代のことを客観的に見るのは難しい。「今、この時」という時代は常に狂っているとも言える。
それでも、「多少健康を害していても毎日無理やり出勤して長時間労働するのが社会人として当然!会社に属していなければ人ではない」みたいな意見がまかり通っている今の時代は、少し先の未来からも、「あの頃はみんなであくせく長時間サビ残みたいなことしてて、過労死者を出したブラック企業経営者が立志伝中の人みたいにのさばったりしていた異常な時代だった」と評価されることになるでしょう。
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