震災直後の生々しい光景と、瓦礫の中を歩いていく犬の後ろ姿に、最後まで観られるか自信がなかったけど、猫たちと暮らしている自分としては他人事に思えなくて、被災地の人たちと動物たちとの出会いや別れを辛い思いで観ながらも最後は身を乗り出す思いだった。
昨年6月公開ということだけど、報道では決して伝わらなかったリアルな映像で、今回観る機会があってよかった。
ためらいがちな柔らかい声のナレーションにも救われる思いで、ナレーションを務めたのが宮城出身の宍戸大裕監督と知って親近感を覚えたというか、震災を生き抜く人々を記録しようと故郷の宮城県に帰ってきたものの変わり果てた光景に言葉を失い、被災した人々に声もかけられないなか、瓦礫のなかを歩き去っていく犬を見て、動物たちも被災していることに思い至り、被災地の人と動物に向かっていったのだとか。
そんな真摯な思いが伝わってくる素晴らしいドキュメンタリー映画だった。
《津波で愛犬を失った夫婦が、喪失を受け止めていく道のりに寄り添ったほか、津波から生き延びた男性と野良猫が再会して家族になっていく姿や、福島の原発事故で取り残された動物たちに待ち受ける苦難、被ばくした家畜の処分をめぐり困難に直面する畜産農家の人々など、人と動物たちのいくつもの別れや出会いが収められている》
監督は宮城県出身の映像作家・宍戸大裕。
前作を手がけた飯田基晴がプロデューサーを務める。
104分
キネカ大森3 16:20~観客15人程/40席
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