続・とりあえずの映画鑑賞メモ

「ロストケア」(2023/東京テアトル=日活)

《松山ケンイチと長澤まさみが初共演を果たし、連続殺人犯として逮捕された介護士と検事の対峙を描いた社会派サスペンス。斯波を松山、大友を長澤が演じ、鈴鹿央士、坂井真紀、柄本明が共演。作家・葉真中顕の小説「ロスト・ケア」をもとに、「そして、バトンは渡された」の前田哲が監督、「四月は君の嘘」の龍居由佳里が前田監督と共同で脚本を手がけた。》

これは気になっていたけど後回しにしているうちに上映回が少なくなってしまったので、西荻窪に行った帰りにちょうどいい時間始まりのテアトル新宿での鑑賞になったけど、もっと多くの映画館で上映してしてもいいような問題提起の作品だった。

姥捨山の昔から老人介護についての話はいろいろあるけど、この作品は特に強烈だったというか、松山ケンイチくんが演じる介護士斯波のやったことの是非はともかく介護に苦しむ家族にとって、斯波のやったことは果たして殺人なの救いなのか、どちらに傾くこともなく描かれているのが素晴らしいと思った。

どの作品でも少ない出番で強烈な印象を残す柄本明さんの名演技は流石すぎて少し居心地の悪いところもあったけど、松山ケンイチくんが流す涙にはついもらい泣きしてしまった、検事役の長澤まさみさんも好演。

こういう作品は主要人物たちが声高に主張しがちだけど、若い検事事務官を配置することによって奥行きが出たというか、まだ何色にも染まっていないイメージの鈴鹿央士くんだからこそ観ているこちらにも響いたのかも、坂井真紀さんや戸田菜穂さん、綾戸智恵さん、藤田弓子さんなど脇も充実していて観ごたえがあった。

途中からどこかで泣くような声が聞こえてきて、嗚咽に近いような鳴き声からどんどん声が大きくなってきて、まるで映画の中から聞こえているような錯覚に陥ってしまった、こんなことは初めての経験かも。

観て楽しい娯楽作品ももちろん大切だけど、こういう作品にももう少しスポットを当てて欲しいというか、もっと上映館や上映回数を増やしてもいいのではないかと思った、って、そういう自分もマリオや「美しい彼」に夢中になっていて観るのが今頃になってしまったりするけど(^^;


☆あらすじ☆
ある早朝、民家で老人と訪問介護センター所長の死体が発見された。死んだ所長が勤める介護センターの介護士・斯波宗典が犯人として浮上するが、彼は介護家族からも慕われる心優しい青年だった。検事の大友秀美は、斯波が働く介護センターで老人の死亡率が異様に高いことを突き止める。取調室で斯波は多くの老人の命を奪ったことを認めるが、自分がした行為は「殺人」ではなく「救い」であると主張。大友は事件の真相に迫る中で、心を激しく揺さぶられる。
※映画.comより

キャスト
松山ケンイチ
長澤まさみ
鈴鹿央士
坂井真紀
戸田菜穂
峯村リエ
加藤菜津
やす
岩谷健司
井上肇
綾戸智恵
梶原善
藤田弓子
柄本明

監督
前田哲

114分

G

テアトル新宿18:00〜観客50人程/218席







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