今回、LPR-NフィルターとQBPフィルターの違いをM13球状星団で比較しました。
1月14日、雨。昨日(1/13)光害の自宅で夜明け前に撮影したQBPフィルターによるM13球状星団と3年前に自宅で撮影したLPR-NフィルターによるM13球状星団で写り方の違いを比較することにしました。
3年前の写真は昨日の写真と総露出時間と背景色が大体同じになるようソフト現像処理し直しました。二つの写真を大体同じ条件で比較するためです。
二つの写真を目視で比較しますと、球状星団の大きさはLPR-Nフィルターの方が大きく写っています。
光害カットフィルターですから、QBPフィルターよりも多くの波長の光が写っていると思われます。
写真のクリアー度(鮮明度)はQBPフィルターの方が星々がハッキリ写っています。
今までの撮影経験で尾の出ている彗星を撮影してもQBPフィルターの方が尾がハッキリ少し多めに写っています。
光害の場所で光を多く集めて撮影したい時はLPR-Nフィルター、限定した光でハッキリした像に撮影したい時はQBPフィルターを使うことで使い方が決まると思います。
従って、光害の多い場所で彗星を撮影する場合は、QBPフィルターで露出時間を長めにして撮影し、ハッキリした像を目指した方が良いと思います。
但し、イオンの尾はLPR-Nフィルターの方の方がよく写ります。(1/19の実験撮影結果から)---1/21追記
CBP(コメット)フィルターでもQBPフィルターと同様で、こちらは透過する波長特性からイオンの尾もよく写ると思います。(私はCBPフィルターを持っていませんが)
撮影比較した写真2コマを添付します。
①M13球状星団(LPR-Nフィルター使用)
2020年1月19日05時24分49秒~27分33秒
露出8秒×20コマ ε-130D F3.3 LPR-Nフィルター
トリミング ISO3200 自宅 気温4℃
②M13球状星団(QBPフィルター使用)
2023年1月13日06時06分35秒~09分02秒
露出20秒×7コマ ε-130D F3.3 QBPフィルター
トリミング ISO3200 自宅 気温0.5℃