LPR-NフィルターとQBPフィルターの2種類のフィルターを使ってZTF彗星(C/2022 E3)を撮影しました。
1月19日夜明け前、快晴。同じ日にLPR-NフィルターとQBPフィルターの2種類のフィルターを使ってZTF彗星(C/2022 E3)を撮影比較することにしました。
目覚ましで4時過ぎに起床しました。空をチェックしますと、快晴でした。
前日にε-130D望遠鏡を自宅庭へ準備してありますので、すぐに撮影としました。
ピント合わせしました。前日のピント位置から0.06mmドロチューブ側へずれていました。気温差約6℃ですから、気温1℃で0.01mm変化していることを確認しました。以前に調べた時の10℃で0.1mm変化と一致しています。
次にアークトゥルスを基準星にして22E3彗星を導入しました。一発導入です。
試写してカメラモニターをチェックしますと、明るくなった彗星像をが映っていました。淡いイオンの尾も何となく判りました。
LPR-Nフィルターを使って50連写撮影しました。連写終了まで自宅内でラジオを聴いて待ちました。
今度はQBPフィルターへフィルターを交換して撮影します。
同じ日にフィルター交換するのは初めてです。
一眼デジカメボディを取外し、補正レンズも取外しました。
補正レンズ取外しはネジを回して外します。不安がありましたが、すんなりとうまく外れました。うまく外れて良かったです。
そこで、QBPフィルターへ交換して、ピントもアークトゥルスを使って合わせ直しました。(LPR-Nフィルターとピント位置が異なっていました)
薄明が始まりました。もう一度、彗星を導入して、できる限りの時間(17コマ連写)撮影しました。
QBPフィルターは同じISO感度でLPR-Nフィルターの露出時間が約3倍でした。LPR-Nフィルターよりも露出倍数3倍ということになります。
予定分の撮影を終了し、機材を片付けました。そして、もう一度就寝しました。
午前中に所用を済ませ、ソフト現像処理しました。
撮影した写真3コマを添付します。(1/21、比較写真③追加しました)
22E3彗星の光度は、ステライメージ9ソフトで自動測定しますと、7.8±0.1等です。なぜか他の人の光度よりも暗く出ています。
イオンの尾は写真から測定して、角度で1.3度です。暗い空で撮影したネット写真では3.6度の尾の長さもあります。
光害の自宅で尾が1度以上写りました。山へ行ったら、もっと長く写るでしょう。長い尾は山で写すことにします。
本日(1/19)は彗星のコマの位置近くに5.3等の重星がありました。この重星と彗星の位置変化がよく判りました。
今回、尾はLPR-Nフィルターの方がQBPフィルターよりもよく写っています。コンポジットコマ数の違いでしょうか。
--- 追加 ---
検証のため、QBPフィルター使用写真②と総露出時間同等(総露出300秒)のLPR-Nフィルター使用写真③で比較しました。
比較結果として、22E3彗星はLPR-Nフィルターの方がQBPフィルターよりもイオンの尾がハッキリ写ることが判りました。
QBPフィルターの方がイオンの尾の波長カット率が高いためと考えます。
今回の22E3彗星は光害の空でLPR-Nフィルターを使用して撮影した方がイオンの尾がよく写ると思います。(1/21追記)
①LPR-NフィルターによるZTF彗星(C/2022 E3)
2023年1月19日04時48分26秒~05時02分54秒
露出15秒×50コマ ε-130D F3.3 LPR-Nフィルター
トリミング フォトショップ処理追加 ISO3200 自宅
気温1℃
②QBPフィルターによるZTF彗星(C/2022 E3)
2023年1月19日05時44分03秒~58分55秒
露出50秒×17コマ ε-130D F3.3 QBPフィルター
トリミング フォトショップ処理追加 ISO3200 自宅
③LPR-NフィルターによるZTF彗星(総露出②と同等)
2023年1月19日05時13分19秒~19分04秒
露出15秒×20コマ ε-130D F3.3 QBPフィルター
トリミング フォトショップ処理追加 ISO3200 自宅