QBPフィルターとLPR-Nフィルター(光害カットフィルター)の違いによる彗星の尾の写り方の違いについて書きました。
11月7日晴れ。光害のの自宅で尾の出ているチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)とレナード彗星(2021 A1)を実験撮影してフィルター(透過波長)の違いで尾の写り方が違うことが判りました。QBPフィルターの方がLPR-Nフィルターよりも尾がよく写ります。
彗星の尾の波長域とフィルターの透過波長域を調べてみました。
彗星の尾は400nm(ナノメートル)付近と500nm付近の波長が出ています。
QBPフィルターはHα・SⅡ波長(約485nm)付近とHβ・OⅢ波長(約665nm)付近の光を透過します。
LPR-Nフィルターは蛍光灯・水銀灯等の街灯の波長を除いて透過します。
QBPフィルターの方が尾がよく写る理由は、尾から出る400nm付近の波長(CN・C3)は透過しませんが、500nm付近の波長(C2)は透過しますので、尾がよく写るのだと思います。
これに対し、光害の空ではLPR-Nフィルターは街灯の波長を除いて大部分の波長域を透過しますので、余分な光で尾が隠れてしまうのだと思います。
コメットフィルターも市販されています。しかし、私は持っていませんので、彗星の尾がどの程度写るか判りません。
もう一度、67P彗星と2021 A1彗星をε-130D望遠鏡とQBPフィルターの組合せで撮影しようと思います。
※彗星の尾の写り方比較は10/9のブログ添付写真を参照。