先日(2/9)夜明け前に撮影した岩本彗星(C/2020 A2)彗星付近の彗星状天体?と琴座ベガを載せました。
2月16日一日中雨。星空になりませんので、2/9の岩本彗星付近に彗星状天体?が写った写真と彗星の近くのベガを載せることにしました。
結論から言いますと、彗星状天体?はNGC天体でした。非常に紛らわしい天体です。
光度をステライメージ8ソフトで自動測定した結果、12.4±0.3等でした。天体の移動も確認できませんでした。全天恒星図や彗星情報を調べましたが、判りませんでした。ステラナビゲータ10ソフトでも彗星状天体?の位置に何もありませんでした。
2/11に彗星状天体?の位置付近を掃天撮影しました。同一位置に彗星状天体?が写っていました。何だろうと不思議でした。
疑問を解いてくれたものは、若い頃に購入したSAO星図でした。SAO星図で彗星状天体?付近を調べました。その結果、その位置にNGC天体のマークがありました。番号は判りませんが、既知の星でした。
彗星の場合、30分の時間差があれば移動確認できます。しかし、今回の彗星状天体?は30分後も二日後も移動していませんでしたので、彗星ではないと判りました。
それでは一体何だろうと思って、更に調べてみた次第です。そして、疑問の答えが判りました。
天体撮影していますと、いろいろと不思議な星に遭遇します。星雲状天体が移動していれば彗星の可能性大です。更に新天体か既知の天体かを調べることになります。大変労力の必要な作業です。間違った新天体情報を世界へ流して大勢の関係者に迷惑を掛けないよう細心の注意が必要です。慎重にやらなければなりません。
岩本彗星撮影時、すぐ近くの琴座ベガ(光度0等)の輝きが目立っていましたので、ベガを中心にして撮影してみました。
撮影した写真2コマを添付します。
①岩本彗星(C/2020 A2)と彗星状天体?(NGC天体)
2020年2月9日05時24分32秒~27分06秒
露出10秒×15コマ ε-130D F3.3 LPR-Nフィルター
トリミング ISO1600 自宅 気温2℃
②琴座ベガ
2020年2月9日05時39分30秒~48秒
露出8秒×3コマ ε-130D F3.3 LPR-Nフィルター
トリミング ISO1600 自宅