葉っぱビジネス

2005-06-10 | コラム
見た人もいると思うが先日、テレビで「葉っぱビジネス」を取材していた。

徳島県勝浦郡上勝町という典型的な少子高齢化の進む過疎の山村だったこの町

が最近、とても話題になっている。



各地で第3セクターがずさんな経営で赤字を続ける中、この町の第3セクター

「株式会社いろどり」は、昨年度年商2億5千万円という売り上げをたたき出し

黒字を続けているのである。



何を売っているかといえば中心は「葉っぱ」。

山に落ちている「笹」や「もみじ」などの「葉っぱ」を全国の高級料亭などに

「つまもの」として出荷するというビジネス。


しかも、そのほとんどが高齢のおばあちゃん達で毎朝パソコンに向かい、その日の

相場を調べて山に出かけ、単価の高い葉っぱを集めてくる。

80歳を過ぎたおばあちゃんがパソコンを使いこなしているのもすごいことだが、

その収入は少ない人でも20万。

多い人になると80万にもなり、年収にすると1000万を越えるというから驚き。

家を新築したおばあちゃんもいる。

そして、おばあちゃん達がお互いに競争しあっていて、皆、口々にこれが

「生きがい」と言い切り、実際表情も明るく生き生きしていたのがとても印象的だった。



観光地でもなく他にこれといった産業も資源もない町だったが、発想を転換する

ことによって大自然が産み出す木々の「葉っぱ」が、ほぼ無限の資源になるという事例である。



「町をなんとかしたい」という強い思いが行動と結果につながり、この他にも5つの新しい

事業を立ち上げた。

そして新たな雇用を産み出した町は少しづつ活気を取り戻しIターン希望者も増加、

平成の大合併も無縁の話ということらしい。


何事もあきらめずに考え方を変えれば、どんな逆境もチャンスに変わるということだろう。 
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