皆さん、TIGアートって知ってますか?なんか最近チラッと聞いて、調べてみると面白いアート作品がめっちゃ出てきたんですよね。
というか、TIG溶接って聞いたことあるでしょうか。簡単に説明すると溶接の一種で、主に配管屋さんが使う溶接方法でスパッタが出ない、比較的綺麗に仕上がる溶接です。よくイメージされる溶接ってバチバチと火花が飛んで煙がモクモクのやつだと思うんですが、TIG溶接は音も静かで火花も飛ばない上に煙も出ません。
↑左が半自動溶接、右がTIG溶接(画像は拾ってきたものです!)
TIG溶接は難しいんですが、上手い人は超綺麗に溶接できるので、それを応用してアートにしてるらしいんです。
実際に見てみましょう(ネットでTIGアートを検索して拾ってきたものですが・・・)
まぁ、すごいですよね。ステンレスは熱が入ると発色するんですよ、溶接の熱でも発色するので熱をうまく利用して色を出してるんですね。
ちょっとでも熱が入りすぎると色がくすんだり、黒くなってしまうのでシビアです。ここまでいかずとも、文字を書くくらいならできそうなのでチャレンジしてみます。芸術センスがないので、まずはシンプルな表札を作ってみることにしました。
パワーポイントで作る表札に合わせた形でデザインして、印刷しました。別にパワポじゃなくてもなんでもいいと思います。設定した寸法で印刷できるソフトで作ればよいです。
いい感じのステンレスの廃材があったので、ちょっとバフをかけてテカテカにしました。厚みは9㎜で、結構ずっしりとしています。
印刷した紙の下にカーボン紙(白)を敷いて上からボールペンでなぞりました。こいつが輪郭線です。この輪郭線を目安にして溶接していきます。
これが溶接中の様子です。TIG溶接時の電流は60Aで使った溶加棒は1.6㎜でやりました。この時点で色がちょっと暗いですね、これは熱をかけすぎてます。電流が高すぎか、アルゴンガス流量が少ないか、溶接スピードが遅すぎか、考えられる原因はありますがとりあえず進みます。
最後までいけました。やっぱり焼け色が汚いですね…何度か練習すれば綺麗に作れそうです。TIG溶接なら曲線もできるので、意外とイラストも描けるかもしれません。ちなみに私の溶接歴は1年の駆け出しです。経験は足りないけど、手先は器用なほうだと思います。
ちょっと焼け色が微妙なので、色を取りましょう。実はこの焼け色は表面の超薄い層だけなんですよ、ワイヤーブラシでさっと撫でると消えるくらいの色です。でもワイヤーブラシだとヘアラインのような傷がつくので、焼け取り機で色を取り除きます。仕組みとしては酸性の薬剤を浸したブラシに電流をかけて電気分解してるっぽいです。詳しい仕組みは全く分かりません('Д')
こんな感じで焼け色はさっぱり消えます。製品にする物もほぼすべて焼け取りするか、サンドブラストで色を取ります。世に出回っているステンレス製品のほとんどが銀色なのは、こうやって焼け色を取ってるんですね。綺麗な焼け色だと残してもいいなと思うんですが(笑)
上は材料の板を磨かないで溶接したもの、下は磨いたものです。表札にするなら上のほうがいいかなぁ
これ、まだまだ未完成ですね。こんなものでは満足できません…もうちょっと練習して綺麗な焼け色が出るように目指します。TIG溶接道は続く…
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