福岡 モンコレメモ

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モンコレの世界(20)

2010-03-28 16:39:26 | モンコレの世界
■不滅なる聖騎士

【魔法帝国の興亡】
今や古代帝国と称され、その名を知らぬ者も増えてきた、魔法帝国オーリリア。
百代を越えその威光を残すこの大国には、後世に『白狼アーヴィン』と称される聖騎士がいたという。
ナッシュとも呼ばれるこの聖騎士はその心身を帝国に捧げ、甘んじて人体強化の秘術を受けることで、人間でありながら〈魔〉の因子をその身に宿していた。

彼とその愛する女性は、互いの立場を違え、帝国末期の争いへと巻き込まれていく。
そしてあるとき彼は帝国に裏切られ、最愛の人もろとも儀式魔法『滅びの雨』を浴び、消え去る運命にあるかと思われた。

己と帝国へと向けられる、憎悪と悔恨の念――朽ちることを拒む絶望に満ちた精神と、〈魔〉の因子に侵食されたその肉体が、『白狼』を不滅なる聖騎士として生きながらえさせる。
魔界最強の剣士「髑髏の騎士」として再誕した彼は、その持てるすべての力を振り絞り、破壊の化身に身をやつした皇帝へと復讐を遂げた。

こうして『白狼』は「髑髏の騎士」の代名詞ともいえる存在となり、最も古く名を残す英雄の名ともなった。
六王国時代におけるもっとも著名な伝記『アーヴィン英雄伝』のアーヴィンも、こうした魔法帝国の興亡にかかわる英雄『白狼』にちなんで名づけられたといわれる。

【魔物と仲よくなる方法】
この世界において『白狼』と並び著名な「髑髏の騎士」が、『髑髏の騎士ゲイル』であろう。
『白狼』は太古の昔とはいえ、古代帝国期の文書などに名を残す「髑髏の騎士」である。
対して『髑髏の騎士ゲイル』は、暗黒時代の終期から伝わるといわれる物語の登場人物なのだが、その実在を疑う向きも多い。

彼の登場する物語には、同じ暗黒時代が発祥とされる『ホーリィの手記』のような、正式な題名などはない。
この物語は『ホーリィの手記』以上に私的な内容であり、その上にごく小さな冒険譚にすぎない――それより後に続くはずの物語が垣間見えるが、そうした伝承は存在していない。
こうした随筆的な物語が連綿と語り継がれていても、その真偽を確かめる手がかりは掴めないというわけだ。

一般的に、暗黒時代の伝承がいずれも信憑性に欠けるのは仕方のないことだといわれるが、何より『髑髏の騎士ゲイル』の存在を疑わしくしている理由は、もうひとりの主人公の存在にある。
それは、彼を深い闇のまどろみから現世へと呼び戻す、召喚術師だ。
「髑髏の騎士」を使役する者ともなれば大召喚術師を想像するところだが、この召喚術師は年端もいかぬ少女にすぎない。
そして少女は戦う力も持たぬ夢魔やリュンクス、もろい骸骨兵しか連れ歩けぬ召喚術の腕前であり、ゲイルを完全に支配・使役せしめる力を持ちあわせていない。
そのため古く不完全な秘術で、「髑髏の騎士」を操ろうとやっきになるのだ。
はたして「髑髏の騎士」が、そんな小娘のいいなりになるものであろうか?
この物語が事実として認識されづらいのも、無理からぬことであろう。

こうした未熟な召喚術師とゲイルとの奇妙な関係性から、この物語を『魔物と仲よくなる方法』という俗称で呼ぶ者も多い。
  
《髑髏の騎士ゲイル》《サキュバス》《竜牙兵》

【髑髏の騎士ゲイル】
魔界最強の剣士「髑髏の騎士」。
その剣から発する「闇の波動」は、局地的であるとはいえ、〈聖〉なる因子をこの世界から消し去る力を持つという。

『髑髏の騎士ゲイル』を広く世に知らしめる物語『魔物と仲よくなる方法』には、出所の明らかではない不思議な説がある。
それはゲイルと『白狼』とを、同一の「髑髏の騎士」だと唱えるものだ。
ふたりの「髑髏の騎士」の名前が異なるため、この説は極めて信憑性が低い……と一笑に付すことは簡単である。
しかし古代帝国期には、人間にも「真の名を他人に知らせないように」という意図で、通り名と実名を使い分ける風習があったことに着目したい。
そしてふたりの「髑髏の騎士」を同一視する者によると、『白狼アーヴィン』の実名が「ゲイルバル」であったと伝える古文書が、わずかながら存在しているというのだ。

《髑髏の騎士ゲイル》

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