日々宿酔

日々忙しく過ごす中でも心に何か感じて生きていきたいと思っています。
そんなこんなを三十一文字や十七文字で綴ります。

五月三日、蓮華温泉にて

2010年05月05日 09時03分36秒 | 日記
寝汗からつづく熱もち見送りの言葉淋しも山小屋の窓

風邪熱に朝日の念い空しくし小屋守(も)る君よ寂しからずや

朝日岳映す格子のガラス窓スキーシールを片寄せて干す

出づは出で静けき小屋の窓辺より雪解の沢にうぐいすの声

雪倉と朝日を望むシュルンドのいで湯に浸(い)れば苔むす湯船

雪の上(へ)の踏み跡おほに湯けむりのにほへる方に我を誘(いざな)ふ

岩肌を湯けむり這えば岩間よりみ湯流れ出で我湯に游ぶ

湯の花のからむ湯に立ち大蓮華広げる両手の中におさまる

蒼天と境に雪積む雪倉を石積む湯船の薬師湯ゆ見む

石を積む湯船を平らにあふれ出す湯面(ゆづら)は空の青を映して

シュルンドと笹に埋もれてうら青きブラックホールの三国一の湯

入日さし炊げるにおいただよえば戻る声する山小屋の窓