一人 de 梨ノ木谷

あこがれし花を想へばたえかてに山をさまよふ心もとなに

あしばやに過ぎ行く人の後ろ影小さく消える過ぎし日々かも

何をかを遠く近くにミソサザエせせらぎ清き山の瀬深く

人恋し

あたたかな陽射し恋しい人恋しムラサキサギゴケの咲き初める頃

春冷え

春冷えにけやき芽吹けど淋しくて今日はだれにもまみえぬ心

春は来ぬ

晴れわたる今朝のみやこは春かすみ古桜めぶけば山はむらさき

雑草花

まちかてに空をこころにいぬふぐりつめ跡深き庭に野面に

今私に出来ること

月ヶ瀬の谷の梅の香吹き抜けよ津波に負けぬ人癒すまで

ＡＣ

津波にも勝れるほどに被災地へその無駄送れＡＣコマーシャル

驕れる思惟

日増すごと津波の脅威核をだに自然の摂理思惟をし凌ぐ

東日本大震災

突き上げる地殻変動高々と海盛り上げて大地切り裂く

黒々と海盛り上がりことごとく押し流すとも人生き残る

突き上げる地底の叫び日の本の無辜のはらから心ひとつに

原発の安全神話総崩れ制御不能の核の恐慌

激震が世界をめぐりあたたかき人の心の無限なるかな

一年の想い

春空に白紅の花みちて梅はひととせの想ひをたけに