![]() | アフターダーク講談社このアイテムの詳細を見る |
僕はハルキストというほどではないが、彼の作品はよく読んだ。最初に読んで、そして今でも最も好きな作品は「中国行きのスロウ・ボート」。今でもたまに読み返す。この本を読んだのは確か83年だと思うけど、当時18歳の僕の日記を読み返してみると恥ずかしいほど村上調(のつもり)で心境を書き綴っている(笑)。「僕は毎日をプリズムの眼鏡をかけて過ごしている。何もかも纏まりのない映像の中を彷徨って足元が見えない」なんて。そんな日記を書いた18歳の僕を今の僕は恥ずかしくも微笑ましく思う…けど、ここはツッコミを入れないでクダサイ…(笑)。
「アフターダーク」は手に取ろうかどうか考えたけど、ちょうど飛行時間に読み切れるだろう、と思い買ってみた。羽田空港から福岡空港まで、きっちり1時間半で読み終えた。村上春樹は読み終える時間が読めるのがいい。深夜に読み初めても朝になることがないのがいい。初の長編「風の歌を聴け」から数えて25年目の作品ということで賛否両論あるようだけど、素直に読めた。僕の中にある村上春樹を楽しめたし、18歳の時の自分を思い出しもしたし。うん、今でも好きな作家だと言えるな。