羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

古本をマイバッグに入れて

2011年08月16日 | Weblog
古本屋のレジスペースは狭い。
狭いながらもう10年以上はここで仕事をしてきたので、
すっかり慣れている。(でも蚊や蛾や時にはゴキブリが恐怖)
その狭いところでパソコン入力作業をしていると
本当に肩がこる。
そうとう旧式のレジ、その横に古本を積んだ机、その脇にパソコン本体。
パソコンのモニターは机の前の折りたたみ椅子。
キィボードはその前に(何と!)踏み台に古本を重ねて置いてある。
ものすごく不安定。姿勢も悪くなるが今は在庫をアマゾンに出す作業に
集中しているので仕方がない。
マウスを動かすために商品の写真集(売れてないやつ)を勝手に運んできて
そこで仕事をしている(目をしょぼしょぼさせながら)。

時々みえるお客さんのなかで印象深いのが年配のご婦人。
顔を覚えているだけで何人かはいらっしゃるが何故印象的なのかと言うと、
格安な文庫(30円からある)を数冊選んで持参のマイバッグに入れて
帰られる、ということが共通しているからだ。(マイバッグはスーパーの袋の
再利用のことも多い)
家族の病院通いに付き添うときに読むの、と微笑むかたもいれば、
100円文庫はあっても30円はここだけ、と朗らかにおっしゃるかたもいる。
ミステリーや時代物など、お好みもほぼ決まっている気がする。

年長の女性たち。慎ましく生きているのかもしれない彼女たち。
それでも本を傍らにおき、読書を愉しんでいるのだろう姿は素敵だと思う。
じぶんの近い将来をふと重ねてみたりする。