羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

FOUJITA

2015年11月14日 | Weblog
小栗康平監督の10年ぶりの映画が公開された。「FOUJITA]
正直なところ藤田という画家についてはほとんど知らなかった。
あのオカッパ頭の印象が強烈でなじめない一方、かわいい少女の絵や
よくでてくる猫について多少の関心があった程度。

でもとにかく小栗さんである。
小栗監督の作品を待っていたといってもいい。
わたしが監督を知ったのは「伽耶子のために」という映画。
李恢成原作のこの本が学生時代、ほんとうに好きだった。
読み返してボロボロになっていたため引越しをしたとき、
あやうく夫に捨てられるところだった。
(不用品の山に投げ込まれてあった)

この大好きな本を見事に映画化してくれたのが小栗監督である。
もちろん、公開してすぐに観にいった。
そしてそれから30年以上が経った。

この度、新作公開記念で監督作品「泥の河」や「死の棘」、「伽耶子のために」も
期間限定で上映されることを知り、もちろん「伽耶子」を観にいってきた。
監督作品は全作品のセット販売で高価でもあり品薄にもなっているらしい。
だから単品DVDはない。(どうやら近い将来分売されるらしいが)

映画を観る前に、もう一度原作を読んだ。
やっぱり好きな作品だった。
映画をもう一度観ると、当時は若い人たちの側にたってみていたものが
時を経て、親の立場になっているじぶんに気がつく。
伽耶子のお母さんは気性が荒いがクナボジ(朝鮮人の父)の気持ちもわかるような気がする。

サンジュニ(主人公)と伽耶子がリヤカーを押して暗い夜の森を歩く場面を
サンジュニが下宿していた近くの井の頭公園だと思い込んで
印象に残っていたけれど、北海道のR町でのことだった、という記憶違い。。
この映画でデビューした南果歩さんがとっても可憐でイメージにピッタリで
それ以来ずっと彼女のファンである。

藤田画伯についてはNHKで番組を特集してくれたので予習ができた。
明日、観にいく予定。