どうやら今月末には決着がつくらしいけど、北京五輪の水泳・日本代表がつける水着でもめているらしい。日本が契約していないスピード社の最新水着「LZR Racer(レーザー・レーサー)を使用する選手が新記録を連発したかららしい。
「違約金を払ってでもスピード社の水着を着ようという声があがった」というがそれが本当なら日本もくるところまできたなって感じだ。
まえにフジでやってた「カバチタレ」ってドラマの中で“心裡留保”というのがテーマになった回があった。あきらかにウソのわかるような契約は守んなくっていいという法律らしが、メインストーリーのほうは、この法律を逆手にとって痴漢の告訴状を取り下げさせようというものだったが、おいらはむしろサイドストーリーのほうに心をひかれた。
深津絵里扮する主人公・千春の上司、大野(陣内孝則)のところに「昔、店を出してもらう約束をした」と飲み屋のおばちゃんが訪ねてくるんたけど、酒の席で出たようなそんなハナシこそ“心裡留保”をタテに反故にできるでしょうが、千春は大野につめよるんだけど、大野は
“心裡留保”はいわば鉄人28号のロケットパンチ、つまり最後の必殺技、それをいちいち行使していたら「約束は守らなくてもいいものだってことになりかねない」
と答える。
さて水着の件だけど
04年アテネ五輪以前にも、アディダス社など他のメーカーが契約の追加を求めた。だが、水連は「黎明(れいめい)期から育ててもらったのだから」と3社との契約を尊重し、断った。しかし、ある幹部は「今回は事情が違う」と話す。
事情が違うってどういうことだろう?
メダルをとれそうだから?
それとも
性能の差が大きすぎるから?
どっちが理由だとしても「約束を破る理由」としてはムシがよすぎる気がするが。
そもそもなんでメーカーと選手が契約するかといえば、メーカーのほうは宣伝効果を期待するし、選手のほうはよりよい用具を安定して供給してほしいという持ちつもたれつな関係なわけだ。
メーカー間の開発競争で差が出るのは当然のことで、ある意味この関係は「差」を前提としたつきあいなわけだ。だから差が出たから反故にするというのはいかがなものか。
それに「お世話になる」というウエットな部分を享受しているのはむしろ選手のほうぢゃねーのか。
違約金というのは「違約」なわけでいわば罰金。本来やっちゃいけないことに対するペナルティなわけで、スポーツ界でこういうルールが行使される場面が多発するのは子供の教育上よくないと思う。
こないだの武田美保といい、人はプールの塩素に浸かっているモラルが溶けてしまうんだろうか?
スピード社の「レーザー・レーサー」は日本のコム・デ・ギャルソンとのコラボ製品のひとつで前みごろに「心」という毛筆書体があしらわれるという。(中国人は中国語だと思うかもしれない)
日本のアスリートにこの「心」という文字を身にまとう資格は果たしてあるのか?
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