“格差”食い物にする「あいのり」

　フジテレビの「あいのり」はバカモノどもの、もとい、若者たちの恋愛エピソードのスキマ隙間に行く先々の国の文化や歴史に関する知識を織り交ぜてるけどあれは社会派ぶっているのか、はたまた若者が世界に対する知識を身につけることでも恋愛のみならずヒトとして「成長」していくんだという演出を狙っているのか？それとも単なる尺かせぎか、いずれにせよ今回のゾマホンの起用で完全に墓穴を掘ってしまったな。

　「歴史も知らないで恋愛なんかしてんじゃねー」というゾマホンの言葉が場違いだという理屈は通るだろうか？これが国内で完結している「ねるとん紅鯨団」あたりだったらそういうこともいえるかもしれないが「あいのり」に限っていえばゾマホンに反論する資格は1ミリもない。

　だって「あいのり」ってば今まで散々「そーいうこと」をネタとして使ってきたんだからさ。

　ちょっと前のオンエアで出てきたカカオ生産者の家族のエピソード。自分たちはチョコレートを食べたことさえないという子供たちにチョコレートをプレゼントするというお涙チヨーダイ企画。今までもそんなうわべの似非ヒューマン・ネタが満載だったぢゃないか。

　つまり今まで何度も“その手のネタ”に頼ってきた「あいのり」にゾマホンの怒りを否定する資格なんてないのさ。
　どうせ今回も“たけし軍団”のゾマホン呼んで面白おかしく盛り上げようなーんて軽く見積もってたんだろうさ。

　「勉強より大切なものがある」って“常識”と“お受験”を混同した救いようのない発言だけど、百歩譲って
「自国の歴史ならまだしも、他国の歴史を知らないくらいでとやかく言われたくないよ、だって日本は奴隷貿易してなかったぢゃん」
　というおバカ問答を考えてみよう。

　いやいやパンツくん、日本のいままでの豊かさってのは、まわりまわって（いやそんな遠くもなく）そういう西欧主導の闇の歴史が生んだ国際格差という堆積物の上に成り立っているんだよ。こないだのチョコレートがいい例ぢゃないか。
　まぁ、日本ではおいらも含め、「こっちもそれどこぢゃねーのよ」っていう貧乏まっしぐらな人も増えつつあるかもしれないけど、それでもきっとまだ大半はアフリカよりはマシで、ましてやヤツらはのうのうと恋愛ツアーなんてできてる身分。これってどうよ？
　なに？「ボクたちは歴史の勉強しにきてるんぢゃない。恋愛しにきてるんた」ってか？
だったら国内でやってよ。しかも自力でさ。

　でもこの「士農工商」も知らないアホどもが日本の教育制度の歪みから生まれたオチこぼれだとするとフジは二重の意味で「格差」を食い物にしてるな。

　フジといえば、こないだは深夜番組でテレンス・リーの暗殺体験を面白おかしくネタにしまってたし。産経新聞はクラスター爆弾の規制に対して「日本の安全が損なわれる」なんていっちゃってたし。

　展開次第では「あいのり」打ちきってもいいくらいだと思ってたけど、そもそもテロップも含めこういう“ふざけた編集”であえてオンエアしたってことはフジにとっては今日のゾマホンの怒りも演出のうちだったわけで、逆にもっと酷いことになるなんてこともあり得る。（苦笑）
　…っていうかそもそも「あいのり」なんて見てんぢゃねーよ…ってツッコミが入りそうだ（汗）

　…はい、来週からは「英語でしゃべらナイト」でパックンのジョークに顔引きつらせることにします（笑）

　でもさぁ、あんなパンツくんみたいなアホでも字だけは読めるのだとしたら、やっぱり日本が世界に誇る寺子屋制度ブラボー！…だな。