偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

「特上 カバチ!!」と「ライアーゲーム」~ドラマで学ぶ資本主義

2010年01月20日 18時51分14秒 | ◎ツッコミ思案neo
 「カバチタレ」の続編「特上 カバチ!!」がドラマ化されると聞いたとき、前作の原作を基に全く別の世界を再構築したフジのドラマ版が秀逸だったのでキャスティングだけ見て「こりゃどっちつかずになりそうだ」と期待感はまるでなかったのだけれど、初回を見た限りでは原作のコンセプトをそのまま活かした少なくとも及第点の出来には仕上がってみえた。

そして「ライアーゲーム」。原作は読んだことがないけど、ドラマ版のシーズン1を観たとき「これって『カイジ』のパクリぢゃん」と思った。
 が、よくよく考えてみると「カイジ」よりも救いのあるメッセージがこめられているのではないか?…と思った。
 拙ブログで「カイジ」の映画版を酷評したときに、うま作りさえすれば現代版「蟹工船」になる可能性があったものを…と惜しんだものだが、実は二番煎じのB級作品と思っていた「ライアーゲーム」シーズン2の最終回を終えてみてこっちこそが後継者ではないかと思った。

 全体的に漂う手抜き感が惜しいところだけどそのシンプルさが逆にメッセンジャーとしては都合がいいかも。
 子供の自立心をそぐということでドラえもんを放送しない、或いは国民皆保険制度は共産主義と糾弾する米国では放送はできないかもしれない(笑)

 最後に敵も救うというところに、「振り出しぢゃんとカタルシス無いぢゃん意味ないぢゃんいまいち辻褄あってないぢゃん」と不完全燃焼だった視聴者も多かったんだろうか。でもとりあえず金はともかく精神的な勝ち負けはついているのだ。

 一方「特上 カバチ!!」では依頼者の利益を守るとということは争議の相手を徹底的に叩きのめして地獄に落とすことだと主人公の上司は結論づける。
 これこそ資本主義そのものだ。

 「カバチタレ」は元々青木雄二氏の監修でスタートとしたので資本主義側にたっているのではなくその正体をあぶり出すのが目的だと思う。(最近は世相を反映した法律あるある漫画みたいになってしまっているが。)
 さらにいえばドラマ初回のエピソードでは金を貸しているほうがワルモノにされがちなこの世相の中、ドラマではどちらかといえば金を借しているほうが被害者でそれが主人公側と対立しているという構図も示唆に富んでいる。

 各々が自分の利益を守るように精進してさえいればあとは市場システムが勝手にバランスがとってくれるものだという市場原理主義はうそっぱちだということをこの2つのドラマは教えてくれているのではないだろうか。


 蛇足:菊池凛子って世間では世界的女優だっていうけどただでさえB級に見えてしまたったこのドラマにC級感を与えてたような気がしたのはおいらだけ?
 …インタビューとかもバカっぽいし…。


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