偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

バイデン演説「聖書」はフェイク! Mr president It`s not the Bible but The Byrds isnt it ?

2020年11月13日 00時41分41秒 | ◎ツッコミ思案neo
アメリカ合衆国・次期大統領にきまった 
ジョー・バイデン氏の勝利宣言スピーチから

The Bible tells us that to everything there is a season—a time to build, a time to reap, a time to sow. And a time to heal. This is the time to heal in America.

旧約聖書のEcclesiastest(伝道の書~コヘレトの言葉)からの引用としているが本当だろうか?
 というのもこれと完全に一致する文章を聖書の中に見出すことができないからだ。

聖書はもともと英語で書かれたものではないので
英語訳については、いくつかのエディションが存在する。
2020年の聖書の売り上げベスト10は次の通り

1.New International Version (NIV) (1)
2.King James Version (KJV) (2)
3.New Living Translation (NLT) (4)
4.English Standard Version (ESV) (5)
5.New King James Version (NKJV) (3)
6.Christian Standard Bible (CSB) (6)
7.Reina Valera (RV) (not ranked)
8.New International Reader's Version (NIrV) (9)
9.The Message (Message) (8)
10.New American Standard Bible (NASB) (7)

右のカッコ内は2011のランキング。
こうしてみるとペスト10内の顔ぶれは
この10年間ほとんど変わってないことがわかる。
もちろんこれ以外にもバージョンは存在するが
★Bible Study Tools★というサイトで実に36種類のバージョンを全文比較してみることができる。

演説フレーズとの完全一致がなかったのは先述のとおりだが
単語単位で調べても
「reap」が出てくるのは
【The Message Bible (Message) 】
A right time for birth and another for death, A right time to plant and another to reap,
の1バージョンの一文のみ。
「正しい植え時、正しい刈り時」という訳になるだろうか。

「sow」に至ってはゼロ。
実は今回、演説の書き起こしを検索してみたとき
検索結果最上段はNew York Timesだったのだが
そこでは「sow」が「sew」になっていた。(今はなおっている)
なので、第二位だったアルジャジーラのほうを参照した。
その時は単純にニューヨークタイムズがアルジャジーラに負けてんのかよ!
と思った。
が、
いま思えば原典である聖書をあたってみて
そこに存在してない単語を機械的に避けてみたのかもしれない。
たしかにsew(縫う)なら出てはくるが、その場合対らなるのはrend(裂く)だ。
そう「コヘレトの言葉」は対になる反対語ペアの集合体でできている。
そんなわけで聖書からの引用といわれても、いまいちしっくりこない。
そして、ふともうひとつの可能性がうかぶ
それはByrdsのヒット曲「Turn ! Turn ! Turn !」だ。
というか
もってまわった表現をならべてしまったが
最初に文字面みたとき、聖書なんかよりまず
「これパーズぢゃね?」 
と思った。
きっとあの坂崎幸之助さんもそう思ったはず。
いやいや
大ヒットした曲なんで多くのアメリカ人こそ、そう感じたはずだ。

いろいろと調べてるうちにフィナンシャルタイムスのこんな記事に遭遇



↓以下記事の超訳な要約
1959年、ピート・シガーのもとに契約する音楽出版社から作曲依頼がくる
「シガーちゃんさぁ、『おやすみアイリーン』みたいなやつ1曲書いてよ。あ、プロテストソングはダメよ。そういうのを宣伝するわけにいかないからさ」
それに対してシガーは
迎合はしない、そういうことなら他のソングライターに依頼してくれ
とかえしつつも
この「Turn ! Turn ! Turn !」を仕上げた。 


すると
「これな、これこれ。こーいうやつよ」と担当者氏は大満足。
シガーの目論み通り曲は大ヒット
担当者氏はシガーのほどこしたシカケに気づいてなかった。
シガーは冷戦下の聴衆のために
聖書の言葉にTurn ! Turn ! Turn !というコーラスと
彼自身の希望に満ちた結論を書き加えたのだ
: “A time of peace; I swear it’s not too late.”
(さあ平和の時、決して手遅れなんかではない
と)
時代は
リンドン・ジョンソン大統領が自身の標榜する「グレートソサエティ」へ邁進中
その傍らでは黒人公民権運動家が
警察犬や放水攻撃に耐えていた。
もじゃもじゃ頭の若者たちは国に対し
「詫びろ!詫びろ!詫びろ!」
…ではなく
「Turn ! Turn ! Turn !(かわれ、かわれ、かわれ)」
と大合唱した。
この曲は時代の記憶を記録した歌として
ベトナム戦争のドキュメンタリーなど
多くの映画のサウンドトラックとして使われ
マレーネ・デートリッヒなど名だたるアーチストに
カバーもされた
★Marlene Dietrich Glaub! Glaub! Glaub https://www.youtube.com/watch?v=CjBBgywb8K8
超訳要約以上

さて
リンドン・ジョンソンについてのくだりは
誤解を誘うような書きかたになってしまったかもしれないが
彼は暗殺されたケネディの後を継いだ大統領で
その政策はいわゆる大きな政府などリベラル色の強いものだったので
グレートな社会といってもトランプのMake America Great Againとはちがう
とはいえベトナム戦争という負の継承はデカかったし
黒人差別は今よりも激しかったと思われる
差別といえばそのケネディも
アイリッシュ系ということで
ある意味マイノリティだった。

WASPSという言葉がある。
white anglo saxon protestant
の略で
アングロサクソン系で白人でプロテスタントというのが
長らくアメリカの支配階級を占めていた
事実、バイデン氏でやっと二人目のカトリックの大統領
つまりケネディ以来ということだ。
アイリテッシュ系でもある点も共通。
あ、そうそう
セント・パトリック・デーの行列をしている方々はカソリックということだ。
マイノリティといいつつも、その日は全米をあげてスポーツ界はアイリッシュカラー(緑)の帽子やジャージィを見につけたりするからフクザツだ。

とハナシが少々とっちらかってしまったが
結論は、あれは聖書ではなくザ・バーズだということ
なぜそんなことをしたかというと
それがいちばん人々の心理のひだにもぐりこめるから
え?ブロテストソング?
聞くほうはそこまで考えちゃいない
ってことを向こうも知っているのさ。
かつてレーガンがブルース・スプリングスティーンの「Born in the U.S.A」をキャンペーンソングに使ったことを
間抜け呼ばわりしてた方々がいたが
大統領候補の選挙参謀ほどになれば
世界トップクラスの知見を以て作戦を練るものだ
「Born in the U.S.A」についていうなら
多くの人々にとっては
リフレインしか印象に残らないから
歌詞を無視した選曲などとその効果を疑問視するのはとんだお門違い

スピーチライター氏は聖書といいながら
しれっと国民が何回も聞いたことがあるであろう
ポピュラーミュージックの歌詞を並べ
印象付けることに成功した
そして
「Time to heal」はまんまと見出しになり
全米をかけめぐった


バーズより前のレコーディング。
筒美京平ならちがう曲だといいはりそうだ(笑)

https://www.youtube.com/watch?v=ofnMHuCCp2c

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