偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

芋洗坂係長盗作事件:補足情報

2008年11月18日 02時55分34秒 | ◎ツッコミ思案neo
 前回の投稿でこの件はひと休みにしようと思ってたんだけどコメントで情報をいただいたので追記しておこうと思う。
 そう、「さむがりやのサンタ」ってのは超有名な絵本のタイトルだった。「印税スター誕生!選定篇」を見たときの既視感は遙か昔に読んだ星新一のほうではなくこっちのほうが強かったかも。
 さて、この本がどれくらいメジャーかというと、そうさな…今からどこでもいいからあまり小さすぎない本屋さんに入ってクリスマス・ギフト用の平積みを見たまえ。必ずといっていいほどこいつと「スノーマン」はあるはずだ。実はこの「スノーマン」も同じ作者レイモンド・ブリッグズの作品なんだ。
 「スノーマン」のビデオは何回買ったことか…自分では一回も見たことないんだけどね(笑)

レイモンドには核戦争をモチーフにした「風が吹くとき」って作品もあった。
なんとなく社会派作家って感じがしちゃうかもしれないけど、この本が出版された80年代前半といえば冷戦下軍拡競争激化の影響か“核戦争ネタ”は“流行り”でもあった。
 このころ同じように核爆発後の恐怖を描いた「ザ・デイ・アフター」なんていう映画もあったしね。
 ホリーズの「ストップ・インザネームオブラブ」とかメン・アット・ワークの「イッツ・ア・ミステイク」のPVなんかも核ミサイルの発射ボタンがネタになっていたっけ。

 盗作事件の補足情報といいながら関係ないことばかり書いてしまってるけどオチは最後につけるから安心してくれ。でも実際のところ匿名さんが「さむがりやのサンタ」を思い出させてくれたおかげでイモヅル式にてんこもりな思い出がイッキに押し寄せてきてしまい感情は抑えられなくなっている(笑)。

 そんなわけでさらに続けさせてもらうけど「さむがりやのサンタ」ってのは世界的に権威のあるケイト・グリナウェイ賞受賞作品なんだけど、ここでケイト・グリナウェイ賞にまつわるガセビアをひとつ思い出した。

それってあれか?あっという間に帰ってもうた阪神の助っ人のハナシかい?
それはグリーンウェルやがな

…ってこれがさっき言ってたオチではないから。

 で、ケイト・グリナウェイ賞といえば、こないだ吉田直哉氏の特集番組についての投稿の中でも名前が出てきた安野光雅氏も実はケイト・グリナウェイ賞の受賞者だ。その昔、この受賞についてとんでもないガセビアを聞かされてしばらくの間それを信じていたのだった。
 それは…
「ケイト・グリナウェイ賞は女性作家にのみ与えられる賞だったがAnno(安野)を女性の名前だと勘違いした審査員により異例の受賞となってしまった」
…というもの。

 そもそも女性作家にのみ与えられる賞ってところから間違っている。だってさっき出た「さむがりやのサンタ」のブリッグズは男だ(笑)
 ただ実際に安野光雅氏は本受賞ではなく「審査員特別賞」という扱いにはなっているようなのでワケアリな受賞であることだけはガセではなさそう。

 そこで調べたんだけど、
「日本人だということが知られないまま審査員に推されていたけど初出版が英国でないので受賞資格は失った。でも審査員の中にその本を推す人がいて「特別賞」に落ち着いた」
 …と。

 恐らくこれが真実。

 ちょっとひっかかるのは同賞の公式サイト内に安野氏の名前が一切ないこと。

 受賞の事実については雑誌かなんかのインタビューで本人が語っているのを読んだことがあるのでそれは確かなんだろう。でもサイトに名前がないことに加えて歴代の受賞者の中にオーストラリア人がいることもちょっとひっかかった。そいつの本は初出豪州やったんちゃうんかい?…って、なにか差別的な臭いがしなくもない。

 ちなみに賞の対象になったのは「ABCの本―へそまがりのアルファベット」って絵本。エッシャーの無限階段のようなあり得ない“ダマし絵”で立体的にアルファベットを描いてあるので大人が見ても楽しめる。

 そんなわけでこんな絵本好きのおいらだからこそ芋洗坂係長の行為はひっかかりまくりなのだ。

 さて、本日のオチなんだけど「芋洗坂+盗作」で検索したら、1ページ目の下のほうに唐沢俊一ネタが出てきた。
「類は友を呼ぶ」ってことか(笑)
 …と、あんまり全体的な流れにそってないオチでしたとさ(苦笑)


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