1987年公開、フランス・西ドイツ合作映画。ヴィム・ヴェンダース監督。
まだベルリンの壁があった頃の映画。知識不足もあり自分にはやはり難解な映画です。
コートを着たオッサン達が天使としてベルリンの街を見守っている。天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)、天使カシエル(オットー・ザンダー)等。
人々の中には、落ち込んだり絶望の淵にいる人もいる。天使はその声を聞き寄り添い、苦しみや悲しみを分かち合おうとする。それを感じる人もいれば分からない人もいる。
これは例え周りに理解されない事や孤立していても、世界のどこかには必ず理解してくれる人がいるんだと、天使でなくても、天使のような人はいるんだと、会う事はなくとも一人ではないと受け取る事も出来る、と思う。
日本での天使のイメージとは、かなりかけ離れていると思うが、さらにピーター・フォークが元天使だという。ええッ?彼はヨレヨレのコートを着たコロンボでしょ。いやいや元天使がコロンボになったんです、と。ヴェンダースには分かるのかも知れない。
モノクロトーンで、一見静かに進行していく。そこにピーター・フォークが現れると何だかホッとする。
サーカスの舞姫マリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)に想いを寄せ悩んでいた天使ダミエルは、元天使ピーター・フォークの勧めもあり、ついに「壁」を超え人間世界の地上に舞い落ちる。
やってきた元天使ダミエルにマリオンは言う。あなたが夢でみた人。すべてが私たち次第。私たちが作る歴史はきっと素晴らしい、と。
数年後、ベルリンの壁は壊される。
町山智浩氏の解説がYoutubeに上がっています。