【カスタマイズ】その他大勢ヘッドを作る・１

同一の金型であるが故に、イプシロンミゼットは「全て同じ顔」であるという、思い入れを注ぐにはかなりマイナス要素となる欠点を有しています。
ミゼット等、特定のキャラクター設定による「縛り」を受けないオリジナル要素の高いフィギュアを持つ多くの方々は、こうした製作側の事情による欠点を補うためにあれこれと工夫するわけですが、そのうちの一つが「首を挿げ替える」という方法です。
ほとんど大半の方は既存のキャラクターフィギュアから流用するというのが主流ですが、頭身のギャップや流用元である作品のイメージからは切り離すことができない（特に客観視点で）…etc.問題も多々存在します。
また、０からオリジナルの頭部を製作しカスタマイズするユーザーの方もいらっしゃいますが、やはり相応の労力がかかるものですので多くの場合、特別な１体～数体をカスタマイズに止まるのが現状のようです。

私個人は、「少数の精鋭を支える多数の裏方」というシチュエーションが好きなので、彼らにもそれ相応のカスタマイズを施したいと考えております。…が、さすがに１体１体別の顔を用意することは到底叶いません。
そこで「没個性的なその他大勢用ヘッド」を調達し、同一の原型を複製することを前提としたオリジナルヘッドを作ってみようと考えます。
なお、これらの工作方法は何もその他大勢に限定されるものではありません。ワンオフのオリジナルヘッド工作の参考にもされてみてはいかがでしょうか？

素材にするのはイプシロンミゼット４色セット付属の頭部（画像①）。これは材質に『アサフレックス』を使用しており、比較的軟らかく、ごく普通の模型用接着剤や塗料等がそのまま利用できる…つまりプラスチックと同様に扱えるという利点があります。
その特性を利用してこれを芯に工作を進めてゆきます。
まずは芯として扱いやすいように髪の毛のモールドを全て削り取ります。アサフレックスの特性としてやや粘りがあるため通常のプラスチックほどサクサクとは削れませんが、それでもニッパーで大まかな突起を切り払い、残りをカッターで削ってゆけば30分もかからずスキンヘッドの状態にすることができます（画像②）。
例えば、これにパテを盛って思い通りの髪型を作ることもできます。髪形が変わるだけでも顔の印象はかなり変わりますので、複数のワンオフヘッド製作を考えている方は、この段階で複製品を作り今後のカスタマイズに備えるのも良いでしょう。


さて、今回の工作ですがなるべく没個性的造形を目指すため、頭髪の工作は避けて共通の装備を頭部に施したデザインにしてみたいと思います。
参考までに、下の画像は以前ベータミゼットのトライ品に付けたパイロットヘルメット頭部。これも本来はその他大勢用に作ったもの。
ヘルメットならば同一デザインがいくら並んでいても違和感を抱く方はいないのではないかと思います。方向性としてはこんな感じで、設定として施設内で働くスタッフ的なデザインを次回以降は考えてゆきたいと考えます。