節分の時期になると現れる櫛田神社(福岡市博多区)の日本一のお多福面を見に行ってきました。
幸せをおすそ分けしましょう。
正門にあるお面。
西門(川端商店街側)のお面
北門(冷泉公園側)のお面
節分の時期になると現れる櫛田神社(福岡市博多区)の日本一のお多福面を見に行ってきました。
幸せをおすそ分けしましょう。
正門にあるお面。
西門(川端商店街側)のお面
北門(冷泉公園側)のお面
や | |||
ヤァー! | 運動会で、「立つ」「座る」の動作時に出す掛け声 | 「全員起立!」と号令をかけると「ヤァー!」と叫んで起立する。 | 別項:「1、2、3、4、5!」を参照 |
やいと | お灸 | お灸と同じく、「すえる」という動詞をつける。「やいとをすえる」。 | |
やおいかん | 容易にはできない 安心できなし たいへん | 給料が安いけん、やりくりが、やおいかんばい。 | |
やおつり | 引っ越し | 「家移り」? | |
やおない | 容易ではない | ||
やか? | ~のだろうか? | 家におらんとやか=家にいないのだろうか。 | |
やき(やけ・やけん) | ~だから | きょうは仕事やき遊ばれん=きょうは仕事だから遊べない。 | |
やくてん(薬店) | 薬局 | ||
やだれ | 農家の広い軒下 | 農作物の仕分けや乾燥などの作業場所。 | |
やっとかっと(やっとかと) | やっとの思いで ぎりぎりで | やっとかっと高校に合格した。 | 「かっと」は「~のことで」? |
やっぱぁ(やっぱし) | やっぱり | ||
やりっぱなし | ①やりたい放題 ②散らかしたままの状態 |
||
やろ(やろもん) | だろ でしょ | 同級生のA子やろ? | |
やわい | ①柔らかい ②やさしい(人・味など) |
||
ゆたっと(ゆたぁっと) | ①ゆったりと のんびりと ②広々とした |
||
ヨイドン | 「よーいドン」を縮めた合図のこと | 「ヨイドンが鳴ってから走らなよぉ」 | |
よう | よく | ようそげなことをしきるね=よくそんなことができるね | |
よがむ | ①ゆがむ ②斜めになっている |
||
よこい | 憩い→休み | 「煙草よこい」参照 | |
ヨコ言う | みんなとは、反対のことばかり言う。 | おまえだけ、いっつもヨコ言うねぇ。 | ヨコ=横 |
よこう | 憩う→休む | ||
横たくり(よこたくり) | 横向きに | 足がもつれて、横たくりにひっくりこけた。 | |
ら | |||
ラムネ | ①清涼飲料水の名前 ②ビー玉 |
||
らんきょ | らっきょう | ||
離合(りごう) | 対向車とすれ違うこと | 土砂崩れのため離合できない | |
わ | |||
わぁ | おまえ | 目下の人、関係悪化に陥った人に対して使う。 | |
わくど | ヒキガエル 悪人? | ヒキガエル様の顔をした人に対して使われる。 | |
わらかす | ①割ってしまう ②笑わせる |
②の場合は「わらわかす」ともいう。 | |
わるそ | 悪いこと・人 いたずら | 相手を怒らせるようなことばではない。 | |
わるそぼうす(わるそぼんず) | 不良少年 いたずら小僧 | ||
ん | |||
ん | ①~の ②~ない |
①野球見よったん=野球を見ていたの。 ②お菓子は食べんやった=お菓子は食べなかった。 |
①の用例:語尾を上げて発音すると疑問形になる。 |
ま行
ま | |||
まぁ(ま) | もう(例:まぁひとつ=もうひとつ) | ||
まぁてぇ(まてぇ) | 惚けている とぼけている ぼんやりしている | ||
まう | 回る | 目がまう | |
またごす | またぐ | ||
まどう | 弁償する | ||
ままこ | 半人前でカウントしない人 | ||
まめる | ①呂律が回る ②おしゃべりがじょうす |
あんた、よう、そげん口がまめるねぇ。 | |
まるんまんま(まるのまんま) | まるごと まるまる | ||
まん | 縁起 | きょうは、まんが悪い日やったねぇ。 | |
まんまんさま(まんまんさん) | ①仏様 ②仏壇 |
||
みずや | 食器棚 | ||
耳くそ | 耳垢 | ||
みみご | 耳垢 | ||
むげない(むげねえ) | ①かわいそう むごい ②運が悪い |
||
めいしゃ(目医者) | 眼科 | うしろに「さん」をつけることが多い。「目医者さん」。 | |
めいぼ(めぇぼ) | 目イボ→ものもらい | ||
めんどしい | 恥ずかしい 外聞が悪い 体裁が悪い | 「めんどくさい」という意味では使わない。 | |
もがんこ | つらら | ||
もぎる | ちぎる もぎとる | おーい、お兄ちゃん。夕方までに柿をもぎっちょってくれぇ。 | |
もげる | (本体から部品が)取れる 外れる | ネジがゆるんで、持ち手がもげた。 | |
ものすご(ものすげ) | 「ものすごく・ものすごい」の略 | ||
ももど | 太もも |
は行
は | |||
ばい | ~だよ | そら、おれんとばい=それは、おれのものだよ。 | |
ハイカラ | 男の子の髪型 | 坊主頭の対語 | |
はいしゃ(歯医者) | 歯科 | 歯医者さんに行ってくる。 | うしろに「さん」をつけることが多い。「歯医者さん」 眼科は「目医者(めいしゃ)」ともいう。 「〇〇医者」と表現するのは歯科と眼科のみ ちなみに、歌手の井上陽水は田川郡糸田町の出身で、1973年に発表されたライブ・アルバム「もどり道」の中で、自分の父親が「歯医者さん」だったと語っている。 |
ばかいあう | 奪い合う | ||
はがいい | はがゆい くやしい | あぁ。はがいい! | |
はぐる | (シートなどを)はぐ (幕を)開ける ページを繰る | ||
はさかる | (狭いところに)挟まる | リンゴを食べると、歯に皮がはさかる。 | |
ばされ(ばさら) | とても たくさん | 「ばされ」のほうをよくつかう。 | |
はじかいい | ワラやホコリで皮膚がチクチクする。 | 稲刈りをしたあとは、背中がはじかいい。 | |
はじじ | 歯肉 歯茎 | ||
走りぐっちょ | かけっこ | 「ぐっちょ」というのは競争のこと。 | |
ばたぐるう | ①苦しくて暴れ狂う ②バタバタと忙しくしている。 |
②の例:借金返すのに、ばたぐるいよう。 | |
ばちかぶる | 罰を被る→弁償する | 子どもがよその家のガラス割ったけん、ばちかぶらないかん。 | |
バック | 共同水栓? | ||
パッチン | メンコ | 昭和30年代は、パッチンとラムネとコマが子どもたちの3大遊びであった。 | |
ハナ | 当初 最初 | はなからダメち、いいようるやろがね。 | |
ババさん | おばあさん | 「ジジさん」とはいわない。 | |
はよ | 早く | はよせんか!=早くやりなさい! | |
はらかく | 腹を立てる 怒る | もう、はらかいた! | |
腹が太る | おなかいっぱいになる | どんぶり3杯も食べて腹が太った。 | |
ハランキョ | ハタンキョウ(スモモの一種) | ||
ばりかぶる | 大小便を失敗する | しょんべんをばりかぶる。 | 同義語:しかぶる 「しかぶる」は「失敗する」の意味でつかうが、「ばりかぶる」には「失敗する」という意味はない。 |
ばる | 大小便をする | しょんべんばる=おしっこをする。 | 男ことばで、女性はあまり使わない。 「まる」ということもある。 |
はわく | (ほうきで)掃く | ||
はんご(はんごう) | ①都合 ②利便 |
①仕事で、はんごが悪いけん、あした飲もう。 ②よく気がつく人が辞めてから、はんごが悪いばい。 |
|
ハンド | 台所にある水ガメ 貯水槽 | ||
ひえる | (肝が)冷える びっくりする | むこうの方でネズミ捕りしよったけん、ひえたばい | |
ビキ(ビキタン) | 蛙 | ||
ぴしゃり(ぴしゃ) | ちょうど 合致する | ||
ひちくどい(ひちくじい ひちくでぇ) | 非常にくどい しつこすぎる | おまえの話は、ほんとにひちくじいねぇ。 | 「ひち」は強調。 「しちくどい」参照。 |
ひっくりこける | ひっくり返って倒れる | ||
必死豆炭(ひっしまめたん) | いっしょうけんめい | 豆炭は、石炭などの粉を押し固めた固形燃料。なぜ「豆炭」なのかは諸説あり。 | |
必死もっし | 「必死」の強調形 | きょうも必死もっしで働いた。 | 「もっし」は意味不明。 |
びったれ | だらしない 怠け者 | ||
ひっちゃんがっちゃん | めちゃくちゃ | ||
ひどい | ①苦労する ②疲れる |
①あんた、ほんと、ひどかったね。 ②ああ、ひでかったぁ。 |
|
ひなか | 朝から夕方まで | ||
ひねきる | つねる | ||
びびんこ | 肩車 | ||
ひょうくらかす | (軽く)からかう おだてる | あんまりおいちゃんを、ひょうくらかしなさんな。 | |
ひょうくれる | おどける ひょうきんなことをする | ||
ひょこっと | ひょっこり 突然に | ||
ひらう | 拾う | ||
ひらくち(へらくち) | マムシ | 頭の形が平べったくて、ヘラのような形をしているから? | |
ひんがら(ひんがら目) | 斜視 | 「ひがら目」から。 | |
ふ | ①運 ②境遇 ③時機 |
||
ふいきん | 布巾(ふきん) | ||
ふうたらぬる(り)い | ①どっちつかずのぬるさ(温度) ②はっきりしないぼんやりとした人・ようす |
||
ふがいい | 運がいい | あんた、ほんとにふがいいね。 | 反対語:ふが悪い |
フツ | ヨモギ | フツ餅=よもぎ餅 | |
ふてる | 捨てる | ||
ふる | (おならを)する | 屁をふる。 | 「ひる」が変形? |
屁ぇふり虫 | 臭い虫 カメムシ | ||
ヘラ | 後先を考えずに相手に話を合わせること | ヘラをうつ。 | 動詞は「うつ」のみ。 |
へんぱく | 口答え 生意気 | しゃあしい。へんぱく言うな=やかましい。口答えをするな。 | |
ほいて | そして | ||
ほいと | 物乞い 乞食 | 乞食(こつじき=行乞・托鉢僧)などには使わない。 | |
ほうさい | ~の方向・方角へ | 学生たちが、駅のほうさい歩いていく。 | 「ほう」も「さい」も「~の方へ」という意味。 「さい」を参照。 |
ぼうぶら | かぼちゃ | ||
ほうべんた | 頬 | ||
ほがす | (穴を)あける | ||
ほぐる | 牛が角で突く | ||
ほけ | 湯気 | ||
ほけのごと(ほけんごと) | ①(湯気のように)ぼんやりしている ②(注意されても)ケロっとしている |
||
ほげる | (穴が)あく | ||
ボタ | 採掘した石炭を選り分け出た残滓 | ボタを山のように積み上げたのがボタ山。 | |
ほたる | ①放る 捨てる ②捨てておく 相手にしない |
②の例:そげん泣く男は、ほたっちょけ。 | |
ほとびらかす | ご飯粒などをふやけさせる | ||
ホヤ | 電球 | ||
ほやけ | 火傷(やけど) | 火焼け? |
な行
な | |||
なぁも | なんにも なにごとも | ||
なおす | ①片づける 元の場所・位置に戻す ②「修理」「治療」でも使う |
洗った皿は、どこになおすと? | |
なおる | 元の席にもどる 席につく | 乾杯しますけん、おなおりください=乾杯しますから、元の席に戻ってください。 | |
流し | 流し台 キッチン | ||
なし?(なしか?) | なぜ どうして(理由) | なし、そげなことをしよんか?=どうして、そんなことをやっているのだ? | |
なしかちゃ(なしかいちゃ) | なぜなんだ | ||
なしち | 理由などない、なんででも | 孫「なんで、そげなことせないけんと?」 祖父「なしち!」 |
近似語:「ダメなものはダメ」「ならぬものはならぬ」 |
なば | キノコ | ||
なんかかる | よりかかる もたれかかる | 俺になんかかるな! | |
なんかける(なんかくる) | 投げかける | トラックに縄をなんかける | |
なんかちゃ | なんなのだ | そのカッコは、なんかちゃ | |
なんかなし | なんとなく どうあっても | なんかなし悲しい気分 | |
なんしよん | なにしてるの? | おばちゃん、なんしよん? | |
なんち | なんと | なんち言いよんかわからん=なんて言っているのかわからない。 | |
なんぼ | ①いくら ②どれだけ どんなに |
①そのトマトは、なんぼね? ②なんぼ自分の子どもでも、そげなことは許さん。 |
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にくじ | わざといじわるをすること | ||
ぬくい | 暖かい 暑い | きょうは汗が出るほどぬくい日だった。 | |
ぬくめる | 暖かくする 熱くする | 子ども部屋をストーブでぬくめる。 | |
ぬすくる(ぬすくりつける) | ぬりつける なすりつける | 鼻クソを机にぬすくる。 | |
ねえ | ~ない | ご飯が、おいしねえ=ご飯が、おいしくない。 | |
ねえさん | 他家の主婦・奥さん | ①隣のねえさんは根性が悪い=隣の奥さんはしっかり者である。 ②呼びかけにも使う。 「安倍のねえさん!」=「安倍さんちの奥さん!」 |
|
ねば | 粘り気のある糸状のもの | 蜘蛛のねば 納豆のねば | |
ねぶりかぶる | 眠りこける | ||
ねぶりクジ | カミの表面を舐めると、「当たり・はずれ」が浮き出るクジ | ||
ねぶる | 舐める | 少々汚い言い方。 | |
ねまる | ①食べものが腐る ②物事が停滞する |
①きのう炊いたご飯がねまった。 ②年度計画が、途中でねまっとる。 |
|
のうならかす | 失くす | 持っていた傘をのうならかす。 | |
のうなる | なくなる | ||
のかす | ①(じゃまな物などを)移動させる ②(不要な物などを)取り除く |
①じゃまやけん、その大きな箱をのかしてくれ。 ②刺さった針をのかしてくれ! |
|
のく | 移動する | その場所からのいてくれ=その場所から移動してくれ。 | |
のぶ(伸ぶ) | (背が)伸びる | 〇ちゃん、よう背がのんだねぇ。 | |
のん | (わたし)の(もの) | それはわたしのんよ=それはわたしのよ。 | 「ん}は「もの」か? |
た行
た | |||
だい | ~だよ | その車は俺のんだい=その車は俺のだよ。 | 近似語:ばい |
たいらく(ていらく てえらく) | 横柄 横着 わがまま 怠惰 | 「太平楽」のこと? | |
田川饅頭 | 白あんが入った丸い饅頭・・・まだあるんだろうか? | ||
たご | 桶(おけ) | 肥えたご | |
たこんばち | 炎天下に被る傘状の笠の一種 | ||
煙草(たばこ)よこい | 仕事中の休憩時間 | 「よこい」は体を休めて憩うこと。単に「たばこ」ともいう。 | |
食べつけた | 食べなれた | ||
たまがる | びっくりする | 急に犬にほえられて、たまがったばい。 | 魂消る(たまげる) |
だりぃ | きつい だるい 疲れる | 暑(あ)っちいき、だりぃ=暑いから、きつい。 | |
たれかぶる | ①(大小便の)お漏らしをする ②(食べすぎて)下痢をする |
②の例:スイカばっかり食いようと、たれかぶるばい。 | |
ち | ~て ~らしいよ ~みたいだよ | 兄ちゃんが勉強しようち=兄ちゃんが勉強しているって。 | |
ちきり | ①分銅と棹を使った秤(はかり) ②重量計全般をいうこともある。 |
||
ちゃ | ~のだよ | さっきまで野球しよったちゃ=さっきまで野球をやってたんだよ。 | |
ちゃあらん(つぁあらん) | ①ダメだ ②価値がなく、つまらない |
悪いことしたら、ちゃあらんばい | |
ちゃがんちゃがん(ちゃがちゃが) | めちゃくちゃ でたらめ 不出来 | 子どもたちが暴れて、部屋の中がちゃがんちゃがんになった。 | |
ちゃろ(ちゃろもん) | ~でしょ ~でしょうも | 野球しよったっちゃろ?=野球をやっていたんでしょ? | 「もん(も)」は疑問形の念押し表現。 |
ちゃんばち | 大きなちゃわん どんぶり | 茶碗・鉢? | |
ちょう(ちょる) | ~ている | 洗濯してやっちょう=洗濯をしてやっている。 | |
ちょー | 「ぐーちょきぱー」の「ちょき」のこと | ||
ちょびっと(ちょぼっと) | ちょっと | ||
ちょろ(ちょろうもん) | ~ていたでしょう | 野球をしよっちょろうもん=野球をしていたでしょうも。 | 念押し・押しつけがましく聞こえる表現。 過去形は「~たろうもん」「やろうもん」。 |
ちょんき | ~ていたんですよ | 野球をしよっちょんき=野球をしていたんですよ。 | 話題のひとつとして提供する表現。 |
ちょんぎる | 切る | ||
ちんからこまい(ちんからこぉめぇ) | ちいさいの強調語 | 「ちんから」も「こまい」も小さいという意味 人の背丈に関していう場合が多い。 | |
ちんちくりん | 服などがちいさくて短いこと | ||
つっかけ | 指を挟まないタイプのサンダルで、スリッパを指していうこともある。 | ||
つのうて(つんのうて) | 連れて | ||
つぼ | 家の庭 | つぼに花を植える。 | 「坪」が元字? 大きな庭の場合は使わない。 |
つむ | (髪や爪などを)切り揃える。 | 孫の爪をつんでやる。 | 「摘む」と同源。 |
つや(艶)をつける | かっこうをつける | からかい気味の表現。 | |
てえこと(もん) | 手こずる(人) 強情な(人) 困った(人) | あの男は、てえこともん(者)だい。 | |
てし | 自分が持っている一番強い手札 | パッチン用語 | |
てれっとした(てれぇんとした) | ぼんやりとした | こらぁ、てれっとすんな! | |
てんかんふ | 天花粉(てんかふん) ベビーパウダー | ||
てんとばえ | 草木などが自生すること | 「天道生え」? | |
てんぷら | 魚のすり身を揚げたもの さつまあげ | 丸天=丸型のさつまあげ | ふつうの天ぷらも「天ぷら」という。 |
と | ~していたのよ | 野球を見よったと=野球をみていたのよ。 | 語尾を上げると疑問形になる。「~とね」ともなる。 「そ」を参照。 |
といも | 唐芋→さつまいも | からいも? | |
とう | (手などが)とどく | 上の棚に手がとう。 | |
とう(とぉ) | かさぶた | ||
とうきび | 唐黍→トウモロコシ | ||
とうしゃく | 稲わらを乾燥させるため、家型に組み上げたもの | 「藁小積み(わらこづみ)」より大きいサイズのもの | |
とうまめ | そらまめ ピーナッツ? | 唐豆? | |
遠いい | 遠い | 「〇い」という形容詞のうち、「多い」「濃い」「酸い」「遠い」は「〇いい」ということがある。 | |
どげ(どげん) | どのように どうしたら | この機械の操作は、どげしたらいいと? | |
どげ(どべ どんげ どんべ) | 最下位 | ||
どし | 同級生 友だち | 「同士」の略? | |
とぜない | さびしい | ||
とっぺん | ①てっぺん 山の頂 ②先端 |
||
どつぼ | 肥溜め 野壺 | ||
どべ(どげ どんげ どんべ) | 最下位 | ||
どまぐれる | ①真面目な人が道から外れる。 ②機械などが不調になる・故障する。 |
隣の兄ちゃんがどまるぐれとるばい。 | |
どんげ(どげ どべ どんべ) | 最下位 | ||
とんで | 急いで 走って | よっぽどうれしかったんやろね。とんで帰ったよ。 | |
とんぴん | 調子に乗って騒ぐ(こと・人) | とんぴん張る。 | 近似語:きゅうさら。 「きゅうさら」は「出す」、「とんぴん」は「張る」「回す」という。 |
どんべ(どげ どべ どんげ) | 最下位 |
さ行
さ | |||
さい | ~方向・方角へ | 学生たちが、駅さい歩いていく。 | 同義語:ほうさい |
さなぼり | 田植えが終わった時の慰労・お祝い | ||
さぶさぶ | (寒さなどによる)鳥肌 | 寒くて、さぶさぶがでた。 | |
さん のぉ がぁ ハイ! | 複数人でいっせいに動作(重い物を持ち上げる・移動させる・歌を唄い始める・楽器を演奏するなど)を行う場合の掛け声 | ①力を合わせるタイミングは4拍目の「ハイ!」 ②歌や演奏は「ハイ!」の直後の5拍目から始める。 |
同義語:「せえ のお がぁ ハイ!」「こぉ のぉ しょい!」 |
ジガジガする | チクチクしてむず痒い | ||
しかぶる | ①失禁する ②(事業などに)失敗する |
①の例:しょんべんをしかぶる。 | 近似語:「たれかぶる」「ばりかぶる」 |
じき(に) | すぐ(に) | じき来る=すぐ来る | 「もうじき」の「じき」 |
しきる | ~できる | 車の運転、しきるばい=車の運転、できますよ。 | |
しこる | 繁茂する | 空き家に蔓(つる)がしこっとる。 | 「繁る」の変形? |
したもない(したむない) | したくない やりたくない | 数学の勉強やら、したもないなぁ。 | |
しちくどい(しちくじい しちくでぇ) | 非常にくどい しつこすぎる | おまえの話は、ほんとにしちくじいねぇ。 | 「しちち」は強調。 「ひちくどい」参照。 |
しちゃってん | ~してくれよ | 依頼(弱い) | |
してみてくれんね | ~してくれないだろうか | 依頼(確認) | |
しなさんな | ~してはだめだよ | 命令(確認) | |
しなんな | ~するな | 命令(やや強い) | |
市病院(しびょういん) | 市立病院 | ||
時前〇分 | 正時より〇分前のこと | 10時前5分 | 他地域では「10時5分前」という |
しまえる | ①終わる ②失敗する 運が尽きる |
||
しめぇも | ~しないでしょ ~するわけがないでしょ | そげな馬鹿なこと、しめぇも。 | |
しもうた(しもた) | しまった 失敗した | ||
しもぉたぁ!(しもたぁ!) | しまった! | ||
しゃあしぃ | ①うるさい やかましい 騒々しい ②「面倒」を意味することもある。 |
||
じゃいけん | じゃんけん | 掛け声は「じゃいけんしっ あいこでしっ 合わんでしっ しっしでしっ」 | 「あいこ」は出した手が同じ場合、「合わんで」は三すくみの場合。 |
しゃっち(しゃっちが) | ① どうしても ②必ず 絶対 |
しゃっち、そげなことせないかんとか?=どうしても、そんなことをしなければいけないのか? | |
じゃろ | だろ でしょ | 確認で「そうだろう」の意味で使うことがある。 | |
じょう | ①~でいる ②~ばかり |
①:住んじょう人=住んでいる人 ②嘘んじょう=嘘ばかり |
①の場合は、「じょる・どる」という場合がある。 |
しょうけ | 穀物を入れる竹製の大きなザル | 米で20㎏程度入る | |
じょうしき | ①他人のいうことをきかない ②道理をわきまえていない(非常識) |
おまえは、いっつも、じょうしきばっかりいう。 | 「常識」の正反対 |
じょうり | 草履(ぞうり) | ゴムじょうり=ゴムぞうり | 「万年じょうり」というゴム草履をよく履いていた。 |
しよぉと(しよると) | ~している | タラタラしよぉと、集合時間に遅れるばい。 | |
ジラジラいう | (酔っぱらって)くどくどと嫌われ口をたたく | ||
しれぇーと | ①こっそり 知らないうちに ②知らんぷり 反省のそぶりをみせない |
①隣のおいさんは、しれーっと帰ったばい。 ②怒られても、しれぇーとしている。 |
|
陣地取り | 子どもの遊びの一種 | 五寸釘を地面を差しながら占有スペースを拡大していく遊び。 | |
すいい(酸いい) | 酸っぱい | このキュウリの酢の物は、ものすごすいいねぇ。 | 「〇い」という形容詞のうち、「多い」「濃い」「酸い」「遠い」は「〇いい」ということがある。 |
好いたらしい | 好きそうな 私好みの | 好いたらしい洋服 | |
すいちょー(すいちょる) | 好いている | ||
すいばり | 肌に深く刺さった木や竹の針状の破片 | 廊下を雑巾がけしていたら、すいばりが刺さった | バラなどの植物のトゲが刺さった場合は「すいばり」とはいわない。 |
スカ | ①抽選の際のハズレ ②期待にそぐわなかったもの・人 |
②の例:あの男は、スカやったばい。 | |
すかたん | 期待にそぐわなかったもの・人 | ||
すかん | 好きではない | 好かない→すかん | |
すかんたらしい | 好きではない 気に食わない | ||
スメ | うどんやそばの出汁 | ラーメンはスープという。 | |
ずる | (座ったまま)すこしだけ移動する。 | もうちょっとむこうに、ずってくれんやろか。 | |
ずるそ | ①手抜きやズルをすること・人 ②「怠け者」に使うこともある。 |
||
スンスン | 平らかなこと スムーズ | この道は、舗装したばっかりでスンスンやね。 | |
ずんだれる | (姿や態度が)だらしない | ずんだれた服装 | |
せいがない | 甲斐がない | 頑張ったせいがない | |
せえ のぉ がぁ ハイ! | 複数人でいっせいに動作(重い物を持ち上げる・移動させる・歌を唄い始める・楽器を演奏するなど)を行う場合の掛け声 | ①力を合わせるタイミングは4拍目の「ハイ!」 ②歌や演奏は「ハイ!」の直後の5拍目から始める。 |
同義語:「さん のぉ がぁ ハイ!」「こぉ のぉ しょい!」。 「せえ のぉ」または「せえ のぉ がぁ」だけでも使うが「さん のぉ がぁ ハイ!」「こぉ のぉ しょい!」は略さない。 |
せがう | ちょっかいを出す からかう | じいちゃん、そげ、孫をせがいなさんな! | |
せく | ①(腹が)刺し込むように痛む ②(扉などを)閉める 閉じる |
||
銭(ぜん)になる | 儲け話がある お金になるようなことがある | きょうはお客さんが来んから、銭にならねぇ。 | |
せん | ~しない | 絶対、飲酒運転はせん! | |
せんちん | 便所 | 元言葉:雪隠(せっちん) | |
せんめいもん | ~しないでしょ ~するわけがないでしょ | 勤め人やったら、酒飲んで、運転やらせんめいもん。 | 相手への行為確認のため。 |
そ | 「と」と同じように使うことがある。 | なし、そげなこと、せんといけんそ?=どうして、そんなことを、しないといけないの? | 疑問形にしか使用しない? |
そいき | それだから だから すなわち | 同義語:そぉき そげんやき | |
そぉき | それだから だから すなわち | 同義語:そいき そげんやき | |
そげ(そげん) | ①そのように ②そんなに |
①話は了解した。そげしてくれ。 ②そげ、いっぱい魚釣ったん? |
|
そげんやき | それだから だから すなわち | 同義語:そいき そぉき | |
ぞろびく | (ものを)後ろに引きずる | 自転車の荷台のロープが外れてぞろびいている。 | |
そんぎり | ナイフなどの削る刃物 | 鉛筆そんぎり=鉛筆削り | |
そんぎる | 刃物で削る行為 | 鉛筆をそんぎる |
(か行)
か | |||
かい? | ~ですか? | なんしよったんかい?=なにをしていたんですか? | |
かいい | 痒い | ||
かいかい | 皮膚のかぶれ | 植物でかぶれた時などのかぶれ | |
かいも | 里芋 | といも=唐芋=さつまいも | |
かえる | 倒れる ひっくり返る | 返る? | |
かがし | かかし | ||
かく | かつぐ | お神輿をかく。 | |
かくれごんじょ | かくれんぼ | 「ごんじょ」は「ごっこ」の変形? | |
かしわ | 鶏肉 | ||
かす | (水に)ひたす | 米を研いで、水にかしちょって(依頼)。 | |
がた(かた) | ~の家・うち | 俺がた=俺の家 | 「俺がたの家」と2重に使うこともある。 女性がいうと「うちがたのいえ」ということもある。 |
かたげる | かつぐ | ||
かたる | (組織や仲間などに)加わる | 他動詞は「かてる」。 | |
かつかつ(かっつかつ) | (数量・時間など)最小限 ギリギリ | ||
かって | 借りて | 隣に行って、ノコギリかってきてくれ。 | 「買って」と同じ発音なので、話される状況によって判断する。 |
かつれちょう | お腹が空いてガツガツした状態にある | ||
かてる(かててやる) | (組織や仲間などに)加える 加えてやる | 自動詞は「かたる」。 | |
がと(がん がつ) | ①~分 ②~した分だけ |
1000円がとガソリンいれてくれ。 勉強したがとテストの成績が上がる。 |
|
かべちょろ | ヤモリ | ||
がめる | 盗む | ||
かやす | ひっくり返す 倒す | ||
かやる | ひっくり返る 倒れる | ||
からい | 「しょっぱい」という意味にも使う。 | 香辛料が強い時は「コショがらい」ということもある。 | |
からう(かるう) | ①(カバンなどを)背負う ②(責任・負債などを)負う |
カバンをからう。 責任をからう。 |
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からげる | とりいそぐ 急ぐ | ||
ガンガン | 1斗缶のような大きな缶 | ||
かんころ | 切干大根 | かんころ餅=サツマイモのお菓子 | |
がんぜき | 落ち葉などをかき集める竹製の熊手 | ||
き | ①~から ②~しなさいよ(軽い命令) |
①住んじょったき=住んでいたから。 ②ここにおっちょき=ここにいなさいよ。 |
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ギィコン バタコン(ギッコン バッタン) | シーソー | ||
きさん | きさま おまえ | きさんっ くらさるっぞ=きさま、殴るぞ | |
ぎちぎち | ぎりぎり | ||
きど | 通りから家に入る道 | ||
きな | 黄色 | ||
きない(きいない) | 黄色い | ||
きなみ | 卵の黄身 | ||
きね | ~からね | 家におったきね=家にいたからね。 | |
きびる | 結ぶ 束ねる | ||
きゃぁぐる(きゃあぐぅ・きゃぁげる) | 蹴上げる→暴力を加える | きさんっ きゃあげらるっど。 | こういわれたら、さっさと逃げるべし。 |
きゃあしー(きゃあすい) | 簡単 | 「気安い」が変化? | |
きゅうさら | 調子にのって騒ぐ | きゅうさらを出す。 | 近似語:「とんぴん」 「きゅうさら」は「出す」、「とんぴん」は「張る」「回す」という。 |
ぎょうらしい | ①仰々しい おおげさ ②騒々しい うるさい ③派手すぎる |
「うるさい」を意味する場合は、主に「しゃあしい」を使う。 | |
きょそきょそ | (落ち着きがなく)キョロキョロする | ||
ぎりぎり | 頭髪のつむじ | ||
食いつく | (蚊が)刺す | 蚊に食いつかれてかいい=蚊に刺されてかゆい。 | ほぼ「蚊」専用語 |
くえる | ①壊れる ②崩れる |
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くさ | ~ね | そいきくさ=ですからね。 | |
くゆる | ①壊れる 倒れる ②薪をくべる |
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ぐらぐらする | 頭にくる 腹が立つ | ぐらぐらした ぐらぐらこいた | |
くらしあげる | 「くらす(殴る)」の強調形 | くらしあぐっぞ きさぁん! =殴るぞ きさま! | 激怒した場合に使うので、早めに退散したほうがいい。 |
くらす | 殴る | くらっそ きさん! | 「くらぁーす」と軽く言うのは、この地方では普通。 |
くる | ①(ヨダレを)たらす ②(トランプなどを)切り混ぜる |
||
くれる | ①(物を)差し上げる ②(物を)もらえる |
おいさんが、この車くれちゃろう=おじさんが、この車を(君に)あげよう。 | 状況により使い分ける。 |
くろぎり | くろ(田んぼの畔(あぜ))の草刈りが転じて、草刈り全般をいう。 | ||
黒ダイヤ | 石炭を模した黒い羊羹 | 石灰石を模した「白ダイヤ」という白い羊羹のもある。大月堂謹製。 | |
ぐんじょ(色) | 群青色 | ||
くんない | ①(物を)もらえなか ②ちょうだい |
この本、くんない=この本をちょうだい。 | |
けたぐる(けたげる) | 蹴とばす | ||
げってん | 癇癪 駄々 | 「げってん」に掛かる動詞は「出す」「回す」。 | |
けっぱる | 盗む | おれのお金、けっぱったね。 | 元言葉:かっぱらう? |
げな | ~らしい ~ようだ | 早朝から野球しよったげな。 | |
げなばい | ~のようですよ | 早朝から野球しよったげなばい。 | |
けん | ~から | あの子は、帰ったけん、おらん=あの子は、帰ったから、いない。 | |
けんど | けれど | そぉけんど=そうかもしれないけれど。 | |
こいい(こゆい) | 濃い | 「〇い」という形容詞のうち、「多い」「濃い」「酸い」「遠い」は「〇いい」ということがある。 | |
こうて | 買って(いる くる やる など) | コンビニで弁当こうてくる。 | 単に「買う」を「こう」とはいわない。 |
こぉ のぉ しょい! | 複数人でいっせいに動作(重い物を持ち上げる・移動させるなど)を行なう場合の掛け声。 | 力を合わせるタイミングは3拍目の「しょい!」 | 近似語:「さん のぉ がぁ ハイ!」「せえ のぉ がぁ ハイ!」を参照。 |
こぎる | 値切る | ||
こく | いう | 嘘こく。 | 「こく」は嘘や冗談をいう場合にのみ使う。 |
コケ | 垢(あか) | ||
こげん(こげ) | ①こんなにも ②このような |
①こげんたくさんあるん? ②二度とこげんことをすんなよ=二度とこのようなことをするなよ。 |
近似語:そげん(そげ) |
こしい(こすい) | ①けち ②こすっからい |
||
こしゃくらしい | 小生意気な | 隣の中学生は化粧やらして、こしゃくらしい。 | 「小癪らしい」と書く? 「小癪な」とはニュアンスが違う。 目下の者や女・子どもをしかる・評価する場合につかう。 |
コショー(胡椒)(コショ) | 「トウガラシ」を意味することもある。 | ※唐からしは、「唐(中国)を枯らす」ということから大陸に近い九州では使わないという説? | |
こちょぐる(こしょぐる) | (脇や足の裏を)くすぐる。 | 「自尊心をこちょぐる」とはいわない。 | |
こちょばいい(こしょばいい) | こそばゆい | こちょぐられて、こちょばいい。 | 「面はゆい」の意味はない。 |
ごっちん | 火加減を間違えて生煮えになった芯のあるごはん 「ごっちんごはん」ともいう。 | ||
こってうし(牛) | ①雄牛 ②ぐずぐずしている人 |
||
コッパ | げんこつで頭をコツンと軽く殴る。 | 兄ちゃんに、コッパされたぁ! | 頭を横からこするようにげんこつで殴ることを「流れコッパ」という。 |
こづむ | 積む | ||
ごてしん | 怠け者 無精(者) | おまえは、ほんとにごてしんやね。 | |
ことよのぉ | ~やなぁ ~ことですねぇ | ありがたいことよのぉ=ありがたいことやなぁ。 | |
ことわり | 謝罪 | ケガさせたんなら、ことわりに行ってき。 | |
こなす | 相手に対しての叱責・悪口・苦情・不平・批判的なことをいう。 | おいさん、そげ、こなさんでよ=おじさん、そんなに叱らないでよ。 | |
こまい | 小さい 細かい | ||
こまめる | 両替をする | 1000円を100円10枚にこまめる。 | |
こらえる | 許す | すいませんでした。こらえてください。 | |
こわる | (筋肉が)凝り固まる | 長距離走をして足がこわる。 | |
コンコン | ①たくあん ②漬物全体をいうこともある | ||
こんじょうがわるい(根性が悪い) | ①根性がある ②しっかり者 性根がすわっている ③よく働く |
あそこの奥さんは、根性が悪いきね。 | 面と向かって本人にいうと失礼になる。 |
今回の記事は、ちょっと傾向の違うものをアップします。
・・・故郷を離れて40数年。忘れないうちに故郷のことばを書きつけておこうと思って、一覧表に整理してみました。
わたしが生まれ育った福岡県の田川地域は、九州の中では、標準語にいちばん近いイントネーションの話しことばを使います。単語や語尾を注意していれば、NHkのアナウンサーと同じイントネーションでしゃべることができます。ただし、強い調子の口調や発声方法、話しぶりなどから、ほかの地方の人が聴いたら少々乱暴に聞こえる方言のようです。
田川地域では、九州で広く使われている「ばってん(しかしの意)」や「よか(良いの意)」「好いとぉー」などのことばは使いません。語尾も少し異なります。同じ福岡県ですが、テレビなどでよく聞く「博多弁」とはかなり違った単語・イントネーション・語尾を使います。その理由は、「藩」の違いからきているのではないかと思います。福岡県はおおむね3つの文化的地域(旧藩の筑前・筑後・豊前)に分かれています。博多(福岡市)は福岡筑前藩でした。田川地域は豊前藩に属していました。同じく豊前国であった北九州や行橋・豊前地区、大分県北部の言葉に似ています。また、筑豊地区(飯塚、直方、田川)は、近代になって区分けされた経済区域ですから、江戸時代の「藩」とは関係ない区割りになっています。「筑豊」は、「筑前」「豊前」の頭文字をとった合成語で、明治以降に産炭地域(筑豊炭田)として区分けされた地区です。そういった理由から、飯塚・直方(筑前)と田川(豊前)では異なった方言となっています。ネットをみたら「筑豊弁」というのが出ていましたが、地勢的・歴史的に考えた場合、「筑豊弁」というのは成り立ちません。ただし、以前は、人と話していて、「あっ、この人は田川の人じゃないな」ということがわかりましたが、いまは、かなり混ざり合っていますから、その区別はほとんどわかりません。
祖父母や両親、兄弟、親戚のおいちゃん・おばちゃん、同級生や友人との会話を思い出したり、ネットを調べたりして、田川地方で話されている(いた)ことば(仮に「田川弁」としておきます)を約400語、集めてみました。
(注)
※「下ネタ」は載せていません。あまりにもリアルでお下劣・大胆不敵なので省略しました(笑)。
※方言とは性格を異にする「掛け声」なども載せています。
※わたしの耳に残っている田川地方の話しことばです。故郷を離れて40数年。もしかしたら、いま住んでいるところ(博多)や他の地域のことばと混同したもの、方言と思いこんでいるもの、記憶違いのものがあるかもしれません。科学的・学問的に整理したものでもありません。ご指摘があれば、コメントをお待ちしています。
※50音順に整理しています。データが多いため、分割してアップします。
あ行
話ことば | 意味 | 用例 | 参考 |
あ | |||
あいたぁ!(あいたたぁ!) | 痛い! 失敗したぁ! | 痛い! 失敗したぁ! | |
あかい | 明るい | 夕方になったけど、家の中はまだあかいよ。 | |
あげる | 嘔吐する | 二日酔いの朝にあげる。 | |
あげん(あげ) | あのような あんなふうに | ||
あごたん | ①あご ②口先だけ |
②の例:あの男が言いよんは、あごたんだけやろも。 | |
あことり(あことぉり) | あそこのあのあたり | ||
あせくる | (物を)あさる | ||
あせこ | あせも | ||
あたる | ①触る ②いじる |
||
あらけない | ①荒々しい ②雑駁である |
||
あるしこ | あるだけ全部 ありったけ | 近似語:いいしこ いるしこ | |
アンパンロック | 子どもの運動系の遊び | 馬になった相手のお尻を叩きながら「アンパンロック」と言って馬飛びをする遊び。 | |
いいかぶる | 言い損なう | ||
いいしこ | いいと思っただけ全部 | 近似語:あるしこ いるしこ | |
イガイガ | トゲ | ||
いがく | 湯がく | ||
いげ(イガ) | トゲ | ||
いける | 植える | 花の苗をいける。 | |
いけん(いかん) | ダメだ | ||
いさぎ(いさぎゅう) | ①ずいぶん ②とても |
あんた、いさぎ遅かったね。 | |
いち にぃ さん しぃ ごぉ!(1、2、3、4、5!) | 運動会で使う「行動停止」の掛け声。「全体止まれ!」の号令のあとに言う)。 | 別項「ヤァー!」を参照。 | |
イッケン | ケンケン 片足で跳ぶこと | ||
いっちゃん | いちばん | いっちゃん初め=いちばん初め | |
いっちょん | すこしも まったく | 俺は、いっちょん知らんやったばい。 | |
いっつもかっつも(いつもかつも) | いつも | 「かつも」の意味は不明。 | |
いぬる | 去る 帰る | おい、そろそろいぬるばい。 | |
いみる | 増える | 川の水がいみる。 | |
イヤごと | 悪口 イヤミ 皮肉 苦情など | 酔っぱらってイヤごとをいう。 | |
いよいよ | ますます | ||
いらんごと(こと) | 不要な・余計な行為や発言 | いらんごとすんな! いらんこというな! | |
いるしこ | 必要なだけ全部 | 近似語:あるしこ いいしこ | |
いれくる | 入り繰る | Aの欄とBの欄がいれくっとる=Aの欄とBの欄が間違って入力されている。 | 「ごまかす」という意味もある? |
いわせん | 反論できないくらいかっこいい | その帽子いわせんねぇ。 | 少々皮肉を込めることもある。 |
いんにゃ | いいえ | 同義語:うんにゃ | |
うたれる | たたかれる | わるそしたけん、父ちゃんにうたれた! | |
うち | ①わたし(女性が一人称で使う) ②わが家 わが社 当方 |
||
うっさい | (食べ物が)おいしくない | このラーメン、うっさいねぇ。 | 「うるさい」「うっとうしい」の意味には使わない。 |
うったてる | ①乱雑に積み上げる ②ほったらかす |
||
うてあう | 相手にする | 約束を守らん人は、うてあいなさんな。 | |
うべる(うめる) | ①(熱い風呂などに)冷水を差して温度を下げる ②(焼酎などに水を加えて)アルコール濃度を下げる |
||
うんにゃ | いいえ | 同義語:いんにゃ | |
えぶ(えぶじょうけ) | 落ち葉などを掃き寄せる竹編みの大きなちり取り | ||
おいい(おおいい) | 多い | 「〇い」という形容詞のうち、「多い」「濃い」「酸い」「遠い」は「〇いい」ということがある。 | |
おいさん(おいちゃん) | ①中高年男性全般 ②(親戚の)おじさん |
親愛度:おいさん<おいちゃん | |
おいたくる | 追いまわす | ||
往還(おうかん) | 大通り 当該地区の幹線道路 | 往還端(おうかんばし=大通り沿い | |
往生する | 困る 苦労する | あの男には往生したけんね。 | |
おえん(お縁) | 縁側 | ||
おーきに | ありがとう | 意味は同じであるが、平板なイントネーションで、関西弁とは異なる。 | |
おき | 熾(おき)火 消し炭 | 炎がたっていない状態、または火が消えている炭化した木片。 | |
おごめん | ごめんください | 子どもが使うことば。 | |
おごる | ①叱る ②他人に変わり代金を出す |
①また親父におごられた! | |
おせ | 大人 一人前 | ||
おせらしい | 大人びた 落ち着いた | 〇〇ちゃん、高校に入ってから、おせらしなったねぇ。 | |
おちょくる | からかう 小馬鹿にする | 「お」を省いて「ちょくる」ということもある。 | |
おつけ | 味噌汁 | 「おみおつけ」の略。 | |
おとつい | おととい 一昨日 | ||
おとろしい | おそろしい | ||
おなし(おんなし) | 同じ | ||
おばいけ | クジラの尾びれの食用部分 | ||
おらぶ | 叫ぶ 大きな声を出す | ||
おらん | いない | この家にはだれもおらんばい。 | 「いる」時は「おる」を使う。 |
平穏に新年を迎えました。ありがたいことです。
近所の神社に初詣に行ってきました。
↓ 平野國臣をお祀りしている平野神社(福岡市中央区)です。今年ももうしばらく國臣の事績について、調べる予定ににしています。