正定寺の閑栖  (しょうじょうじのかんせい)

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玄関と勝手口

2013年06月21日 | 日記
お寺には出入り口がいくつかあります。
正定寺にも50年前には、玄関と内玄関それに勝手口が
ありました。

玄関だけは昔のままですが、内玄関は客間になり
勝手口は場所が変わりました。

明治の頃の図面はこちら



玄関は「妙の道に入る門」が
もとで禅寺などでは仏道の入り口として重んじています。

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お招きする方で玄関なのか内玄関なのか違いがありました。

遠来の尊宿(和尚さん)や檀家さんは玄関から、
法類寺院・縁故寺院や寺院役員は内玄関から、
御用聞きや弟子・家族は勝手口からなどと

一般の家にも玄関と内玄関の二つが
別に備わっているところがあります。

私が小学校の頃、内玄関はなぜか、取り壊されて客室になりました。
内玄関がなくなったことで行事などが不便になりました。

檀家さんが届けてくれる野菜などは勝手口(炊事場に近い)から
声を掛けてくれます。

海の檀家さんはご法事でお魚を持って来てくれます。
心得ていてお魚は玄関ではなくて必ず勝手口で
頂きます。

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最近は、少し事情が違ってきました、

お彼岸の回向袋(供米)を勝手口から渡そうとする方がいて
あわてて女房は玄関へと案内しました。

仏さまのお供えはお堂への入り口の
「玄関」からと決まっています。


先日は、正装してお参りに来た檀家さんが勝手口から
入ろうとしていました。家族も後に続いて・・・

この檀家さんは普段のお仕事で勝手口を使うので
いつものようにと思ったのでしょう。

この時も女房は慌てていました。

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お寺にお参りする正式な入り口は石段を登り
山門をくぐって境内に入るのですが、
檀家さんの姿は見かけなくなりました。

私たち寺族でさえ石段を使う事がなくなりました。

今では女性部の中に数人いるだけで、ほとんどは便利な車道を
使って境内に乗り込みます。

みんなで玄関という「入り口」の意味を考えませんか。
結構奥が深いんですよ。

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