昨日,帰り道に書店へ寄ると塩野七生さんの本が平積みにされていた.
新刊かと思いきや,過去に執筆された内容をあるテーマごとに再編したものらしい.
ローマ人の物語を全巻読んだわけでもないので,再編したものでも知っている内容とほとんど被らないと思ったのと,イタリアの芸術に少し興味があったので,「フィレンツェに関する巻」を手に取る.
この塩野七生さんの本を目にした影響もあってか,次に「マキアヴェッリの君主論」が目に留まる.
目次をチラッと見てみると,”運命は人間の行動にどれほどの力をもつか,運命に対してどう抵抗したらよいか”という章が気になり,その章だけ立ち読みすることに.
マキアヴェッリの運命に対する意見が色々と書かれていたが,特に最後の部分に書かれていた文章が印象に残る.
内容としては,「運命の”女神”と言われるように,運命は女性に似ている」.
なので,冷静な生き方をするよりは,大胆な生き方をする人の味方であるらしい.
なるほど,,,
そして,自己流にこだわらず,その時代その時代に合った生き方をすればよいらしい.
この本は一度購入したことがあったかと思うが,広島には持ってきていなかったので,これも手に取る.
そして最後に,前々から欲しいと思っていた村上春樹の「意味がなければスイングはない」を立ち読み.
この本は村上春樹さんが音楽について彼なりの考えを綴った本.
以前も一度立ち読みした”スガシカオ”の章に軽く目を通し,やっぱり欲しいと思い,購入を決意(購入すると決心するまで半年近くかかった笑).
土曜日の朝(今日),朝の冷え込みを部屋に感じつつ,スガシカオさんの音楽を聴きながら見覚えのある章を読む.
昔,社会人のときにお世話になっていた小田原ー厚木道路を覆面パトカーに注意を払いながら,そしてスガシガオさんの音楽に耳を傾けて運転する村上春樹さん.
自分はスガシカオさんの音楽を聴きながら運転したことはないが,情景が容易かつ鮮明に思い浮かべることができ,勝手に親近感を覚える.
しかし印象に残ったのは,本の最後半部分である”あとがき”.
”頭より心を用いて文章を書くこと”が小説家という職業の本分らしい.
自分は頭をもっと鍛えるべき時期なのだが,村上春樹さんの年齢(71歳)くらいになったら,こんなことを言えている研究者,教育者になれたらいいなと思う.