Toshichanの独り言

海外、国内旅行の旅日記。私の俳句手帳、などなど筆の進むままに書き連ねてまいります。

北海道 道央、道東を旅して

2012年07月29日 | 自然
はじめに
7/12~7/22にかけて北海道の道央、道東に行き、自然を満喫して来ました。新千歳空港でレンタカーを借り、先に送った自転車を富良野で受け取り、車に自転車を乗せて回り、必要により自転車を組んで乗り回すという旅でした。
天気は1日は大雨、2日は小雨であったが他の日は概ね晴れ、曇り。最高気温は低く、20数度、釧路湿原では17,8度程度で本当に過ごしやすく、この頃の北海道は期待通りのよい気候でした。関西に帰ってきたら「猛暑」で体調がいまいちである。

〇13日は富良野のファーム富田のラベンダー畑、四季彩の丘のお花畑を訪問(12日夜 新富良野プリンスホテル:新しく設備も良く周辺の施設も充実していたが、国内外の団体客が犇いてざわざわ、14000円/人、13日夜 ペンション「こんぺい草」美瑛町に近い畑の中の静かで食事も美味しい宿、7000円/人)

〇14日午前中は旭山動物園、この後妻と別れ東大雪糠平へ、夜は山奥の幌加温泉の露天湯にYHで連れて行ってもらい、満天の星空を見る。星が多すぎて星座はほとんど分からず。(東大雪ヌカピラYH,5000円/人(相部屋)何十年か振りにYHに泊まる。)


〇15日はYHのペアレントに三国峠に送ってもらい、そこから糠平までmy bicycleで30kmダウンロード。途中見所多し。YHに戻り、足寄経由でサロマ湖へ。サロマ湖に沈む夕日は絶品であった。(ホテルグランティアサロマ湖10000円/人)

〇16日はサロマ湖の砂州にあるアッカ原生花園に行き、海浜の花々を見る。20km程度my bicycleでサイクリング。網走経由で知床へ、(民宿「酋長の家」で2泊、13000円/2泊/人、宿のおばあさんはアイヌで知床のアイヌの話を夕食時にしてくれた。)

〇17日は1日知床。午前中はクルージングで海から知床を見る。1.5Hの短いコース。午後は知床五湖ガイドツアー、ハプニング有り。

〇18日は知床峠を越えて羅臼へ。海岸沿いに南西に進み、砂州の野付半島に寄り、霧で閉ざされる寸前の摩周湖を拝む。(弟子屈町のペンション「うさの森」泊、6500円/人、草地、畑地にあり静かでいいペンションでした。)

〇19日は屈斜路湖で20kmほどmy bicycleでサイクリングするも雨で面白くなし。湖畔の無料露天風呂で汗を流す。いい湯だ。(釧路湿原とうろYHで2泊。10000円/2日/人、ここも相部屋、食事も雰囲気もいい所である。)

〇20日は午前中はYHの釧路川カヌーツアーに参加(と言っても客は私一人)、昼にJRのノロッコ列車で釧路湿原駅と塘路駅を往復。午後は釧路湿原探勝。夕方最後の最後本当にすばらしいものを見せてもらいました。

〇21日は夕張経由で札幌へ、夕張はかわいそうな位閑散としていた。しかし石炭博物館はすばらしかった。(ホテル札幌弥生、5000円/人、日帰り温泉を持っており宿泊者は無料!)

22日は朝、北海道大のキャンパスへ散策に。知らなかった。北大キャンパスがこんなにすばらしいことを。札幌の開拓した広い土地にキャンパスを点在させたような。大樹が多く、ポプラ並木も、小川さえ流れており、蓮が綺麗に花を咲かせている。こんなことを高校時代に知っていたら北大を受験したかも?
 昼、新千歳から関空へ機嫌よく帰る筈が、ピーチ航空で大波乱。旅行の最後の最後まで生きの抜けない旅でした。「ピーチ航空で大波乱」は別稿で詳しく述べまする!!!

☆12.13日、富良野ラベンダーなどのお花畑訪問
団体の観光客がバスで次から次に到着するので煩さはあるが(高年齢者のツアー客がどこに行っても多いが、草臥れるだけで何がいいのだろうか?個人旅行でもコストはそう変わらず、ゆっくり自分のペースで自分の行きたいところに行けるのに。群れることに楽しみを見出しているのかしらラベンダー畑は見た目もいいが、もちろん香りが一番、癒される!ファーム富田は一時期は合成香料に押されて廃業も考えたが、ラベンダー畑の写真を当時の国鉄が「ディスカバージャパン」のポスターに採用したところこれが受けに受けてお客が押し寄せ、息を吹き返したと言う。人間我慢が肝心。
 ついつい、ラベンダーの精油、ティー、香水などなど買い込んでしまった。しまった!

富良野てふ夏の花野に人群れて

北海道は今が花の旬。人工花園のみならず、後述の道東の原生花園の花が咲き乱れていた。花も木々も動物も短い夏を楽しむように生き生きとしている。北海道旅行は今が旬である。

☆YHについて
学生時代にはよく泊まったが、40年ぶりにYHに泊まる。昔より小奇麗である。相部屋は2段ベッド。いびき対策用の耳栓は必需品!昔はアルコール類は禁止であったが、今はOK。また昔は食事後にミーティングとゲームがあったが今は無いようだ。個人の旅人は食事時とか、部屋で他の人と情報交換がしやすい(もちろんペンションでも民宿でも出来るが)のでYHもいい。
YHでいろんなオプショナルツアーをやっているのでそれに参加すると穴場なども訪問できる。
YHの会員になると5~600円宿泊料金が安くなる。何泊かするとお得。

☆東大雪糠平
層雲峡を越え、三国峠から糠平に至る国道273号沿線は穴場である。交通量が少ない。自然が相当残っている。温泉がいい。国鉄旧士幌線の廃線跡がいい。
前述のように三国峠から自転車で30kmのダウンヒルをしたが右に大雪山系を見ながら、白樺などの林の中を駆け下りるのは最高の贅沢である。注意しないと速度は40km/hをすぐに超えてしまう。危険!

涼しさや大雪一気に駆け下り

旧士幌線の終点である十勝三股は往時は百軒余りの村落であったが、今は一軒のコーヒーハウスがあるのみ。廃屋も数軒点在しており、西方は大雪山系が綺麗に山並みを見せていた。三国峠からの道沿い、十勝三股にはルピナスが綺麗に咲いていた。
旧士幌線は国道沿いに路線があったので、旧橋梁、旧駅跡などに簡単にアプローチできる。また旧士幌線がダム工事のため付け替えになった時残った旧・旧橋梁のタウシュベツ川橋梁があり、通常今頃の時期だと13連のアーチ式橋梁が水面に出て見えるということだが今年は雪が多く雪解け水が増えてアーチ橋梁は見えなかった。
糠平近くの旧廃線跡にNPOが手作りで木製線路を引き、そこにミニトロッコを走らせていた。片道700m位であるが、緑の中をトロッコを運転しているようで大変楽しかった。
 どちらも旧廃線敷に関連しており、実際そこを歩くとそこはかとない郷愁が感じられる。
野生動物が多く生活しているそうで、私もエゾシカは何匹か道沿いで発見した。その他、ナキウサギ、キタキツネ、ヒグマなども私はお目にはかかれなかったが生活しているそうである。また時期的にも花が多い時期で短い夏を競うように沢山の花が咲いていた。蝶などの昆虫類も豊富だそうである。動植物が豊富で自然が多く残っていると言うのは、私が回った道東に共通する特徴で、十分に堪能させていただいた。自然をじっくり味わい方には是非ともお勧めの地域である。

☆サロマ湖
サロマ湖は湾が砂州により蓋をされ湖になったもので今は恒久的に海と繋がっているが、昔は年一回砂州で閉ざされたところを人力で開削したと言う。
宿から見たサロマ湖に沈む夕日は最高であったし、また翌朝たまたま朝4時前に目覚めたら4時を期して漁船が10余隻港からいっせいに出漁する光景は少し霧もかかっており、幻想的であった。
 なお、宿での夕食の折、隣の人が美味しそうに海老を食べていたので、宿の人に聞くと北海シマエビという名で今が旬とのこと。早速注文したが、さっとゆでてあり、レモンを軽く絞って食べると大変美味であった。1000円/皿
サロマ湖の砂州の南東の付け根にはアッカ原生花園があり、ここもちょうど花時、ハマナス、エゾすかしゆり、ニッコウキスゲなどがいっせいに花を開いていた。このお花畑の中を20kmほどサイクリングしてまわった。



北海の浜は浜茄子花尽くし


 網走に向かう途中に海鮮市場がありちょうど昼飯時なので寄ると、美味しそうなホタテが。炭代は400円別途かかるが、ホタテ1枚60円。近くのコンビニでおにぎりとキリンフリーを買いホタテ6枚を焼く。うまい!!!

☆知床知床は世界自然遺産に指定されており、名実ともに自然の宝庫である。私は船で知床半島をカムイワッカの滝までの往復1.5時間コースで海から見るとともに、知床五湖めぐりのガイドツアーに参加し、またカムイワッカ湯の滝まで車で往復した。17日は知床連峰にも雲ひとつない好天気であった。
クルーズ船は大型だったが、中小型船のほうが小回りよく海岸に近づいたり、動物を観察できたのではなかろうかと思った。
圧巻は知床五湖めぐりのガイドツアーであった。知床五湖はヒグマの生息地であり、縄張りであるので特に7月下旬まではよく訓練されたガイドが引率するツアーでなければ知床五湖めぐりは出来ない。まず、ツアーの前に10分ほどビデオで熊が出て来たときの対処等のレクチャーを受けガイドとともに、3km3Hのツアーに出かける。

 このレクチャで、知床五湖はヒグマの生息地であり、そこに人間がお邪魔をするんだと言うこと、ヒグマも人間を怖がっており、けっして人間を食べるわけではないが、驚いて自己防御のために襲う場合がるということ、食べ物は基本的に草食であることなどを学んだ。どちらにしても一番怖いものは人間であることは昔から知っていたが。
 料金は5000円/人。私は13:00出発であったが、スタートして10分も経たないうちにヒグマに遭遇すると言うチャンス?に恵まれた。右手50m位の熊笹の中にヒグマの背中の上半分が見えた。即刻中止でそろりそろりと出発点に戻った。勿論料金は返されたが半端感があったので、2時間30分後に再開されたツアーに再度参加した。

夏熊の背中間近き羅臼岳
 ヒグマは水芭蕉の根の芋が大好物で、この時期それを食べに、水辺、湿地に出てくるらしい。ガイドツアーで回ってもそこかしこにヒグマが水芭蕉の芋を食べた跡が見られた。エゾシカ、キタキツネなどにもお目にかかった。また風が無かったので各湖には知床連山が映し出されよい景色であった。

☆「自然保護について」 最初、知床五湖ガイドツアーが5000円という事でえらく高いな と感じたが参加した後の印象は「値打ちがある」と言うことであった。ヒグマと遭遇できたこともその一つであるが、人間の影響を出来るだけ排して自然を守る、自然の連関を守ることの大事さとその難しさが感じられたということも大きな要因である。ヒグマを頂点とした食物連関があって動植物の数が均衡していること、(ところが狼がいなくなったので、エゾシカが増えすぎ、樹木の皮を食べるので樹木が立ち枯れてしまう現象が多発していること)植物が枯れるが腐りにくく、次第に湖が埋もれていくことなど をこのツアーで教えられた。

☆キリスト教的自然観と仏教的自然観 仏教では「生きとし生けるものは皆仏性を持っているのだから大切にしなければならない。しかし、生き物は多かれ少なかれ他のものの命を頂き、またその犠牲のうえに成り立っているのも事実であるから、命を頂くことへの感謝をして(従って浪費をせず、また別のものでお返しをする)自然の中で人間も含んだ生きとし生けるものが共生をすると言うことが自然観である。だから自然を大事にすべきなのだ。」
一方、キリスト教では「自然は人間のしもべであり、人間の役立つように使うべきだ。神が聖書の中で許しているものは食べてもよい。牛、豚、羊、鶏は人間のために管理して飼育しているのだから、食べていいし、飽食して食い残しても余り反省はしない。ところが一方、鯨は神が聖書の中で食べていいとは言っていないし、高度な生命で、知恵も有りそうだし、管理して飼育していないから絶滅の恐れもあるし」、と言う事で反対しているのだろうか。自分たちが18,9世紀に鯨油を採取するために絶滅寸前まで鯨を撮り尽くしたことは綺麗に忘れて。
 人間中心の思い上がった自然観ではあるが、今のところは「その論議以前に例えば中国のように環境を考えず、自然を破壊している国も多いので、仏教的自然観とキリスト教的自然観は共闘している段階」であろう。

☆釧路湿原
釧路湿原は日本で一番新しい国立公園であり、ラムサール条約登録地でもある。今回は湿原の中央部に近い塘路にある「釧路湿原とうろYH」に2泊お世話になった。
釧路湿原探勝は3つの方法によった。1つはYH主催の釧路川カヌー下り、もう一つはJRノロッコ列車に乗っての湿原探勝、もう一つは車でいろいろな湿原展望台に行っての湿原探勝。
カヌーでの湿原探勝は、ゆったりした釧路川の流れにカヌーを乗せ下って行った。時の流れがゆるりとなり、野鳥の声を聞きながら川を下っていく。途中でキタキツネに出会い、また岸の泥に丹頂の足跡を見る、と言う1時間半であった。6000円

釧路川昼寝のように船一つ
ノロッコ列車は釧路湿原駅と塘路駅間を往復して乗車した。平日であるが、1/2位のお客があった。線路に沿って釧路川が流れているところが相当区間有り、それなりによかったが、まあこんなものかというレベルであった。440円


湿原展望台(遊歩道含む)は6ヶ所行ったがそのうち4ヶ所は高みから湿原を広く見るというところで全体把握では役立ったが、湿原の詳細の様子は分からない。
温根内ビジターセンターでは湿原の中へ木道で入っていけるので湿原の草花の様子はよく分かった。しかしなんと言っても圧巻はコッタロ展望台であった。数十mの丘に登ると、眼下にコッタロ湿原と蛇行した釧路川が見える。双眼鏡で探すと、いたいた丹頂鶴が一羽、多分巣の近くであろうところをうろうろしている。やがて10分も経っただろうか。もう一羽が帰ってきた。2羽は横手の中洲に立ち、最初は川の魚などを啄ばんでいたようだがやがて羽を広げてあのディスプレイを、踊りを始めた。約5分以上は続いただろうか。私はただただ双眼鏡でそれらを固唾を呑んで見つめていた。「北海道へ来た甲斐があった。」


丹頂の睦みて夏の踊りかな

☆北海道で出会った旅人たち
中高年の旅人が多かった。
昔からの伝統でバイクでツーリングしている人が多かった。単独行が多かったが、弟子屈のペンションであった2人連れは親子であった。
ここで初めて知ったが北海道には「ライダーズハウス」と言う施設が処々にある。ライダーハウスとは「多くは男女別の相部屋で、寝袋などを宿泊者が持参して雑魚寝する宿泊形態となっている。」らしい。私も初めて知ったが1泊1000円くらいで自分のシュラフなどを使い、泊まるそうである。バイクでここを使いながらツーリングする人も多いらしい。
車で北海道の山登りに来ている人も2人いた。一人はリタイヤした人で、3週間かけて7山くらいを登るという。
東大雪糠平ではこの付近の自然を深く、こよなく愛する人達と複数会った。一人は多分植物学者で、糠平で野外観察講座の講師をするため札幌から来たと言う30歳代の人、もう一人は捕虫網を片手に林道に入り込み日永昆虫採取に取り組む60歳代の人、関東から3泊4日で東大雪の山を登り、鳴きウサギに会いに来た人、皆この地を深く愛していた。「お前もいい所を見つけたな」と言いたそうな顔をしたひとであった。
皆さんと話したところ異口同音に「バイクツーリング、山登りも含め、旅行者はほとんど中高年だ」ということであった。数十年前蟹族や、バイクツーリングで来た当時の若者がそのまま持ち上がって今も旅行しているが、今若者はほとんどいない。この原因は「金が無い、気迫が無い、無気力だ」ではないかと言う。私は昔も金は無かったが皆来たのだから「気迫が無い、無気力だ」と言うのが原因ではないかと思う。バンクーバー遊学のブログの中でも書いたが「特に日本の若者、特に男子は元気が無い。」と書いたが、北海道でも同じ傾向であった。
 「憂慮すべし、日本の将来!」


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