2024年人権ビデオ・トップ10 (4~7)
4.英国各地で人種差別主義とイスラム教嫌悪の広範な暴動が拡大し続けている
https://www.youtube.com/watch?v=Ca9P2HPHWg8&t=3s
英国各地で人種差別主義とイスラム教徒嫌悪の広範な暴動が拡大し続けている。
モスク、有色人種のコミュニティ、人々が庇護を求めている場所を、
人種差別的主張を叫ぶ組織が暴力的に襲撃した。
英国政治家、ソーシャルメディアのインフルエンサー、メディアによる、
長年にわたる反イスラム教と反移民の言辞が、襲撃を煽った。
政府は暴力を強く非難し、襲撃に関与者の責任を問うことを約束した。
人種差別・外国人嫌悪・イスラム嫌悪を煽る政策と危険な言辞に
英国当局は取組まなければならない。
5.イスラエルの人道に対する犯罪
https://x.com/hrw/status/1757429348464832628
HRWイスラエル&パレスチナ局長 オマル・シャキル
ある当事勢力による残虐行為は、他の当事勢力への残虐行為を正当化しません。
これは基本的なルールです。
国際人道法は戦闘員間の契約ではなく
人道の契約なのです。
2023年10月7日(イスラエル南部襲撃)を実行した人々は
重大犯罪に関与したのですから、
その行動に対して責任を問われなければなりません。
私たちが現状にあるのは正に、
イスラエルによるパレスチナ人へのアパルトヘイトなど、重大な人権侵害を
長年にわたり不処罰としてきたからなのです。
私たちは警告を発してきました。
他の人権団体も同じこと、
国際社会は正に長年にわたり、
イスラエル政府、特に重大犯罪の加害者全の、
違法行為に対して責任を問わなかった、と言ってきました。
第2次世界大戦の灰から育った、
国際法の最も基本的な原則に対する、
この目に余る無視が今のこの現状を引起したのです。
そのような原則が正にガザ地区で破壊されています。
もし世界がこれを何の結果も生じさせぬまま許し続けるならば、
その影響はイスラエル/パレスチナに住む民間人を遥かに超え
世界中の民間人保護を台無しにするでしょう。
私たちは重大な試練に直面しています。
人道は失敗しましたが、終わっていません。
危険な状態にいる数百万のパレスチナ人がまだいるのです。
私たちはもっと努力しなければなりません。
不処罰を終わらせるために私たち全員がもっと努力しなければならないのです。
6.焼夷兵器:新たな使用が直ちに行動を求めている
https://www.youtube.com/watch?v=rWSKzutAbhM&t=2s
この映像は、白リンがイスラエル軍によってレバノン南部に投下されている様子です。
白リンなどの焼夷兵器は火災を発生させます。
焼夷兵器はまた、生涯続く苦痛を生じさせる、極度の火傷などの傷を負わせます。
HRWボニー・ドチャティ
過去1年で焼夷兵器の使用に危険な増加が見られました。
イスラエルはガザ地区とレバノン南部の人口密集地で白リンを使ってきました。
オープンソースのデータは、2024年6月にレバノン南部で、
白リンを搭載した弾薬が空中で破裂し、
少なくとも5つの民家に村に落ちている様子が映っています。
焼夷兵器は民間人を傷付けるだけでなく、
社会経済的そして環境的な危害を及ぼします。
白リン弾はオリーブの林を焼くことで、農民の生計の糧を破壊し環境を汚染しています。
焼夷兵器がウクライナでも使われたことを、HRWは明らかにしました。
ロシアとウクライナの双方が、焼夷兵器を運ぶための、
武装ドローンを開発し使用してきました。
このビデオでは通称「ドラゴンドローン」が、
広い地域に焼夷物質を散布している様子が映っています。
私たちが検証したビデオの幾つかには、
「ドラゴンドローン」が木々に火を放ち
その結果として森を焼き、環境上の懸念を生じさせた様子が映っています。
このような武器の開発には心をかき乱される思いですが、
一方で国際レベルでの焼夷兵器を使用した結果に、
対応する勢いも増しています。
国際法を強化すると共にこのような残酷な兵器からの民間人保護を強化するために、
各国は今こそ行動しなければなりません。
もっと知りたいならば、焼夷兵器に関する私たちの報告書「炎を超えて」を読んでください。
7.ガザ:ガザでのイスラエルによる人道に対する犯罪
https://www.youtube.com/watch?v=1Dujfhp0deE&t=2s
ガッサン
俺たちは標的にされた。
軍用機の標的にされたんだ。
今、赤十字のクルーと一緒にいる。
あんたが無事でよかったよ、フィラース
フィラース有難う。
心配する必要はないよ、俺たちは大丈夫だ。
ナレーション
これはガザでの暴力から逃れようとしたが、
敵対行為に巻き込まれ、人生が取り返しのつかない程に変わってしまった
2人のパレスチナ人住民、ガッサンとサラの話です。
警告
このビデオには、負傷した人々など暴力を含む映像と描写悲惨なシーンが含まれています
何処にも安全はない
ガッサンの話
ナレーション
敵対行為が始まって以降、ガッサンは毎日の生活を記録するビデオ日記を取り続けました。
ガッサン
ジャバリア・キャンプは世界から完全に孤立させられ、
イスラエルはインターネットを遮断し、全てを遮断しています。
ナレーション
イスラエルはガザに厳しい封鎖を科しました。
それは人道上の大災害を引起したのです。
更に退避制度はガザの民間人を守るのをあからさまに怠たりました。
ガッサン
(イスラエル軍が)退避するようというチラシを蒔いた時、
私はここで(ビデオ)を持ってたんです。
チラシはこの地域から退避することを求めています。
ここにハッキリ見えるでしょう。「…に向かって進め」って
これが私の話す罠なんですよ。
ナレーション
人々の移動を合法にするためには、次に掲げる条件が満たされなければなりません。
- 人々が家族から引離されることなく、安全に移動させると共に
食糧・水・衛生・医療へのアクセスを保証する。
- 退避は一時的でなければならず、移動させられた人々は自由で、当該地域の敵対行為が終結した後には可能な限り速やかに自宅に戻れる。
イスラエル軍はガザ住民190万の内90%を移動させました。
想定された「安全区域」に向かうよう民間人に指示した、2023年10月13日の退避命令を、この地図は明らかにしています。
イスラエル当局の政策と行動をHRWは調査し、
再三にわたって退避命令が出されたこと、
大規模な破壊が行われたこと、
安全な避難路または食糧・避難所・医療へのアクセスが提供されなかったことなどが、
移動を違法なものにしていたことを、私たちは明らかにしました。
強制移動という国家政策の故意性と証拠のレベルは、
強制移動が戦争犯罪と人道に対する犯罪だったことを意味しています。
ガッサンがテントの前で話している
あの時は、混乱とパニックでしたよ。
私が歩いていた通りは、どこもかしこも爆撃、爆撃、爆撃されてましたよ。
ガッサンが車の中で自撮りしている
移動させられて此処、ジャバリア・キャンプの通りにいます。
私たちについては誰も何も知りません、連絡を取る手段は全て無くしてしまいました。
通りに車が1台あるのを見つけて、私とヒシャムはその中で座っています。
私たちは何処に行くのか分かりませんし、この車も私たちのではありません。
でもドアを開けて、中で座りました。
もしこの携帯電話を誰かが拾ったとしたら、私たちはもう生きていません。
そうなったらこの話を皆に話して、記録してあること放送してください。
ガッサンがテントの前で話している
突然、巨大な閃光を見たんです。
爆発の中心にいたら、何にも感じなかったでしょうね。
体の何処かが無くなってるんじゃないかを、調べ始めたんですよ。
この場所は昨日の夜に爆撃されました。今は夜明け前です。私はこの車の中にいました。この中で座っていて飛んできた破片が当たったんです。
(破壊の)酷さが見えますか? 郵便局が標的にされたんです。
この車の中に居た時のことでしたよ。
私が生き残れたのはあの車のおかげですよ、
あれが爆風と飛んで来る破片から守ってくれたのです。
その後に私たちは、少なくとも北部からは逃げ出さないと決心したんです。
キャンプは私たちの人生そのものでした。
移動は魂が自分の体から引き裂かれるような感じです。
皆が様々な場所に向かって退避しています。
爆撃された後、キャンプから出て、ラファに向かっているところです。
車はないので、私たちはロバが引く荷車に乗っています。
ナレーション
サラフ・アル・ディン・ロードは、ガザ地区を南北に縦断する主要なハイウェイです。
イスラエルによる退避命令は2023年10月13日に始まり、2024年1月4日まで続きました。
イスラエルは住民に、この道路を使って逃げるよう指示し、「安全な通行」を保証しました。
その後の退避命令は住民に違う道を使うよう伝えました。
HRWによる聞取り・人工衛星画像・写真・ビデオを通した調査は、この道路が、全くということではないにしろ、殆ど安全ではなかったことを明らかにしています。
ガッサンがテントの前で話している
実際の所、この惑星に自分1人のように感じる瞬間がありましたよ。
あの頃、ガザ地区北部の電気は完全に遮断されてました。
水と電気通信・インターネットも、占領者がガザからは遮断すると宣言していました。
ラファに辿り着いた時、罠にかかったことが分かりました。
ネズミ捕りって、私たちは呼んでました。
3階建ての民家に住んでいました。
私の家族200人超がこの家に避難しました。
自分の体位しかない広さで寝ることを想像してみてください。
寝返りを打つと、何かにぶつかる、反対側に寝返りを打つと、また何かにぶつかるのです。
爆撃は、大規模な破壊、乏しい資源と一緒に続いています。
これはハムード(ガッサンの息子)です。
ガッサン:今の状況をどう思う? ハムード:いいよ。
ガッサン:爆撃の音は怖くない? ハムード:怖い
ガッサン:何が欲しい? ハムード:???
ガッサン:戦争を終わらせるために
ガッサン:何処に行きたい? ハムード:???
ガッサン:家に帰りたい?ハムード:???
ガッサン:ビラルもおいでよ。ビラルの望みは何? ビラル:家に帰ること。
ガッサン:家に帰りたい? ビラル:うん、食べて飲みたい。
ガッサン:食べて飲むってこと。
私たちは戦争が終わること、家に帰ることを望んでいます。
ラファは安全で人道援助もあるって、イスラエル軍は言っていましたが、
でも援助は実際にガザに何時届きましたかね?
ラファで私は約1ヶ月過ごし、列に並んでいました。
私は自分の金で少々のパンを買うために、
午前7時から、午後2時まで立っていたよ。
イスラエル軍がラファを侵略するというニュースが広がって
私は国境のブラジル地区で生活しました。
そういうニュースと戦争によって引起された心理的状況の混合が
私たちに逃げることを強いたのです。
特にイスラエル軍は共同住宅と民家を激しく爆撃していますからね。
それで私たちの選択肢は、移動させられた他の人と共にテントに移ることになったのです。
ナレーション
戦争法の下、イスラエルは占領国家として支配下の人々を退避させられるのを許されるのは、明確な理由があり、かつ一時的な場合だけです。イスラエルは移動させられた全ての人々を、敵対行為が終結したら帰還することを認めなければなりません。しかしながら殆どの居住施設と、民用インフラは破壊されているので、ガザの大部分は住むことが出来なくなっています。食糧・水・衛生・医療へのアクセスを保証して、基本的な保護を整備するという自らの義務を果たすのではなく、イスラエルはそれらを遮断する措置をとってきたのです。
ガッサン
人々はラファからの難民用キャンプから少しずつ逃げ出し始めています。
キャンプはとても過密状態で、沢山のテントがあるから地面が見えないんですよ。
ディル・アル・バラフに来て分かりましたが、ガザに本当に安全な所はありません。
この地域にも砲撃は続いていて、安全な所は有りません。
本当の所、北から移動させられて以降、安全を感じたことはありません。
眠れないのです。いつも迷ってばかりです。
サラの話
ナレーション
2023年12月1日にイスラエル軍はガザを、620の番号を割り付けて区切る対話型マップを公表し、その区割りシステムに言及する、退避命令を投稿・配布し続けました。
2023年12月7日にサラの家族の家はハーン・ユーニスにあって、
退避するよう予定されていたブロックではありませんでした。
HRWはサラに聞取り調査を行い、その日から撮影した人工衛星画像、
ビデオ、写真を分析しました。
そのブロックに民間人が生活していることを、イスラエル軍が知っていたか、
知っているべきだったことを、集めた情報は明らかにしています。
キャプション
サラの身元を保護するために、ビデオ中の人物の声は変えてあります。
サラは本名ではありません。
サラ
イスラエルは私たちの地域をブロック割で名称変更しました。
それで皆は爆撃される可能性がある所を記録できたのです。
私たちはGブロックNo108 に住んでいました。
午後4時頃に、仕事から家に帰る途中でした。
家に近付いて時に見えたのは虐殺でした。
大混乱で、皆が叫んでいて、炎と破壊しか見えませんでした。
私の子供たちが家に居て、姉妹たちが私の家に避難していたし、
共同住宅の3階で、20人ほどが住んでいたので、怖くなりました。
有難いことに、共同住宅にいた私の家族は無事でしたが、
攻撃されたのは私たち隣の建物だったのです。
その建物の損害はとても大きくて、私は入ることが出来ませんでしたが、
遺体が見えたし、瓦礫の下に人もいて、沢山の人がその日に亡くなったのです。
全部を見てしまったことは私の子供たちにとっても大きな影響を与え、
それが全てを変えてしまいました。
ナレーション
オンライン上での退避命令と、オンライン上に投稿された空中投下のチラシの写真を分析することで、108ブロックはこの空爆の6週半後まで退避命令の対象地域に指定されていなかったことを、HRWは明らかにしました。
2023年12月7日にサラの家にも損害を与えた、サラの親族の家が攻撃される前に、このブロックで更に少なくとも6回の空爆が加えられたことを、HRWは確認したのです。
攻撃現場から数十mしか離れていない2ヶ所にも、同じ時間枠内で爆撃が行われました。
人工衛星画像の分析は、サラの親族の家への攻撃が孤立事例でないことを明らかにしています。
退避システムは人々を保護していませんでした。
退避命令は、一貫しておらず、不正確で、多くの場合、市民に全く連絡されておらず、または退避できるよう十分な時間的猶予を与えていませんでした。
非常に多くのパレスチナ民間人が自宅から立退きを強いられた事実は、ガザの移動(退去)が広範囲に行われたことを示しています。
それはまた組織的で意図的であり違法であり、イスラエルの国策の一部を形成しています。
それは人道に対する犯罪に当たります。
イスラエルはガザの民間人に、集団刑罰を科すことを止めなければなりません。
各国政府は、イスラエルによる、民間人住民の強制移動を、戦争犯罪と人道に対する犯罪として公に非難すると共に、イスラエルへの軍事援助と武器の販売を停止するべきです。
サラ
従前の戦争でイスラエルは特定の場所を標的にしていて、
私たちは事前に分かり、警告も与えられていました。
今回の戦争は、全く違うのです。私たちには、行ける安全な場所が全くありません。
ガッサン
もう1回、移動の経験を乗り越えなきゃならないってのは恐怖ですね、
戦争が終わる前に冬が来るかもしれないってことも怖いです。
あなたの目の前にあるこのテントで、冬を耐えることは出来ませんからね。
喪失感そのものが、他のどんな感情にも比較にならない程なんです。
私は家に帰り、そして自由と平和の中、自分の枕で頭を休める時が来ること望んでいます。