新しいCDが出来上がりました昨年の春にドイツで行った演奏会のライブ録音です。このコンサートには特別な想いがありました。2005年から毎年ドイツのエムスデッテンという街の教会へ、計4回ヴァイオリンとオルガンの演奏会のため伺っておりました。そこの神父、フォルケンホーフさんはとても件pを愛しておられ特にこの教会にある「生命の踊り」という名のオルガンを大変好んでおられたご様子でした。初めて伺ったときはドキドキして、その大きな4段鍵盤のオルガンに圧唐ウれました。神父さんはにっこり微笑みながらオルガンのストップを説明してくれました。私はドイツ語は分からないので多くの言葉を交わす事はなかったですが、神父さんの喋るドイツ語はいつもキレイだな~と思っていました。4回目の演奏会の後「来年は私の65歳の誕生日。引退の年でもあります。その記念に演奏会をしたい。」そういうお話をして下さいました。ところが年が明けても神父さんからは何の連絡もなかった…不思議に思い上野さんが問い合わせて下さいました。すると思いもしなかった返事が…神父さんは末期がんと戦っておられるとの事。ただただびっくりしました。
演奏会を企画するどころではない。でも神父さんの余命は数ヶ月。そこで最後の演奏会は上野さんと一緒に神父さんへのお誕生日プレゼントにとドイツへ行くことになりました。私ももう一度ちゃんとお礼が言いたかった。神父さんはこの提案を大変喜んで下さりリクエストにこれまでの演奏会で弾いた私達の即興曲を希望して下さいました。神父さんは提案を聞いてから当日までの数ヶ月、とても活き活きしていらしたと後から聞きました。5回目となるこのコンサート当日は、聖ヨゼフ教会にいっぱいの400人以上が集まってくださいました。神父さんもベットに寝たままですが来て下さいました。その時の演奏会がこの「Vision」というCDになりました。
即興曲中心(8曲中5曲)のオリジナルに近いCDですが素敵な作品になっていると思います。オススメは最後の演奏会のために上野氏が書かれた「Vision」(幻影)。是非お聴きになってみて下さい。興味のある方はご連絡下さい。
演奏会の9日後、フォルケンホーフ神父は天に召されました。心からご冥福をお祈りいたします。