No⑪
No⑪は「新しい組織作り」です。
一つの事例として私たちの田舎の高校の「同窓会作り」を中心に話を進めて行きます。
それは「何の得にもならない」仕事に沢山の人が参加して「自由な組織」で皆さんが活発に協力しあう形を作り上げ
て行ったという、私が経験し参画した一つのスト-リ-なんです。
もう30年も前になるでしょうか、私たちが初めて同窓会なるものに参加したときに遡ります。
まあその頃の同窓会は参加人員も少なく、言うならば「社会で成功した老人たち」の自慢話の会でした。
「どこの大学をでて」「どこの会社に勤めて」「どれだけ出世したか」が主な話題だったと思いだします。
まあそれが同窓会なるものの当時の一般的な姿だったと思います。
「これじゃあイカンな」と言うのが若い新参者の私たちの同級生10数名の最初の印象でした。
そこで取り掛かったのがそんな組織の改革だったのです。
まず最初に始めたのが毎年の同窓会の開催を10年おきの二学年の人達に任せるという新機軸でした。
ある意味の「民主化」です。当番になった各学年の人達が集まって全て企画し実行するという形です。
これで若い層、まだ社会で活躍中の若い皆さんを集めて組織に新風を吹き込むことができたと思います。
私たちの学年、昭和41年卒のが当番になった時の新企画は男子が集団で女装して当時流行りの「カンカン踊り」を
余興としてを披露するというまあ奇想天外なものでしたが、これが会場の爆笑を誘いバカ受けしたものです。
もちろん女性軍も衣装を準備してお化粧をするなどの皆が裏方として頑張りました。
そんなことを重ねてうん十年・・・最近では200名を超える参加者で会場は老若男女の話の輪が広がるように
なったのです。参加者は昔の4、5倍になったんです。これはどこの高校と比べてもまあ破格の規模だと思います。
もちろんそれとは別に10名ほどの「役員会」なるものを作り、組織全体を取り仕切るかたちとして、役員も当番幹事
の中で面白そうな?人を集めて4-5年でそっくり世代交代をする仕組みとなっています。
ここで言えるのはそれが「自由な集団」であることです。
およそ社会のどの集団・組織でも「利益の確保」と「指示命令系統の確立」が優先されます。コンプライアンスの名の
もとに、その統制力はますます強くなっています。内部では「パワハラ」ときには「セクハラ」まで、上司の指示は
絶対であり、「反抗」は許されません。「反抗」は時には「死・解雇退職」でもあります。それが社会の実態であろう
と思われます。
そして組織に利益をもたらす者が出世して最高権力・社長とか会長やCEOなどに登りつめて行くんです。
そこには裏側として熾烈は権力争いがあります。前社長や会長の「お気に入り」になるためのあの手この手なんです。
まあ取締役会とは言っても、内実は幼稚園と大して変わらない混沌とした様子のようです。そのあたりは会社勤めなど
をした方にはよくご存じかと思います。
特筆すべきは私たちの作り上げた「組織」にはまず「利益の追求」がありません。目的は同窓会の発展でありそれは何の具体的
な利益も、もたらさないのです。そして年間の一応の基本計画は作られますが、その実行は下部組織に任せられて「指示命令」
は一切ないんです。すべてはアドバイサ-となる役員の一部と今回担当する学年幹事の「会議」で決まっていくのです。
そして時には熱い議論などがあるものの、それが実にうまく機能している点が大切なんです。故郷を思いその発展を願う
「郷土愛」だけが「求心力」なんです。そんな組織が十分に機能し、そして同窓会が毎年盛会であることをまずはご理解
いただきたいトコロです。
そこで考えるのは「これからの組織、その運営はいかにあるべきか」と言うことです。
それは時代の変化とともに旧来の価値観が大きく変わっているからです。「出世」よりも「ヤリガイのある楽しい仕事」を
望む若い人たちの望む方向に「組織」も変わって行かなければならないのです。
そして私の私の提案①です。
「利益」の代わりに「社会的使命」と言うか、組織の構成員全体の「この会社を盛り立てよう」という意識を創り出すことが
大切なのではないでしょうか。イヤイヤ仕事をするのではなくて自ら進んで「働く」気持ちが大切なんです。時折見かける
組織の圧迫に苦しむ「ブラック企業」には絶対にしてはなりません。
私の提案②は
「指示命令」の代わりに「役割分担による共同作業を」目指すことです。各人がその力や能力に応じてそれぞれの仕事に
全力を尽くす、そして全体が活性化・活発化して成果を上げて行く形を作っていくんです。
成果の分配は難しい問題です。年功や序列などで決まる給与体系ではなく「働きに応じた応分の給与」が必要になります。
皆の生活が成り立ち、困窮者が出ないようにそこには色んな創意工夫が必要なんです。人事課なんてものもある意味
でこれからも必要かも知れません。ただ従来のような「差別化・序列化」だけを目的にしてはいけません。
皆、同じ目的を持った仲間なんです。
そんな組織が出来れば社会はもっと良くなると思います。青い顔で辛そうな様子で会社勤めをする姿が世の中から
消えて行くんです。これからの組織は全員参加で、密室社会からの脱出を図らねばなりません。
もちろんまだ新しい組織体系であり、色々と上手くいかないことも多々あると思います。その一つ一つを点検し
改善していく努力は不可欠だと思います。
それが私の願いであり提案です。
そしてこれからはそんな社会に進んでいくと思います。そんな予感がしているんです。
会社でも団体でもあるいは政治家であっても、組織の束縛からの解放なんです。
それは皆さんがそれぞれの「エゴ・辺境の心」を捨て、自分の殻に閉じこもらず、広い世界に飛び出していくんです。
そんな風になれば、誰もが心を大きく開いて社会に参加して行くことで可能になると思います。
今問題になっている、社会に参加できない「引きこもり」も皆が迎え入れることで必ず解消するハズです。
そうです。全員参加の「役割分担」でその総合力を発揮するのが新しい組織を創り出して行くんです。
☆しかし指揮命令ではない、ボランティアの組織から学ぶことは多いですね。まだまだ欠点はあっても
それこそが未来の組織の「原型」であると思います。☆
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