フィリピン不動産を購入する時に絶対にしてはいけない事があります。
それは大きな割引があるかのように見せかけて、ブローカーが必死に売ってる完成前のプレセール物件を購入する事です。
もちろん数百万円のロスなんて気にならない大金持ちで、営業マンからチヤホヤされ、お客様は神様待遇が好きな方は別ですが…。
プレセールで買うと、次のようなリスクがあります。
安いようで安くない
まともな建物である保証がない
完成しない可能性がある
活用できるまで数年かかる
改装や設備導入に相当の費用が掛かる
支払ができなくなるとお金が戻らない
日本では到底理解できないこのようなリスク、いったいどういう事なんでしょう。
安いようで安くない
ほとんどのプレセール物件は、支払方法により割引率が決められており、例えば
一括購入⇒15%引き
頭金30%⇒10%引き
頭金10%⇒5%引き
というような設定があります。
また、現在ではより早く買ってもらうため、デベロッパーは年に数回販売価格を釣り上げていますので、
今25000ペソの手付を払えば価格は据え置き
などと言って仮予約を取ろうとします。
この販売価格ですが、現在では元々の市場相場を無視したバブルを形成しており、このくらいの割引率を貰ったからと言って全くメリットはないのです。
もしあなたがその物件を、将来転売する場合、割引分を上乗せした購入時定価で売り出したとしても、まずは買手が付かないということを知るべきです。
フィリピンコンドミニアムの適正価格とは?
まともな建物である保証がない
プレセールは当然建物がまだ存在していません。もちろん完成予定日と完成した図面や模型は準備されていますが、ここはフィリピン。どのような精度で完成するかは未知数です。
フィリピンの事を何も知らない人でも、日本の建築技術や工事の完成度は世界でもトップクラスであるということはご存知でしょう。
その感覚でフィリピンでも同じ建設が行われると思ったら大間違いです。
完成した端から、きれいに塗装した壁面を手作業で叩き壊しながら、中に埋め込まれた配管の補修をやってる光景はよく見かけます。
壁面や床のクラック、ドアなどの建付けの悪さは当たり前。とんでもないパイプが部屋の中にむき出しなんてことも…。
フィリピンでは出来上がるまで何があるか分からないのですから。
完成しない可能性がある
日本と常識の違いを痛感するのが、途中で建設が止まるというリスク。
フィリピンでは、建設会社が資金を準備して完成まで持って行くのではなく、売れたら建てるというスタイルです。
ですから、前記の仮予約が入った時点で売却のカウントとなり、何%売れたら何階まで建築許可が出るという段階的な措置が取られているようです。
つまり、売れなければ建たないというリスクが常にあります。
また最近あった実例として、建築許可は出ているのに、ある日突然景観を損ねるという理由で8割方できていた建築が途中で中止となりました。こんな物件を購入していたら、まず資金がまともに戻る保証はありません。
何とも恐ろしいのがフィリピンなのです。
活用できるまで数年かかる
ビルの完成までには4~5年間くらいはかかります。当然ですが、完成するまでは利用することはできません。
もしあなたが割引目当てに一括購入したら、そのお金は部屋が利用できることとなるまで塩漬けなのです。どんなものが出来上がるのか、また本当に完成するのかも分からないフィリピンの数年先へのリスク投資です。
完成することを神頼みして待つことになります。
改装や設備導入に相当の費用が掛かる
運よく完成し引き渡しを受けました。やっと活用できますが、購入する際に見せられたモデルルームの面影はその部屋にはありません。これが本当に想像していた部屋なのかと疑うくらい殺風景で精度の悪い何もない部屋です。
床はタイル張り、家具調度品、キッチンやシャワールームの設備を整えるだけでかなりの出費です。
さらに日本のようにオーナーだからと言って、むやみに住宅に物を運び込んだり持ち出したりできません。すべて管理会社に事前承認を貰って予定を上げなければ家具の搬入すらできないのです。
多くの人が、完成後の内装設備にどれだけお金がかかるか想像できないようです。今は日本同様ほぼ何でもそろう代わりに価格も日本同様です。
支払ができなくなるとお金が戻らない
フィリピンでは独特な支払い方法があり、引渡までは無金利分割払いが可能です。これは自社ローンの形である限度額範囲で完成まで分割ができるのですが、月々の分割払いは小額であるものの、完成引渡時はキャッシュで残金一括支払いをする必要があります。
この時支払が出来なければ、物件はデベロッパーが押さえてしまい、お金も返ってくるはずの半金さえ取り戻すのが困難です。
購入時に銀行ローンが使えると説明されますが、外国人で現地で収入証明が取れない方は、まずローンは無理だと思いましょう。
昔、日本で海外不動産投資を勧誘する会社が、物件さえあればたくさんの銀行で多額の融資が受けられると話していた会社があるのですが、そのような都合の良い借金をすることはできませんので念のため。
以上のように、まだ完成もしていないプレセールのコンドミニアムを購入することは、フィリピンのリスクを全て背負うことになり、そのリスクに見合うリターンは全くないということを完成後に知ることになります。
現在マニラのコンドミニアム市場はバブルです。
だから新築プレセールなどに手を出してはいけません。
そんなものに手を出さなくても、お金に困って売りたいという物件は山ほどあります。日本人と違ってフィリピン人は、お金が欲しいから売ると決めたら、しっかり実質相場まで値段を下げてきます。
そこで本格的な交渉をして格安に買えるリセール物件が、実体ある不動産売買としてリスクはありません。
2015年から今年にかけて、大量の引渡物件が市場に出るようです。これからどんどんリセール品が安くなり、賃貸相場も下がってくるでしょう。
マニラのコンドミニアム2016年は大量供給 賃料は値下がり傾向に
このような市場を現地の業者も知らないはずがありません。しかし彼らは商売ですから、売って儲けるためには何でもします。
最近では大手のデベロッパーでも、支払いが維持できなくなった顧客のリセール物件を専門に扱うチームを設け、残債にしっかり金額を乗せて転売しています。
デベロッパーとしては、叩き売られては正規価格が崩れてしまうので正価同等で売っており、往復で美味しいということです。
そのような案件を転売している日本の業者もいますね。紹介するだけで楽だからという理由で。もちろんコミッション乗ってますよ。安くなるわけがありません…。
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