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ネット上でも炎上気味の海外積立ファンド。
特に英国保険会社のフレンズプロビデント社の商品はビジネスしている人も多いので、検索するとかなり多くのサイトで話題が上がっている。
だが、どこのサイトも国内の金融庁登録会社が合法だとして、固有の業者名を出して宣伝しているばかりで、法律の捉え方や積立会社の取扱の説明が、実際とは異なるでたらめな情報を流しているところが多いので注意してほしい。
疑問に思ったらいつでもお問い合わせ下さい。
さて、この積立ファンドの問合せで多いのが、運用利回りについて。
まあ、ファンド投資だから運用実績は気になるところだが、積立手法で長期的に投資するこの商品は、実際には運用実績というのはあまり関係ない。と言うか、ファンド実績と契約者の時価総額は必ずとも比例しないのだ。
積立ファンドの基本はお分かりだろうか?案外この簡単な仕組みが貯金しかイメージできない日本人には難しいようだ。
積立ファンドは積立貯蓄ではない。
5万円を12ヶ月積立てたから60万円あるはずという考えは捨てよう。
毎月5万円で海外のファンドを買い、12ヶ月たったときの買い貯めたファンド総数にその時の単価をかけて時価総額が出る。
だから、積立ファンドで優秀なファンドとは、積立期間中は格安で、売却するときに値上がりしてくるもの。
よく分からない方は、まずはこちらを読んで基本を理解して欲しい。
今回は、なぜそう言えるのかを私も積立しているフレンズ社の実際の資料を公開して説明してみよう。
フレンズ社で契約すると、サイトで自分の積立実績をリアルタイムでチェックできる。
これがログインした画面。
Welcome Back Mr Sugino で迎えられた画面には、
●契約商品とポリシー番号
●その商品の時価総額
が表示される。
私は米ドル建てで積立しているのでUSD表示。
「⇒」のマークをクリックすると、積立の詳細がいろいろと表示されるのだ。
Current Investment Choice をクリックすると積立しているファンド名と、資金の分散比率が出る。
フレンズ社の場合、全部で10種類のファンドまで選択できるが、このようなファンドのチョイスは、私の取引先IFAではサービスでいろいろ相談に乗ってくれるのだ。
私は契約時に、積極的な運用を希望してファンドチョイスしてもらって以来、一度もファンドのスイッチング(変更)はしていない。
それでは、私の一番比率の大きい(15%)ファンドを例に詳しく見てみよう。
これが、私が積立てているファンドの保有状況。
各ファンドに割り当てられた積立資金で、毎月買い貯めたファンド総数にUnit Price をかけると各ファンドの時価総額が出る。その合計が現在の自分の総資産になるのだ。
Premium Totals の金額が積立総額で、最後のTotal Interim Value が時価総額。
単純に、時価総額を積立総額で割れば、現時点での運用実績が出るのだが・・・。
因みに、Premium Totals の下にある「Intermediary」は、この契約の仲介業者。
日本の登録業者で契約した方は、ここにその会社名が出ているか確認してみよう。
もし契約の際に聞いたこともない会社が出ていたら、必ず取次会社か私の方までお問合せ下さい。
さらに10本のファンドが、それぞれInitial口座(18ヶ月目まで)とAccumulation口座(19ヶ月以降)に分けて資産管理されている。
Initial口座は満期時まで運用され、Accumulation口座はいつでも好きな時に売却して現金化できる。
このファンド売却やスイッチングには手数料がかからず何度でも行なえるので、自由度の大きい商品と言えるだろう。
これがM55の毎月の積立状況。過去1年分はこうしてリアルタイムに詳細をチェックできる。
ここで見て欲しいのが、購入単価のPrice Used。
この1年間で最安値は51.989USD、最高値は72.718USDとかなり騰落がある。
これが、実際の運用利回りがいくらか計算するのが難しい理由なのだ。
つまり、現時点での積立運用実績は、時価総額を積立総額で割れば出るのだが、複数のファンド運用は毎月かなりの騰落が重なるので複雑だ。
例えばM55のボラティリティは、6ヶ月で最高値72.718USDから最安値51.989USDに落ちているので、この短期間で見れば-28.5%も暴落したことになる。
しかし、暴落しても積立を続けるのだから、28.5%も安く買い貯められる。
実際にこのファンドは最安値の翌月は58.738USDと13%も上がっているので、時価総額は大きく跳ね上がってくる。
これが積立ファンドの購入実績と時価総額の算出の仕方なのだ。
この動きの中で、どのタイミングでファンドスイッチングをして良いファンドを見つければよいか。
その答えが、積立期間中は格安で、売却するときに値上がりしてくるものになるのだ。
しかし、そんなファンドを探すのはプロでも難しい。だからスイッチングを繰り返している管理会社の運用実績(時価総額ベース)が悪いのはなるほど理解できる。
フレンズ社は、取り揃えているファンドの最新情報をオンラインでいつでもチェックできるのがいい。日本の商品ではここまでファンド情報を公開している商品は少ないのではないか。
日本の投資情報は投資判断できる材料より「危険だというリスク説明」しか目に付かない。
これがM55のファンド実績チャート。
2006年10月末から2011年同日までの5年間の実績は、年間50%~150%もボラティリティがある。
一括購入でこんなリスキーなファンドは手が出せないが、積立だからこそ積極的に取り入れられる。
つまり、騰落を繰り返すと言うことはそれだけ格安で買える時期が多く、売却する絶好のチャンスが多くなるということではないか!
いかがでしたか?
能書きよりも、まずは実際に行なっている資料を見るのが一番説得力があるでしょう。
皆が始めだすといろんな情報が出回りますが、本質をよく知って判断すれば振り回されることはないと思います。
登録業者を推薦するサイトのほとんどは、無登録業者が違法だというキーワードで論じていますが、本来このような海外金融商品は、投資助言の資格があっても勧誘販売してはいけないのです。
契約する側も、日本で認められていない金融商品を契約したいのなら、自由に契約できる海外で直接契約すればよいのです。
本来、海外投資というものはそういうもので、一部保険商品を除いて海外の金融商品に契約することを法律で禁じているものはほとんどないのです。
何のために金融鎖国の日本が、1990年代に日本版金融ビッグバーンを行なったのか。
金融規制の緩和で自由に海外と取引する流れを取り込もうとしたからではないか。
日本で違法とされているのは、金融機関でないものが金融商品を勧誘販売することです。
登録業者も同じで、勧誘販売をしてはいけないのです。
登録業者は勧誘・販売をしていませんか?
「販売促進用」のDVDや書籍を売っていませんか?
もし金融情報の助言だけですと言ってる業者は、「うちは赤字で頑張ってます。」という商売人の挨拶言葉と同じです。
看板や肩書きは、重視はしてもそれだけで信じることは止めましょう。
私は顔も名前も出してサイト上で情報公開しています。
誰が作っているのか分からないようないい加減なネット情報で、海外投資を始めようとする方に混乱や錯誤を与えられるのは我慢できません。
お悩みの方はお問合せ下さい。
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