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積立ファンドを始める際に、どのようにして積立額を決めるかは、将来の資産形成に大きく影響してきます。
これは、単に積立額の大小で資産が変わるというのではなく、現状と将来設計をきちんと考えることで、資産を殖やすための一番大切な「無駄を省く」ことと「目標を明確にする」ことができるからです。
投資と言えば、すぐに運用利回りや折れ線グラフばかり気にする方がいますが、本当の資産作りは、無駄なお金を使わないところからスタートしなければお金は残らないのです。
今日は、積立ファンドを始める際の、積立額の決め方についてお話します。
積立額を決める前にこれだけはしておこう
多くの方が積立額を決める際に、今の現状から別枠の資金をいくら捻出できるかをまずお考えになります。
もちろんその考えで取り組まれても問題はないのですが、せっかく日本の枠を超えた運用をするのですから、なるべく効果的にやりたいものですね。
私はお問合せのある方には、必ずファイナンシャルプランニングからやりましょうとお勧めしています。お勧めの流れは以下のとおりです。
現在の家計をしっかり見直して、削減できる無駄な部分を見つけ出す
⇒ 生命保険料、携帯電話代などは削減できるポイント
現有資産をチェックして、塩漬けや眠っている資産を計算してみる
⇒損失を埋められない投資商品や利息がつかない預金などを活用する
家族みんなで、将来のライフイベントとプランを出し合い家族年表を作る
⇒家族の年齢を刻みながら、いつ、何に、いくらの出費が必要なのか試算する
我が家の運用原資が確保できたら、目標に向けたシミュレーションをする
⇒ライフプランで出した数字を使って将来設計をチェックする
特にが大切な部分です!
浪費家に資産運用の成功者はいないのです。お金の無駄を徹底して無くす必要があります。
自分の老後や日本の金融破綻まで心配しているのに、家計は使い放題では本末転倒です。皆さん削減が可能なのは、生命保険料、携帯電話代、各種ローン、外食や交際費などが多いですね。
1万円の収入を増やすのは大変ですが、節約で1万円ひねり出すのは割りと簡単にできるかも知れません。この資金を有効的に使うことで資産にレバレッジをかけることができます。
の塩漬けや眠っている資産は、わりと日本人には多いものです。長期間放っているのでどれだけ保有しているか把握していない方もいます。
日本の預貯金は利息が付かないのは常識、また塩漬けになった投資金も見込みがないなら引き上げましょう。
せっかく海外投資を取り組まれるのですから、判断基準は日本だけではありません。海外のものと比べて明らかにメリットのない金融商品はドンドン見直しましょう。私もそうして資金を作りました。
⇒ 日本の保険の実態
の家族会議は、将来どれくらいのお金が必要なのか再認識することができます。
最近は若い方からのお問合せが多いのですが、独身時代から、結婚して子供ができ、養育費や学費など、ライフサイクルの変化と必要な生活費のバランスが分からない方が大変多いです。
また、将来の夢は非常に華やかな希望があっても、そこに行き着く運用原資が見当たらない方もいます・・・。
投資運用は「現実を知る」ことから始めないと、都合のよい運用結果を積み重ねた夢を描いてしまいます。
ここまでしっかり家族とも目標設定できれば、の実際の数字を使って将来の試算をしてみましょう。
当サイトでは、ファイナンシャルプランニング技能士による無料のサポートを行ない、ライフプランに合わせたシミュレーションもたくさん提案させていただいております。
積立ファンドはどのようなものか知るためにも、是非ご相談下さい。
実際の積立額の決め方
さて、上記のように完璧に取り組まれれば自然と積立額が分かってくるのですが、もう少し簡単に積立額を決めるポイントを上げれば、積立原資は
毎月の余剰金+現有資産
と言うことができます。
つまり、節約して毎月ひねり出すお金と、今持っているお金を合わせて積立に回すということです。
例えば、毎月の余剰金が3万円でいっぱいの状況でも、利にならない資産が300万円あった場合は、これらも含めて積立原資と考えます。
300万円を100回に分けて積立資金にすると、これだけでさらに3万円上乗せできるので、合計すれば6万円の積立が可能になります。
初期積立額が大きい場合は、積立会社から特別ボーナス配当がありますからお得です。
余剰資金を積立て終わった際には積立額を調整してもいいでしょう。
このように、今ある資金を積立ファンドに振り替えることで、毎月の余剰金と合わせて眠った資金が有効活用されます。
高額で長期の積立を悪く批判される方がいますが、勘違いして欲しくないのは、上記のようなファイナンシャルプランニングができていると、”手元に必要なお金”と”投資してよいお金”がはっきり分かりますので、無謀な高額積立をすることはありません。
逆に日本人の失敗例として、余剰金が手元にあることで、結果的に損する行動を取ってしまう方が多いことに注意する必要があります。
余剰金が手元にあると失敗する?
最近海外投資に目覚めた方の相談で多いのが、積立資金は給料などから捻出し、預金で蓄えた大きな資金は別の投資に回したいという方です。
このような方は、少し預金が貯まって余裕ができ、海外のメリットある投資商品で殖やしたいと思っています。
そして、積立商品はちまちました眠たい商品だというイメージを持たれている方が多いようで、預金で取り組みたい商品を聞くと、ほとんど一括投資で大きな配当のある商品を探しています。
投資は分散が大切なので、いろんなものにトライするのは大変共感できるのですが、ご自身のリスク許容度がほとんど変わらないのに、配当のよい商品をあれこれ探している人は、大概預金を飛ばしてしまう方が多いようです。
私が相談者に必ずご提案するのは、
目減りすることが嫌で、リターンを追及したいなら
積立商品以外、そんな都合のよい商品はない
とはっきり言い切っています。
一括投資商品は、それが単体であれラップ口座のような総合運用口座であれ、ある時点の投資から上がらなければ損失しかありません。
また海外投資は運用リスクに加え、為替変動も非常に大きなリスクになります。
1日に2%くらい為替が動くことって珍しくないでしょう?年間数%の話をしているのに、1日で2%動くんですよ。
一括投資は、いろんなものに分散できるほどの資金力がある方なら、リスクを取ってもカバーできると思いますが、普通はそこまでいろんなものに投げられる資金はありませんから、余剰資金を元に投資しようとする方は、結果としてリスク投資にはまってしまうのです。
積立商品は、積立てる各ファンド自体がリスクを考えて完成した商品であり、それを複数選択して分散投資します。
さらにファンド価格、投資タイミング、為替レートといった海外投資に必ずかかるリスクを自然と分散してくれるシステムです。
また、投資に必要な流動性が担保され、ファンド投資に必ず必要になる手数料体系も、小口にたくさんのファンドを売買するわりには大変お得です。
この、自然とリスク分散してくれるという安心感が投資にはどれだけ重要かをよく理解していただきたいのです。
どれだけ大きな資金があっても、積立ファンドをベースにすることは、大変理に叶った投資だと言えるでしょう。
今日のポイント
積立額は、毎月の余剰金+現有資産で考える
低リスク、中リターン以上なら積立ファンドしかない
明日は、「積立ファンドのまとめ」についてお話します。