日本の労働者が支払う税金にはさまざまなものがありますね。
所得税、市民税、地方税、社会保険、厚生年金、失業保険・・・
全部合わせると収入のおよそ30%以上が何らかの形で政府に持っていかれていることが分かると思います。
それでは、ニュージーランドの税金はどのようになっているでしょうか?
実はニュージーランドには「社会保険」や「厚生年金」、「失業保険」などは存在しません。
それは何故かと言いますと、こうした保険という形で「国民が福祉に対してお金を別途払うのはおかしい」という考え方があるからです。
ニュージーランド政府は国民を守る義務があり、その代わりに国民は、納税や順法などを行っているのです。ですので、本人の事情により仕事が出来なければその生活を守るのは国の義務です。
ニュージーランドの財政の大きな特徴はその透明性と配分のバランスの良さでしょう。この国では国家支出の8割が社会保障として使われています。
まず最初に出てくるのが医療保障。
この国では生まれる前から死んだ後まで国が面倒を見る仕組みがありますが、まず最初に妊娠した時点ですべての費用は国家が負担します。出産費用はもちろん、出産前半年から出産後半年まで政府から派遣された助産婦がお母さんの面倒を見てくれます。
その後もチャイルドケア、コミュニティカード、メディカルケアなど様々な形で国民が医療を必要とした時に無料でサービスをします。
日本だと子供が「お父さん、保険証持ってないから僕も病院に行けない」なんてありますが、ニュージーランドでは誰も何も払う必要はありません。すべては国家予算から支払いをされるのです。
そして教育。
ニュージーランドでは6歳から小学校が始まりますが15歳までは義務教育。この期間にかかる教育費用はすべて国が負担します。
細かい費用は別途発生しますが、基本的に教育は無料なのです。
また、大学に通う際は、国から奨学金を受けられますし、学生の間は国から生活費を支給されます。学費は就職後に返済する必要がありますが、生活費は返済不要です。
卒業して就職したら、給料の5%を学費として国に返済すればよいだけです。
次に出てくるのは失業保険。
これは社会に出ても仕事がない場合、政府が失業保険を支給しますが、この金額は同世代のフルタイム勤務者の65%程度が保証されています。
そしてこの失業保険は、日本のように3ヶ月や半年間ではなく、最長65歳まで支給が続きます。
もちろん職業訓練などの制度も整っていますから、本人がやる気さえあれば無料で訓練を受けたり、大学で勉強したりできる仕組みがあります。
この考え方は、本人は働く意志があるのに職場を提供出来ないのは政府の問題である、だから仕事が見つかるまで支給するのは政府の義務であるという考え方です。
日本とは随分違いますよね。日本で失業して半年経過したら打ち切り、その後はどうやって食えと言うのでしょうか。このあたり社会構造の違いが大きいです。
また、もう一つの特徴は、この失業保険は一度も就職しなくても支給されると言うことです。
そして老齢年金。
日本では25年払わないとダメだとか社会保険庁がどうのこうのとやってますが、ニュージーランドでは、誰でも一度も掛け金を払わなくても老齢年金を貰えます。
これも支給額は普通のフルタイムの労働者の65~70%です。もちろん死ぬまで貰えます。
最後に、もし亡くなって葬式費用がない場合、これも自治体が負担してくれます。
つまり、生まれる前から死んだ後まですべての社会保障、つまりセーフティネットがしっかりしているのです。最近日本でも北欧の社会システムがニュースで取り上げられますが、あの仕組みとほぼ同一と考えてもらえば良いかと思います。
このような社会保障に対する支出が国家歳出予算の80%を占めているのですから、国民としてもその透明性の高さゆえに批判をすることがないわけです。
では、何故そのような制度を維持することができるのでしょうか?
これが【GST(Good and Service Tax)】と【PAYE(Pay as you earn)】と言う二つの大きな税源で賄われているのです。
【GST】とは一般消費税です。
ほとんどすべての取引に対して、12.5%の一般消費税が課税されます。これだけ聞くと「ずい分高いな」と思うかもしれませんね。
【PAYE】とは日本の所得税に当たり、累進課税制度で基本的には19.5%がPAYEとして課税されます。
これも、それだけを見ると、え?所得税が19.5%か?」と思うかもしれません。
しかし、これらの税金で医療、教育、失業保険、老齢年金など、すべての福祉をカバーしているのですから、実効税率から考えれば、日本よりはるかに安いと言えますね。
ニュージーランドでは税金を支払う時に「高すぎる!」と文句を言う人が少ないのが特徴でしょう。
ニュージーランドでは国家の中心にいる政治家や官僚などが非常に真面目であり税金の必要性と公平性と透明性をしっかり理解していると言うことが税金に対する批判が少ない原因でしょう。
しかし更にその根っこにあるのは、やはり国民自身が自分たちで作っている国家だと言う意識をしっかり持っていることです。
どんな国家も社会の共同体ですから、その中で生きる人を守る為の仕組みを作ります。その為にかかる社会的費用が税金という形で広く国民から徴収されるわけです。
そして社会的弱者を守ったり、将来の国家を明るいものにするために教育に使ったり、直接的には国を守る為の軍隊や毎日の公共事務を行う為の公務員の給料になります。
国民が納得して税金を払える国、良いと思いませんか?
情報配信元 イーストウィンド
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