フィリピンリゾートで日本で一番知名度があるのはセブ島ではないだろうか?フィリピンの観光旅行でも一番多いのはセブ島ツアーではないかな。
中には「セブってどこの国?」という方もいるかも知れませんが、フィリピン全土のちょうど真ん中辺りに位置する南北200キロメートルほどの結構大きな島です。
セブと言っても、人口が集中しているのはセブ市・マンダウエ市を中心とするメトロセブの辺りで、70万人以上、島全体で300万人以上の人口がいるらしい。
フィリピンの人口情報はどのデータもバラバラなので正確に把握できていないようですが、このメトロセブが国内第2位の都市になります。
首都圏メトロマニラの1200万とも1500万とも言われる人口と比べれば、如何にフィリピンの人口が首都圏に固まっているかが分かりますね。
マニラもそうですが、こういう地方都市では特に都心部から少し離れただけで驚くような原住民生活を目の当たりにします。まあ、これが本当のフィリピンスタイルだと認識する瞬間でもあるのですが…。
実は今回のセブ視察には、大きな目的があったのです。
それは、今持っているセブの投資案件が果たしてどれくらい当たるのかを現地で調べることでした。
さあ、どんな結果になるのでしょうか。
豪華なコンドミニアムばかりが投資案件で紹介される情報では分からないところが見えてきましたよ。
急速に発展する経済
さて、このセブの最近の発展は目覚しいものがあるようです。元々経済特区を利用して外国企業を誘致している政策もあり、日本企業も多く進出しているので割りと日本人が多いです。
マニラでも日本食レストランの多さは目に付きますが、やはり圧倒的に韓国料理店、中国料理店が席巻しています。
セブでは、韓国文字も多いながら、かなりの日本食レストランが目に付きました。
セブで最大の日本企業(日本人従業員120人以上、現地社員12000人以上!)でレストランを統括しながら、通訳、事業コンサルタントを行なう会社役員の方とお話したところ、
初めてセブに来てからまだ3年も経たないが、町並み、自動車の質と量、物価、現地の生活水準と何から何までグレードが上がった
と言われていました。
確かにセブシティー側に入ると、交通渋滞や道路環境がマニラとそっくりで、第3の都市ダバオシティーと比べても、かなりグチャグチャした落ち着かない印象がありました。
走っている車はマニラと同じく日本車や高級車も多く走っていて、税金の関係で日本の倍以上するフィリピンの車体価格に、セブまでの運送費がかなり上乗せされることを考えると、島民というレベルを超えた生活になってきているのかなあと感じました。
ロングステイ先にセブを選ぶ日本人は多いが・・・
今回はパートナーの紹介で、セブで日本関連雑貨を大きく扱う事業家のAさんとお話しする機会がありました。
Aさんは、以前はホテルマンだったそうで、マンダウエ市内の飲食店街で有名なフォーチュナ通りに日本人カラオケパブも経営しておられました。
まあ、その店内を見てびっくり!広さ、雰囲気、スタッフのサービスなど、マニラでもなかなか味わえないグレードの高さ。女性スタッフも45名と驚きの数!
飲み代はマニラより高いくらい。でも、お客さんはダントツでこの店に訪れるとか。普通ならここまで繁盛しているなら2号店のオープンを考えるのかと思いお聞きしたところ、意外な回答が。
いやいや、カラオケの2号店なんて絶対に無理!
今ある他店が2、3件つぶれない限りはセブのマーケットは小さいからね。
自分の首を絞めちゃいますよ。
とあっさり言われてしまいました。
ほう、やはり事業家は見てるポイントがすごいなあと思い、今後セブで何に需要があるのか率直に聞いてみました。
実はセブにロングステイしたい日本人はたくさんいるが、安心して住める場所が少ないんです。
便利のいい場所で、きちんとセキュリティがついて、美味しくて安く日本食が食べれて、お風呂にゆっくり浸かってリラックスできる施設って案外ないんですよね。
日本人はどうしても美味しい和食を探してしまうから、うまい和食だけでもビッグビジネスになるんですよ。
なるほどなあ、これだけ多くの看板を見るセブシティーにも、そんなにうまい店がないのかあ。
前述の会社役員の方はコックでもあるので、その辺りを聞いてみると、やはりまあまあ食える店はほんの数件だとか。
そして理由を聞いてみると面白いことが分かる。
日本食レストランと言っても日本人が全てやれる訳じゃない。多くはフィリピン人が実質回しているのだが、材料原価を弾いて価格を決め、利益と経費を計算できる料理人がいない。
どこも、あの店がこのメニューをいくらで出しているからうちもこれくらいでやろうというドンブリ勘定しか出来ないんです。
味で勝負するところがないから、値段の割りにまずく経営が行き詰って来るんですよ。
なるほど、味に対する注文は日本人ほどうるさい客はいませんしね。日本食レストランの看板だけで商売しても日本人には通用しないということですね。
セブの注目度の高い場所は
そこで、この会社役員や事業家A氏に、どの場所で飲食店や住宅関連事業をやるとウケるのかを聞いてみると、
それはレストラン通りと言われるこのフォーチュナ通りが一番注目度がある。
ロングステイする方たちはある程度の年齢だから、あちこち動き回るのは好みません。住む場所で美味しい和食がすぐに食べられて、買物するにも便利なところ。
フォーチュナ通りにはSMモールが入る大型ショッピングセンターがついこの前オープンしたんですよ。今後益々注目される場所になると思います。
ホテルに置いていたフリーペーパーのセブポットにも大きく宣伝が出ていた、11月11日オープンしたJ-CENTRE
現地を見れば一目瞭然!マクタン島に住める日本人は少ないと思う
最終日、飛行機の時間まで少し時間があったので、突然の思いつきでタクシーを貸し切ってロングステイの施設を見てみようと考えました。
早速、ホテル前で客待ちしているドライバーを捕まえて、「3時間1000ペソ!」で交渉。どうせ空港に行くにも何百ペソかかかるしちょうど言いと思いゴリ押しして、どうにか1200ペソでOKに。
チェックアウトを速攻で済ませ、空港のあるマクタン島とセブシティーにある長期滞在ができるアパートやホテルをフリーペーパーから探し出し回ってみました。
マクタン島側には、日本人経営のロングステイ用施設が結構あり、設備もそろって安く滞在できるところが結構あることが分かりました。
トーストとコーヒー、目玉焼き程度の朝食が付いているところもありましたが、ほとんど食事は自分で用意しなければならないようです。
しかし、共通しているのはなんとも不便!車がないと何もできないし、多分夜は怖くて外に出れないです…。どうやって買物や食事をしてるんだろう。
聞いてみると、有料で車を頼むかタクシーだとか。これは毎日大変ですね。
どこも概ね25平米(12~15畳)程度。一人ならいいが二人では少し窮屈だ。
部屋の設備はビジネスホテルの部屋と思っていただければいい。ケーブルテレビ、wifiは完備されているところが多いが、多分夜は薄暗い部屋になると思う。
ここはキッチンがある。しかし設備は有料貸出。回りには何もないので自炊するしかないのだが…。
このようにキッチンが全くないワンルーム型の施設が多い。ここも回りに何もないのでどうやって食べていくのだろうか。
マクタンの施設の周りは大体このような無舗装道路が多い。もろジャングルにいる感じ。当然夜は照明などないし、繁華街などは全くない。
大きな通りになると舗装しているが、やはり買物は車でモールに行くしかない。マニラと違い結構走るのでタクシー代は予想以上に払うこととなる。
マクタンの知られざるリスク
現地で聞いて驚いたのは、このマクタンは海抜0メートル地帯。地震による津波があれば一溜まりもないと言うのです。
確かにシティー側から橋を渡るとマクタン側は大きく下りになっていて、沿岸道路は海面が非常に近いのです。
空港も海面と差のない地形ですので、あの仙台空港の水没するイメージがどうしても浮かんでしまいました。
フィリピンは毎週どこかで地震が起きている地殻プレートのある国です。このような情報はロングステイする際には知っておきたいですね。
最近マクタンの沿岸部にリゾート物件が出ていますが、恐ろしくて買う気にはなれないと言っていましたよ。
シティーならと期待したが・・・
セブシティーの方は、多くがホテル形式で長期滞在も可能になっています。値段もワンルーム型なら1500ペソ以内でかなり綺麗な部屋で滞在できます。
しかしこちらもシティーでありながら歩いて買物できるようなところはありません。車で15分くらいは走らないとショッピングできるところがないくらいの立地場所です。
ホテルスタッフはデリバリーをしてあげるから大丈夫と言いますが、タダで頼めませんし第一フィリピン人に物を頼むリスクの方が大きいと思う…。一般従業員は幼稚園児並ですから…。
マニラに住む情報をブログで紹介していますが、やはり日本人が海外生活する際のポイントは、生活必需品を気軽に調達できる立地が大変重要になってきます。
いくら安い滞在費とは言え、毎日タクシーに乗る生活では年金生活では賄えなくなるではありませんか。一体何のための安くて充実した海外生活なのか分かりませんね。
そしてシティー側はどこも食事は付いていませんので、レストランで食べるしかありません。ホテルタイプが多いのでキッチンが充実していないところが多いのです。キッチンが揃ったところはそれなりに高くなりますし…。
シティー側の長期滞在ホテル。マクタンに比べて綺麗で明るいところが多い。設備はビジネスホテル並み。wifiは付いているところが多い。
ここはペントハウスで2BRになっておりキッチンも完備。でもホテル並みの値段だ。
それならコンドを買うか
便利の良いところでそれなりの環境を手に入れるなら、やはりコンドミニアムが一番。ということでフィリピン国内でネット情報を拾ってみるとビックリ!何と、マニラの価格と同額以上するではありませんか?
有名大手のデベロッパーがここぞと進出しているようですが、1平米当たり10万ペソ前後(約20万円)が相場。これはマニラと全く同じ水準です。
私はこの状況を見た時点でセブのコンドミニアムなんて割高で買えないと思ってしまったのですが…。
マニラでもこの水準の価格では既に上がり過ぎている感があり、余程立地と付加価値を考えないと日本より高い買物になると思っているんです。
こんなド田舎のセブで都心のマニラと同等価格というのは明らかに外国人向け価格になっていると言うことでしょう。
私はこの時A氏が言っていた、「安心して住める場所が少ない」という意味が分かりました。
安く滞在できるところは恐ろしい田舎にあり、シティー側はリタイヤ組みにはあまりにも過酷。そしてコンドミニアムは老後資金を食い潰してしまう高額なものとなっています。
今持っている案件の勝算を確信!
短い時間でしたが、有益な情報収集ができたセブ視察でした。
この視察で分かったことは、やはり日本人投資家は目先の綺麗な装飾で投資案件を間違えているのではないかということです。
日本人のリゾート=海辺のリッチな豪邸
これは成功した人が持つスタイルであり、そこに投資価値があるのではないと思います。
特にフィリピンは、高級品は日本以上に高額な国。なぜなら世界一見栄っ張りな国民性が、少し金があるとそのプライドでお金をドンドンはたく訳です。
既に賢くなった日本人とは、まだまだお金に対する感覚が大違いなのです。
セブで日本人に需要のあること
●美味しい日本食が気軽に食べられること
●買物の便が良く安全なところにお手ごろに住めること
●やはり日本人はお風呂が一番
●日本人スタッフが近くにいること
他にもたくさんあると思いますが、この重要なポイントが今持っている案件には完璧に備わっていることが確信できました。
今後どのような形で計画するか頭を悩ませているところですが、これだけ勝算があれば投資家に提案しなくても銀行をつけて自力でできるのではないかとも考えています。
マンダウエ・フォーチュナ通り沿いに建つホテルに泊まってみた。ここからセブの物件まで歩いて5分!SPAを別棟に備えwifiも完備。大変キレイで快適なこのホテル、30平米以上あって一泊2200ペソ。
ホテルの部屋からフォーチュナ通りを見ると、今度オープンしたモールが見えた。徒歩で10分もかからない。このホテルとモールの中間に我々の物件がある。
物件からモールまでは徒歩でほんの5分程度と買物の便の良さが分かるだろう。
因みにこのホテルは、マクタンのリゾートホテル。シャングリラのような豪華さはないが、スタッフの教育はすばらしく、十分ゆっくりくつろげる。プールも大きく2箇所あり、レストランも安くて美味い。
部屋の広さは50平米以上あるセミスイート、朝食ビュッフェ付で4000ペソで泊まれた。
コンドミニアムでこのレベルの部屋を買えば、設備を入れると1000万ペソ以上になってしまう。そんな物件を購入して一体いくらで貸せば賃貸利回りが出るのか考えてみるといい。
上で紹介したシティー側のホテルは2200ペソ。週末は1600ペソのキャンペーンなどもやっている。
まだ、コンドミニアムへの投資価値があるだろうか?
お金があって豪華さを追求する方は、フィリピンでなくてもアメリカやカナダ、オーストラリア、ハワイなどが良いと思います。
ここフィリピンが「楽園」と思える方は、この温暖な気候と楽天的でフレンドリーな国民性に触れ、豊かな自然とたくさんの観光スポットに囲まれながら、真の豊かなゆとり生活を求める方だと思いますので。