第17回で紹介した「地蔵菩薩立像(六寸)」に次ぐ第二弾は、「白衣観音立像(六寸)」の制作でした。2016年五月に拝刀
を開始し、同年十二月に拝刀を完了しました。「地蔵菩薩立像」の制作が約九か月、「白衣観音立像」は約八か月かかりました。
およそ、一年に一作品ということになります。
「立像」は「りゅうぞう」と読み、「白衣」は「びゃくえ」と読みます。
さて、「地蔵菩薩」は「大地のように広大な慈悲で、生あるもの全てを救うという」菩薩で、釈迦(しゃか)入滅後、弥勒(みろ
く)菩薩が如来(にょらい)として現れるまでの無仏の間、一切の衆生を救済するとされますが、俗信では、小児の成長を守り、
もし夭折した時は、その死後を救い取ると信じられ、尊崇されています。「水子地蔵」がその典型例です。
「白衣観音」は、三十三観音の一人に数えられる観音菩薩で、「大白衣観音、白衣観自在母、白処、白衣母、白衣明妃」とも称さ
れ、阿弥陀如来の妻であり、観音菩薩の母といわれている菩薩です。語源の「白い衣をまとう」という意味から「白衣観音」と名
付けられました。「息災除病、子受け、安産」などのご利益があります。
「地蔵菩薩立像」と比べ、「白衣観音立像」は衣の襞がやや複雑になり、頭部や髪型にも細かな細工が施されますが、手はまだ少
ししか出ていません。手を全て彫り出すには、体との釣り合いや指の表現などを考えねばならず、なかなかに難しいのです。
「白衣観音」が手に持っているのは蓮の花の「蕾」で、台座は蓮の花の「花弁」になります。「蓮の花の蕾」は別途制作し、手に
彫った穴に突き刺しています。
〇 白衣着て 衆生守ると 観音菩薩
〇 時流れ 現在(いま)もおわすや 観音菩薩
〇 蓮を手に 白衣なびかせ 立つ菩薩
訪問感謝。ではまた次回に。 合掌
庶民を狩りだしての大仕事でなく、その気持ちで精魂込めてのことです。
人は産まれ乍らに、その姿を持っていると云われます。
仏像は、誰かに見せるのではなく、単に彫ることに意味が隠されていると信じます。
優しい白衣観音像のお姿を見て
もうずっと昔に過ぎ去った一場面を思い出しました。
有難うございます
見事ですねえ。
とかくいらいらと心とげとげになっている自分もお救い頂けるかと拝みました。
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記事の内容 勉強になります。
ステキですね~。
フォローありがとうございます。
ご自分で仏像を彫られるなんて…ビックリしました。
観音様は私には特別で、母と弟と3人で西国三十三観音巡りをしたことを直ぐに思い出します。
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