一週間ぶりのご無沙汰です。その間、少し早いですが、11月26日(土)に、亡き 母の四十九日法要(満中陰法要)を行いました。
亡くなったのが10月15日(土)。尽七法要を重ね、早や仕上げの法要です。本当に早いものです。
法要はこの後、百か日法要、一周忌法要、三回忌法要、七回忌法要・・・と続きますが、ともあれ、百か日法要が来年の1月22日
(日)ですので、いったんは気を緩めることが出来ます。
さて、前回は愚作の「白衣(びゃくえ)観音」を紹介しましたが、次の作品を紹介する前に、仏様の中にも階層(位)がありますの
で、少し、仏様の階層(位)について記載したいと思います。
仏様を位順にまとめると以下のようになります。
「如来」は仏の中で最高位になり、【真理に目覚め、悟りを開いた仏】のグループです(「如来」=悟りを開いた者という意味)。
釈迦如来(しゃかにょらい)、阿弥陀如来(あみだにょらい)、大日如来(だいにちにょらい)、薬師如来(やくしにょらい)等が
それです。
【元興寺/奈良県 蔵 木造薬師如来立像 平安時代 国宝】
次に位置するのは「菩薩」。「菩薩」は将来、【「如来」になることが決まっている仏】がなり、【悟りを求め、衆生を救うために
多くの修行を重ねている仏】が「菩薩」ということになります。文殊(もんじゅ)・観音(かんのん)・虚空蔵(こくうぞう)・弥
勒(みろく)・勢至(せいし)・普賢(ふげん)・地蔵(じぞう)などがあります。
「菩薩」とは、元来は「釈迦如来」の修行時代を指していた言葉だったそうで、「菩薩」というと、優しい表情から女性のイメージ
を持つ人が多いと思いますが、基本的には修業時代の「釈迦如来」をモデルに作られており、女性体ではありません。
【東京国立博物館蔵 文殊菩薩立像 鎌倉時代 13世紀】
次は「明王」。「明王」とは「大日如来」の命を奉じ、非常に強い力を持って悪を打ち砕き、仏法を守る仏。火生三昧という炎の世
界に住んでおり、人間界の煩悩や欲望が仏の世界に波及しないよう、聖なる炎で焼き尽くすと言われていて、導きがたい人々を強力
に仏の教えに導いて救済する諸尊を指します。愛染明王・不動明王などがそれです。
仏像では、仏教に帰依しない民衆を畏怖させてでも教えに帰依させんとする気迫や、仮の快楽に心浮かれている民衆達に心を砕く様、
また、仏界を脅かす煩悩や、教えを踏みにじる悪に対する護法の怒り等が表現され、一般的に忿怒(ふんぬ)の相で火炎を背負い、
髪は怒りによって逆立ち、法具や装飾品は極力身に着けず、法衣は片袖を破って動き易くし、武器類を手に持った姿で表現されるこ
とが多い。忿怒の相は単なる怒りを表現したものではなく、人々の仏性を開発し悪を討つ力を示していて、これらのことから、「天
部」に対して区別するため、「明王部」または「忿怒部」といわれることがあります。
【東京国立博物館蔵(内山永久寺旧蔵) 木造愛染明王坐像 鎌倉時代 13世紀 重要文化財】
最後は「天部」。諸天部ともいいます。インド古来の神が「天」と訳されて仏教に取り入れられ、仏様・仏教を様々な形で守護する
護法神となったものです。
「貴顕天部」(温和な貴人の姿で表される)と「武人天部」(甲冑に身を固め、武器を執り忿怒の姿に表される)とがあり、前者に
は梵天王、帝釈天、吉祥天、弁財天、伎芸天、鬼子母神(きしもじん/「訶梨帝母 かりていも」 ともいう)などが属し、後者は毘
沙門天(多聞天)などの四天王や仁王、韋駄天、深沙大将(じんじゃだいしょう)、八部衆、十二神将、二十八部衆など、その種類
は多岐にわたります。
【東寺 講堂/京都府 蔵 帝釈天半跏像 平安時代 国宝】
【興福寺/奈良県 蔵 阿修羅像(八部衆) 奈良時代 国宝】
訪問感謝。最後までお読みいただき、ありがとうございました。なお、今回の写真は全てお借りしたものです。
それではまた次回に! 合掌