今年、10月15日の母の死。これまで私は、娘と父を含め、三人の家族を見送りました。中でも、1990年7月7日に
4歳7か月で亡くなった娘の死は、私にとって人生観を変えてしまうほどの大きな、大きなショックでした。
今年の7月に三十三回忌を済ませましたが、幾ら年月が過ぎようとも、親としての気持ちが癒されることはありません。
暫く、私の趣味である仏像彫刻のお話をブログに載せたいと思っていますが、私をこの趣味に導いたきっかけは、勿論、こ
の娘の死にほかなりません。
娘の弔いのため、いつかは仏像を彫ってやりたい。こんな思いを実現できたのは現役を退いてからでした。
仏像彫刻は平彫りから始まります。写真は阿弥陀如来のお顔ですが、これを彫りながら、彫刻刀の使い方を練習します。
2015年7月拝刀。私の最初の作品になります。
彫刻刀の使い方を覚えたところで、小物の作品に取り組みます。写真の左側から右へと制作が続きますが、大きさは高さ
3寸3分~四寸(10~15cm)ほどです。三体とも、「童(わらべ)地蔵」ですが、仏像彫刻がなぜ地蔵から始まる
のかには理由があります。頭は坊主で、衣の襞も簡単な造りであり、左、二体の例は、手が出ていないので、造作がし易
いからです。一番右は、背中も含め、衣の襞が複雑になることに加え、手を出すのと衣のたもとの削り込みがあり、他の
二体よりは少々高度になります。
〇 ようやっと 出来はともかく 南無阿弥陀仏
〇 吾子の顔 地蔵に似せよと 拝刀す
〇 削り過ぎ 角度が違うと 地蔵尊 童(わらべ)の遊びと お許したもれ
〇 まだ焼けぬ 吾子の描(か)きたる 絵の多き
〇 漬物を 「けつもん」と言いし 我が子かな
ではまた次回に。 合掌
仏像づくり頑張ってください!