今日は、広島79回目の原爆の日
午前8時15分に黙祷
地元中国新聞朝刊に毎年掲載される全面広告
今年は、20年目の「緑の伝言」
Green Greetings
from 159 A-Bombed Trees in Hiroshima
【屋根を突きぬける木が、生きぬく力を伝えています】
山門の屋根を突きぬけるような勢いで
天に向かって枝を伸ばす安楽寺のイチョウ
秋になると境内を黄金色に染めるこの木は
樹齢400年ともいわれています
広島に原爆が投下された1945年8月6日
15歳だった前住職の登世岡浩治さんは、学徒動員先の工場内で被爆しました
家族の待つ寺まで必死に帰ってきたものの、
あたりは見渡すかぎりの焼け野原
その中にぽつんと一本、白い煙を上げたイチョウが立っていました
緑色に茂っていた葉は一枚もなく、枝は折れながらも、爆風で柱だけになった本堂を火の手から守ってくれたのです
そして翌年
折れた枝から新しい芽がびゅんびゅん出ているのを見て、「木の再生力はすごい」と勇気づけられた登世岡さん
この木には、被爆して6日後に息を引き取った弟と、落葉の上をころげまわって遊んだ思い出も刻まれていました
1990年
イチョウのそばに新しい山門を建てることになったとき、「木は伐らずに守りぬく」と決めて
屋根に穴を開ける設計にしました
今では、山門と一体となって訪れる人を出迎え、地中にどっしりと張った根は参道の先にある
京橋川まで達しています
79年前の夏
たくさんの人が水を求めて飛び込んだ川から、いのちをつなぐための水を吸い上げているのです
何があっても生きぬくことで、イチョウはあの日を伝えつづけています。
今日も元気に朝を迎えられたこと
冷たいお茶を飲んで喉を潤せたこと
何気ない毎日を過ごせる日々が
どうかどうか続きますように
今 生きている人達が
これから大人になる子供達が
平和を願う人々の想いが
どうかどうか届きますように