時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

ガンバレ! 下関国際高等学校

2022年08月21日 | スポーツ観戦

多摩爺の「スポーツ観戦(その34)」
ガンバレ! 下関国際高等学校

「野球留学生ばかり集めて甲子園に行き、それで勝って・・・ なにが嬉しいのか?」
そんな、皮肉を言う人たちが居るようだ。

そんな人たちに・・・ 即効でお応えしたい。
「野暮なことを言うなよ。」
「他府県からやってきた子供たちの、どこが良くなくて、なにが問題になるのか?」
「ジャイアントキリングと言われようが、なんと言われようが、
 優勝候補に勝ったんだから、嬉しいに決まってるだろ。」と、躊躇なく、そうお応えしたい。

下関出身の私が、高校生のころの下高または電子(当時はそう呼ばれていた。)は、
殺虫剤のような例えで、大変申し訳ないが・・・ 野球ではイチコロだった。
勝つことが珍しいどころか、対戦相手が泣いて喜ぶぐらい、
コールド負けが、当たり前のような学校だった。

下関電子工業高校から始まり、下関高校に校名を変更して、いまは下関国際高校になっている。
正直なことを言えば・・・ 下関国際が初めて甲子園に出場したとき、
「えっ、そんな学校あったの?」なんて、思ったぐらいだった。

そんな下関国際が、最近メキメキと力をつけ、
昨秋の明治神宮大会を制し、今春の選抜大会も制した、全国大会を二連覇中の大阪桐蔭を、
よもやの逆転で破ったんだから・・・ そりゃ、ぶったまげるだろう。

大阪桐蔭に勝った数分後には・・・ 私は同校のOBでもないのに、
しばらく連絡がなかった友人から「おめでとう。」のLINEが入ってくるんだから、
下関市内の興奮は・・・ 推して知るべしだではなかろうか。

そして迎えた準決勝、選抜大会で準優勝の近江が立ちはだかったが、
立ち上がりに先制すると、3回には不運な当りもあって同点とされたものの、
ピンチを凌ぎながら迎えた6回にタイムリー2塁打でリードを奪うと、7回には犠牲フライ、
8回には連続スクイズを鮮やかに決め、ドラフト候補と評判の好投手を攻略して快勝

気がつけば・・・ 深紅の優勝旗に手が届くところに来てるんだから、
いったい、どうなってしまったのだろうか?

確かにメンバーを見れば、
大阪、兵庫、広島、福岡から、下関国際を選んでやってきた選手たちである。
とはいえ、見方を変えれば・・・ その選手たちは、
関西圏の強豪校から、誘いの声を掛けてもらえなかった選手たちでもある。

そんな子たちが、関西圏の強豪校を相手に、
ジャイアントキリングを立て続けにやったんだから、これほど痛快なことはないし、
「よく頑張った。」以外に、かける言葉があるだろうか?

心ない人からは「先月亡くなった、地元出身の元総理の怨念だ。」なんて声もあるようだが、
なんでもかんでも政治に結びつけて、なにが面白いのだろうか?
亡くなった元総理は、きっと空の上から、目を細めて応援していると思うが、
若者たちが流す、尊い汗と涙を前に「バカなことを言うもんじゃない。」と笑い飛ばしてやりたい。

既に知られてることなので、あえて隠す必要はないが、
偏差値的には、けっして高くはないし、生徒数だって多くはない。
さらにブラスバンドも、チアも・・・ 自前で賄えず、友情応援だから、ちょっと頼りない。

でも、それがどうしたと言うんだ。
なんだかんだと、イチャモンを付けたい人は・・・ いつでも、どこにでもいる。

野球部の活躍に、応援の態勢がついて行けてないなんて、驚きと言えば驚きだが、
それもまた、下関国際らしいし、
それがまた、歴史に刻まれると思えば、愉快な記憶として面白すぎるんじゃなかろうか?

明日は福島県代表の聖光学院を破った、宮城県代表の仙台育英高校と、
深紅の優勝旗を賭けて・・・ 夏のテッペンを目指して戦うことになった。

相手にとって不足はないどころか、相手は甲子園の常連であり、
常に上位まで勝ち進むレベルの強豪校である。

もし、聖光学院が対戦相手だったら・・・ 「令和の戊辰戦争」だなんて、
面白おかしく、揶揄されてたかもしれないので、
聖光学院には大変申し訳ないが、
個人的には、仙台育英の胸を借りる方が・・・ 少しだけ楽に見ていられる。

さぁ・・・ 決勝戦
泣いても笑っても、あと一試合だ。

下関市出身の一人として、
東京から、血管が切れない程度に、目一杯の応援を送らせてもらいたい。

夏のテッペンを目指して、
ガンバレ! 下関国際高等学校


追伸(8月22日)

今年の「夏の甲子園」は・・・ 仙台育英高校が優勝しました。
下関国際高校は、中盤まで大接戦を演じましたが、
5回表裏の攻防で明暗が分かれ・・・ 惜しくも準優勝でした。

 第104回 全国高等学校野球選手権大会 阪神甲子園球場
 決勝戦  仙台育英(宮城) 8-1 下関国際(山口)

優勝と準優勝では、全く違うという人がいる。
とはいえ・・・ ときに勝ち負けなんて、どうでも良いと思うような試合がある。
それが高校野球であり、この決勝戦なんだと思った。

たくさんの感動を・・・ ありがとう!
そして、お疲れさまでした。
ハラハラドキドキだったが、本当に良い試合をたくさん見せてもらいました。

また来年、山口県勢の大活躍に期待したいと思います。

 

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第104回 全国高等学校野球選手権大会 阪神甲子園球場

準々決勝
下関国際(山口)001 011 002= 5
大阪桐蔭(大阪)200 011 000= 4

1対2で迎えた6回表に同点とするが、その裏に1点取られて再びリードを許すが、
1点ビハインドで迎えた9回に4番バッターの2タイムリーが出て、鮮やかに試合をひっくり返した。

準決勝
下関国際(山口)101 002 130= 8
近江  (滋賀)002 000 000= 2

2対2で迎えた6回、2点タイムリーで勝つ越すと、7回には犠牲フライで追加点を奪うと、
8回には連続スクイズなどで3点を挙げて突き放した。

 

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