時のつれづれ(北多摩の爺さん)

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3.8兆円の無駄をどう捉える?

2025年02月17日 | 時のつれづれ・如月 

多摩爺の「時のつれづれ(如月の51)」
3.8兆円の無駄をどう捉える?(山場を迎えた2025年度予算)

野党第一党が三日間かけて行った省庁別審査で・・・ 3.8兆円の無駄が出てきたとして、
これを財源に、公立小中学校学校給食の無償化や、ガソリンなどの暫定税率の廃止、
さらには、高額療養費制度の自己負担上限額の引き上げ凍結など、予算の組み替えるよう求めてきた。

政権交代を掲げる野党第一党は、責任政党として財源を提示するため、
埋蔵金があるといって各省庁を厳しく詰問した、平成の事業仕分けほど乱暴ではなかったが、
令和の省庁別審査では・・・ たった三日で審査で3.8兆円も捻出したんだから、
「やればできるじゃないか。」と思ったが・・・ よくよく見てみればそうでもなかった。

そもそも3.8兆円という大金の大半は・・・ 予備費の削減と、積み立て基金の取り崩しであって、
継続性のある予算から無駄を見つけたものではないので、
今年度の予算には使えるものの・・・ 来年度は、またどこかから新たな無駄を探して充当するか、
恒久財源として予算化するか、今年度限りの措置とするかの三択になると思われる


取りあえず、見直し財源を見つけたのは、お手柄なのかもしれないが、
予備費を削ると、なにかしらの大きな災害や疫病など、のっぴきならない事態が起こったときは、
財源(予備費)が足りなくなり、迅速に思い切った対策ができなくなる可能性もあるだろう。

そういった事態が起こったときは、心配しないでも、
早急に補正予算を組むので、急場は凌げると云うことなのかもしれないが、
それで良いなら・・・ 最初から予備費など計画せず、
そっくりそのまま新規国債の借入れを減らし、財政再建に回すのが筋というものである。

そもそも予備費というものは、保険のようなもので、
余ってから初めて無駄だったと分かるが、
余る予定で計画するものではないと思うが・・・ 間違っているだろうか?

そういった視点で捉えれば、 
百歩譲って、使途が目的化されている積立金の取り崩しは・・・ 有りだとしても、
予備費を減額するのは、危機管理意識が欠如しているとしか思えない。

ガソリンなどの暫定税率の廃止に至っては・・・ 歳入の減であって、
歳出計画に補助金が見込まれているのなら、それを削減することも可能だが、
味噌もクソも一緒と言ったら品がないが、
話題性のある政策を掲げ、なんでもかんでも3.8兆円で括るのは違うんじゃなかろうか?

学校給食の無償化についても・・・ 本来は恒久財源でなくちゃならないのに、
当該年度限りになるかもしれない3.8兆円の財源から充当するのは、如何なものかと思うし、
いざとなったら、政権交代すればなんとかなるから、我々に任せてくれと云うのだったら、
カラ手形を切っているに等しく・・・ 無責任の誹りは免れないだろう。

また、高額療養費制度の自己負担上限額の引き上げ凍結については、当然であって大賛成ではあるが、
現役世代が負担する社会保険料の軽減とトレードオフだから、
それをどうするのかについても、併せて提案しないと、
面倒な議論を先送りしたに等しいと思うが・・・ 如何なものだろうか?

さらに、この国に3ヶ月以上滞在する外国人や、その扶養家族も、
高額療養費制度の対象者となることを踏まえると・・・ 差別するつもりはないものの、
日本人が、日本で高度な医療を受けるために負担している社会保険料なんだから、
外国人対応については、厳格な適用範囲となるよう、制度設計を見直しても良いと思っている。

この国は、どこかの国のように自国第一主義の国ではないが、
財源が厳しい状況にあることを踏まえれば、適用範囲を見直すことは認めざる得ないだろう。

なんだか、イチャモンばかりつけてしまったが、
予算に無駄があれば、削減するか、必要な政策に組み換えるのは当たり前のど真ん中であり、
それについての異論はないし、どんどんやるべきだと思っているし、
省庁別審査を否定しているわけでもないので、そこんとこは誤解のないように願いたい。

ただ思うに今回の省庁別審査は、15~6年前に見せつけられた、
埋蔵金騒動の事業仕分けと比べれば・・・ 熱量が足りず、やっつけ仕事感もあって、
でてきた無駄が3.8兆円とはいえ、予備費の削減と積立金の取り崩しだから、
これをもって「どうだ。」と胸を張るのは・・・ どう見たって自画自賛にしか見えない。

暮れには同党の多くの議員さんが、食料品の消費税をゼロにすると鼻息が荒かったが、
その話しは、いったいどこに行ってしまったのだろうか?
政権交代するために方向転換するなら、そのことも併せて説明していただかないと、
言うだけ番長というか、狼少年のレッテルを貼られてしまうだろう。

然は然り乍ら(さはさりながら)・・・ 久々に国会審議に緊張感があるように見える。
それが当たり前と言えば、たしかにその通りだが、
今国会での野党は・・・ ホントによく頑張っていると思っている。

なかでも野党第一党のトップは、原資を提示して予算の組み替えを要求したことに、
相当の自信を持っているようで・・・ 本気で政権を取りに行くと大見得を切ったが、
ついこないだまでは、国民生活のことよりも、政治とカネの方を優先し拘り続けたんだから、
見得を切る前に、まず反省することの方が先だろう。

いずれにしても2025年度予算は、今週中が山場になるらしい。
いまだに落としどころが見えてないが、
国民生活にとって良い予算になることに期待したいし、そうなるよう願ってやまない。

最後に・・・ 毎度毎度で恐縮だが、
本文はあくまでも、個人的な思いを綴ったものであり、
コメントを頂戴しても議論するつもりはないので、申し訳ないが了知願いたい。


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