多摩爺の「時のつれづれ(如月の5)」
蜃気楼は消える。
本人からしてみたら、軽いジョークか、リップサービスのつもりだったんだろうが、
どうしてこんなにと・・・ 思うぐらい、
人々を不愉快にさせてしまう、気遣いと心配りができない人生の先輩がいた。
その人物は蜃気楼(本名を訓読みから音読みにすると→しんきろう)の異名とともに、
舌禍の引き出しを数多く持ち、
ほとぼりが冷めたころを見計らって、引き出しを開けてしまう
なんとも悪い癖を持った老人でもあった。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会で、会長職を務めている癖の悪い老人は、
あろうことか・・・ JOC評議員会という公の場で、
女性を蔑視するような発言をしたもんだから、その情報は、あっという間に国の内外を駆け巡り、
人生経験豊かな老人でも、経験したことがないぐらいの激震となって跳ね返ってきた。
翌日、あわてて釈明の記者会見を開いたが・・・ これがまた体裁を整えただけで、
開き直った発言に終始したことから、火に油を注ぐ状態となり大炎上、
もはや収拾がつかない状態に、陥ってしまっている。
早速、国会では野党各党から、総理に向けて「辞めさせるべきではないか?」との要求がでている。
危機管理のために、総理に強い権限を持たせることには大反対の野党が、
民間組織の人事に介入しろと言ってるんだから、ご都合主義もここまで来ると、笑ってしまうが、
責任を取り、お辞めいただかねばならないぐらいの、
酷い発言だったことについては、全く持って異論はない。
総理が野党のそういった声に便乗して、うかつにも「辞めるべきだ。」なんてことを言ってしまうと、
こんどはスポーツに政治が介入したことになってしまい、これはこれで大問題ではなってしまうので、
政府のコメントは、いまのところ間違ってはいない。
なんとも迷惑な老人だが、この国は民主主義だから、この老人のような考えを持ってる人が、
残念ながら、一定数の割合でいたとしても・・・ 力ずくで黙らせることはできない。
そもそも、この老人の放言は、居酒屋で飲んでる酔っぱらいが、愚痴を言い合う程度の話であって、
どうしても書き物にして残したいとしても、便所の落書き程度の極めて低レベルな内容でしかなく、
それが分かっていれば、役職にある者が、
その肩書で喋る公の場で、発するようながことがあってはならず、
平たく言えば、頭が悪いということになってしまい、それ以上でも、それ以下でもない。
後になって、いくらジョークだったと弁明しても、
その言葉を撤回したしても・・・ あってはならない放言であり、
それなりの責任(辞任)は、問われて然るべきだろう。
冷静に考えてみれば・・・ ご自身が事態の状況を鑑み、自ら辞任を申し出るか、
それともJOCの評議員のなかから解任を求める動議が出され、採決によって解任される以外に、
辞めさせることはできないようだ。
昨日、ワイドショーにでていたあるスポーツライターは、老人本人から聞いた話として、
会見当日、家を出る時は(会長職)を辞めるつもりだったらしいが、
会見の前に、組織委員会の中心メンバーから慰留され・・・ 翻意したと話していた。
「えっ、本当かよ?」と、一瞬だけ我が耳を疑ったが、
もし、この話が本当だったら・・・ ガバナンスそのものが、
全く機能してない組織だと暴露したことに等しい。
その極めつけは・・・ JOC会長のコメントだった。
「本人が謝罪されて、撤回されております。」
「いろんな意見があることは分かっているが、最後まで職務を全うしていただきたい。」と
発言している。
これって・・・ 「慰留したのは私です。」と、ハッキリ言ってはないものの、
スポーツライターのコメントを暗に裏付けているではないか。
これは恥ずかしいし、ガッカリではなかろうか?
潔いはずのスポーツが、顛末を曖昧にしたまま・・・ 臭い物に蓋をして、
事態を収拾しようとしており、
オリンピックのゴールドメダリストであり、穏やかな顔つきで、信頼が厚かった会長がこれでは、
やっぱり・・・ この組織は、ガバナンスが機能していないと云わざる得ない。
コロナ禍のなか、国の内外に目を向けたとき、オリンピックなんて出来るわけがないという人が多い。
そういった風潮が主流となってきつつあるが、
だからこそ・・・ 明るい話題がほしいと思う人も一定数はいる。
個人的には、無観客で良いと思うし、
各国の選手団とともに自国選手をケアする医師団の同行があれば、
オリンピックは可能だと思っているが、JOCの会長がこんな悠長なことを言ってたら、
大変申し訳ないが、世界の視線(批判の矛先)は、迷惑な老人からJOC会長に向き兼ねないだろう。
JOC会長には、是非とも目を覚ましてほしいし、
現実は甘くないことを、しっかり見極めてほしい。
生意気な物言いで申し訳ないが、トップが正面から向き合うことないまま、
情けない対応だけは取ってほしくないのだ。
世界のどこかの国や地域で・・・ だれか一人でも、この放言を理由にして、
東京オリンピック・パラリンピックへの参加拒否を表明したら、
その情報は、直ちに世界中を駆け巡り、
それこそ面白おかしく叩かれ、にっちもさっちも行かなくなってしまうだろう。
場合によっては、昨年5月、アメリカから始まり世界へ伝播した
「ブラック・ライヴズ・マター」運動の再来だってあるかもしれない。
世界はいま、ワクチン接種で混乱しており、そういった運動に展開する可能性は低いとは思うものの、
人の思いなんて、気まぐれだから・・・ そうなってからでは、手の施しようがなくなってしまう。
国内の騒動は、いずれ落ち着くだろうが、
キチンと決着をつけないまま、ほったらかしで凌ごうとすると、
とんでもない方向から矢を放たれ、鉄砲を撃たれる可能性がないとは・・・ 言い切れない。
いま、国の内外で・・・ 放言癖のある老人の進退に注目が集まっている。
老人の首に鈴をつけるのは、JOCという組織のガバナンスであり、
そのトップに立つJOC会長でなければ、
この組織は自浄能力がないとみなされ、一気に信頼を失い、形式的な組織になってしまうだろう。
表舞台に立つ人だけが、オリンピック・パラリンピックを推進してるのではない。
陰にいる人たちがいて、オリンピック・パラリンピックが成立するのである。
今夏・・・ オリンピック・パラリンピックが無事に開催されたとして、
放言癖のある老人の、これ見よがしの姿をテレビで見て、
感動の拍手を送る人々が・・・ どれくらいいるのだろうか?
その場面を、想像してみてほしい。
蜃気楼と呼ばれる老人に加え、JOC幹部と、国民との意識の差が、看過し難いぐらいズレている。
自然現象と同様に、本番に蜃気楼は・・・ 不要であり、早く消えるべきだろう。
それが、蜃気楼というものだと思うがどうだろうか?
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