多摩爺の「時のつれづれ(神無月の11)」
真相は闇だが手打ちしたかも?
日本学術会議の会員任命拒否について、
任命権者である総理と、会議のトップである会長が先週末に会談した。
会談後、インタビューを受けた会長は、任命拒否については重要なこととしつつも、
口ごもり明快に述べたわけじゃないが、主要な目的でなかったと想定できるよう、
こういった機会なので、学術会議のあり方などについて意見交換をさせていただいたと応じた。
これを受けて、ある報道番組を仕切るアナウンサーは「拍子抜け」だと伝え、
元官僚トップは「腰砕け」だと云った。
当事者のトップが、要望書を携えて会談したにも拘わらず、
総理に任命拒否の説明すら求めなかったのだから、期待を裏切られた感が沸点に達し、
腹に据えかねていた気持ちが、正直な言葉になって、口から出てしまったのだろう。
だれがどう思おうと、それは人それぞれだから・・・ それについては、なんら問題はないが、
公共の電波を使って、他人の心のなかに手を突っ込み、
自らの思いに誘引し、多数派を形成しようとすることは、メディアに任された仕事なんだろうか?
視点を変えれば・・・ メディアというものは、
人心を操るソフトな武器になることを忘れてはならない。
自由という言葉を、都合よく解釈し、都合よく活用し、都合よく押し付けてないだろうか?
メディアの仕事は、情報を正しく伝え、
見ていた人たちが自ら考え、自らの意思で答えを導き出す手助けをすることだ。
にも拘わらず、自分たちの考えや、思いと違う結果がもたらされたら、
ノーベル賞の受賞者であっても、彼らは敬意を払うことなく、手のひらを返し、容赦なく叩きまくる。
メディアの姿勢として、なにか違うような気がするが・・・ どうだろう?
会談した時間は・・・ わずか15分だったという。
今回の6名の任命拒否について、
果たして本当に話すことはなかったの(聞きもせず、答えもせず)だろうか?
私は、首相からなんらかの説明があったと思うし、会長はその説明に納得したと思っている。
この話題を長引かせたとしても、学術会議サイドにはデメリットこそあれ、
メリットはないと判断されたのだと思う。
これだけ話題になった問題について、トップ会談までしてなにもなかったことはあり得ない
いわゆる・・・ オフレコであり、秘中の秘である。
メディアが、どうしてもその内容を知りたいと思うのは、当然なことだと思うが、
オフレコが漏れては拙く、メディアでメシ食ってる人なら、それぐらいは分かっているはずだ。
だから彼らは、いつも想像の範疇で、興味をそそる部分を付け加えた記事を書いて、
金儲けを企むが、法律に抵触しない限りは、
それもまた言論の自由であって、止めることはできないのだ。
そう捉えれば・・・ この二人(総理と会長)は、
誘拐されて催眠術にでもかからない限り、真相は闇の中にあり、
話した内容は、墓場まで持って行くだろう。
それが、守秘義務を守るということであり、信頼関係があるということではなかろうか?
官僚の社会において・・・ 守秘義務案件を漏らしてしまうと、組織が成り立たなくなってしまう。
それが良いか、悪いかは別にして、それを守ることが統治機構の掟である。
にも拘わらず、人事案件の裏話を、恥ずかしげもなく平気で喋る、元官僚トップがいた。
また、ついこの前には、10年前に尖閣諸島沖で起こった、
中国漁船が海上自衛隊の巡視船にの衝突した事件について、
当時の総理が、一旦逮捕した漁船の船長を釈放しろ命令したことについて、
当時の大臣が暴露したこともあった。
スキャンダルにもなりかねない重要案件とはいえ、守秘義務をペラペラ喋る人たちが云うことを、
そっくりそのまま、信用することができるだろうか?
仮に、それが真実であったとしても、
こういった口が軽い方々に、この国の政治を任せるわけにいかない。
念押ししておくが、それが良いか悪いか、それで良いか悪いかは、あくまでも別の問題である。
おそらく、6名が任命拒否されたことについては、二人(総理と会長)が話し合った15分で、
お互いが納得し・・・ 手打ちが行われたんだと思っている。
会見に応じた学術会議のトップが、はからずも、この件については、
主要だと思ってないと口走ったことが全てで、
真相は、依然として闇の中とはいえ・・・ この件は、既に決着したと思っている。
月末になって、臨時国会が開かれると、野党はコロナ対策そっちのけで、
この件を追及してくると思われるが、
学術会議サイドが・・・ 本気になってくれるかどうかは、難しいんじゃなかろうか?
さて、どうする?
発足して1ヶ月経った新政権は「スピード感を持って躊躇なく実行する。」を掲げ、
新型コロナ対策はもとより、携帯電話料金、行政の脱ハンコ、不妊治療、選択型夫婦別姓、
マイナンバーの活用などなど、次から次へと新たなメッセージを発信し続けている。
そういった現実を踏まえ、どうしても追及ゲーム(6名の任命拒否)に興じたいと思うのなら、
それはそれで自由だから、いい加減にしろ、なんてことを言う筋合いでもないが、
振り上げた拳を下ろすタイミングだけは・・・ 逸しないようにしてほしいと願ってやまない。
任命拒否が発覚して・・・ 約3週間が経った。
新たな肩書きが叶わなかった学者は6名いたが、学問の自由が侵害されたという話は聞こえてこない。
いろんな意見があって良い。
自分の思いと違うからといって、それを否定するつもりはないし、押し付けるつもりもない。
しかし、現実は・・・ 大山鳴動して鼠一匹ではなかろうか?
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