多摩爺の「時のつれづれ(神無月の51)」
中低所得者への消費税還付
すったもんだあったが、本日の午後、党首討論を経た後、
衆議院が解散され、いよいよ選挙モードに突入することになった。
なに気にネットニースを見ていたら、
野党第一党が今回の総選挙に向けて掲げた・・・ 政策の一つに、
中低所得者に消費税を還付するというものがあり、
興味深かったことから・・・ そのことについて、思いの丈を綴ってみたい。
私のように年金だけで生活している低所得者にとっては、
実にありがたい政策だと思うものの、
ちょっと空想してみただけで、あまりにも突っ込みどころが多すぎて、
果たして実現可能な政策なんだろうかと思うと・・・ 疑問符を付けざる得なくなっている。
まず言葉尻で申し訳ないが、納税しているのは事業者であって、消費者ではないので、
納税義務のない消費者に還付するという考え方は・・・ 整合性がとれてないと思われる。
これについては、同党と袂を分かった、野党の代表も同様の指摘をされていた。
然は然り乍ら(さはさりながら)・・・ 言葉尻になってしまうので、深くは突っ込まないが、
野党第一党は、インボイスの廃止についても表明していたことから、
消費税の還付とインボイスの廃止について、その整合性が私にはイマイチ見えてこない。
インボイスを廃止すると、売上高1000万円以下の個人事業主が、本来納めるべきはずの消費税は、
事業主の懐に残ったままなので、還付に充当する原資に活用できなくなるうえに、
インボイス対象の個人事業主は、中低所得者に該当する可能性が高いこともあって、
本来納めるべき消費税を納めることなく、還付金を受けることになるが、それで良いのだろうか?
また、中低所得者の線引きも曖昧で、納得が得られるかどうかが疑わしい。
私のような年金生活者もいるが、本当に収入が少ない方も多いのは理解しているものの、
収入は少なくても、貯蓄や資産などをたくさん持っていて、
生活には困ってない方も、けっこういらっしゃるので・・・ 線引きがホントに悩ましい。
年末調整や確定申告があるので、課税対象の収入は把握できるかもしれないが、
預貯金やタンス預金に加え、子ども名義で貯めた預貯金もあるし、
直ぐにでも現金化が可能な金や宝石まで、当局には把握が困難な資産がたくさん隠れているので、
預貯金の総てをマイナンバーカードに紐付けしても、総て把握することは困難だろう。
また、健康保険証の紐付けに、あれだけ抵抗をしておいて、担当大臣をつるし上げたにも拘らず、
預貯金の総てを、マイナンバーカードに紐付けろと言われたら、いったいどうなるのだろうか?
公正を期すことと、IT化の促進を図るなら、兎にも角にも紐付けすべきだと思うが、
健康保険証の紐付けに抵抗していた野党第一党に、それが出来るとは思えない。
さらに、もう一つ問題があって、こういった還付業務を行う場合には、
自治体が自前で実施するマンパワーが足りないし、ノウハウもないことから、
委託業者の介在が必須であって、それがコスト増になることも忘れてはならないし、
情報漏洩が起こるリスクが増えることも・・・ 否定できないだろう。
ここまで否定的なことを書いてしまったが、
年金生活者の私としては、還付していただけることに反対する理由はないので、
出来るのであれば、その原資と手順を示して、理解を求めていただきたい。
出来ないことを政策に掲げるのは・・・ 詐欺になるので、明解な説明が必要だと思っている。
聞くところによれば軽減税率を廃止(一律10%)し、それを還付の原資にする案もあるようだが、
そこまでして中低所得者に向けて、消費税を還付したいのであれば、
逆に提案したいのは・・・ 法人名義(事業用)を除く、個人名義(一般家庭用)の、
光熱水道料や、ガソリン代、灯油代に、軽減税率を適用したら如何だろうかと申し上げたい。
この夏、列島を襲った猛暑の対策として、政府は事業主に向けて補助金を出し、
電気やガソリンなどの、エネルギーコストの上昇抑制に務めてきたが、
猛暑は通年となりそうだし・・・ 中東情勢がキナ臭く、ガソリン価格が不安定なことからも、
トリガー条項の適用が困難なのであれば、是非とも軽減税率の適用を検討していただきたい。
あくまでも素人の浅知恵になるが・・・ 軽減税率の対象を追加するだけだったら、
その準備の大半は、サービスを提供する法人に任せることができるので、
自治体に無駄な委託費が発生することがなく、
個人情報が漏洩する心配もないと思うが・・・ 如何なものだろうか?
政治家の先生方からしたら、こういった提案は、当然頭の中にあって、
すでに、何度も何度も議論されたと思うが、
そういった話しが、どこからも聞こえてこないことから、
今回の総選挙では・・・ そこんところを、詳しく説明していただければありがたい。
ひょっとしたら、大きな勘違いをしているかもしれないが、
本文はあくまでも、個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解をいただければありがたい。