駅弁 八ヶ岳高原たまごサンド

多摩爺の「こりゃ美味い（その１８）」
駅弁　八ヶ岳高原たまごサンド（ＪＲ小淵沢駅）

駅弁のサンドウィッチを買ったんだけど・・・　実は駅で買ったのではない。
お昼下がりに、女房と郊外のスーパーに車で出かけて、
食料品（夕食のおかず）を買ってたら、珍しいことに行列ができてるコーナーがあった。

なんだ、なんだと・・・　興味本位というか、野次馬根性というか、傍に寄ってみると、
なんとなんと、郊外スーパーでは珍しい駅弁コーナーがあるではないか。
新宿の京王百貨店などでやってる大イベントには程遠く、陳列台が４個程度の可愛いもんだが、
それでも一つの台に、１０種類以上置いてぐらいあるから、全部で５０種類ぐらいはあったと思う。

ところが・・・　見てる人はいるものの、だれ一人手に取ろうとせず並んでいるのはなぜだ？
パッと見で、既に１／３程度は売れているように見えたが、
それにしても・・・　だれも手に取らず、並んでいるだけなのはなぜなんだ？

意を決して、先頭に並んでたオバチャンに聞いてみると、
「峠の釜めしが、もうじき出てくるから待ってるのよ。」と、明快な回答をいただいた。

確かにＪＲ横川駅の「峠の釜めし」は有名だ。
西の人間の私からしたら、並んで買うほどのものではないとの思いもあるが、
関東の人からしたら・・・　あの釜めしは、
どうしても買いたいぐらいの、衝動に駆られる逸品なんだろう。

昼メシを済ましてから家を出てるし、既に１４時を回っていたこともあって、
駅弁を買うつもりはなかったが、
何気に目に付いたのが「八ヶ岳高原たまごサンド（税込み７２０円）」と書かれた小さなお弁当箱

「これ買って帰って、お茶しよっか。」と女房が言うもんだから、
特に食べたかったわけじゃないが・・・　「それ良いね。」と、つい相槌を打ってしまった。

たまごサンドといえば・・・　普通は半熟の卵をグジュグジュにして、
食パンに挟んだものだと思っていたが、
この駅弁たまごサンドはちょっと違ってて、厚焼き玉子を食パンに挟んでいて、
想定していた食感とはちょっと違ってた。

良い卵を使って、手間暇かけて作ってるんだろう。
確かに美味いとは思うし、味には全く持って不満はないが、
３切れ入ってのお値段が７２０円だから、ちょっと高すぎやしないだろうか？

コンビニでたまごサンドを買えば、２切れ入ってて税込みでも２００円ぐらいだから、
電車に乗る前に、そこでないと買うことができない
、駅弁ならではの・・・　地域素材を活かしたステータスに、
製造時の手間暇や、梱包、販売、輸送などのコストを考慮しても、５００円ぐらいでないと、
大変申し訳ないが、幾ら美味しくても満足できないと・・・　女房が言っていた。

私の感覚では、美味ければそれで良いし、駅弁が１０００円以下だったら安いと思う程度の感覚だから
主婦の厳しい視線と評価には、畏敬の念をもって拝聴するだけだが、
そう云われてみれば、そうなのかもしれない。

美味しかったし、自分で買おうと言っときながら、この発言はちょっと言い過ぎではなかろうか？
ふと、そう思いもしたが、ひょっとしたら、気まぐれで直感が頼りの女心と、
日頃から僅かな価格変動を見逃さない、厳しく計算し尽くされ、コスト意識に長けた主婦目線は、
男性が知らない高度なレベルで、同居していながら相いれないものなのかもしれない。

それって、二重人格みたいと思いもするが、これがこれで巧みに噛み合っていて、
自分で喋って、自分で笑ってるんだから・・・　もう、なにがなんだか分からないが、
女房の切り替えの巧みさは、私よりも遥かに高いレベルにあるのかもしれない。

美味しいものが、それなりのお値段ってのは、よく分かるが、
コロナ禍での年金暮らしには・・・　コスパとお財布の戦いは、避けて通ることができない。
私が知らない、いろんな視点と気づきが、まだまだたくさんあるようだ。


厚焼き玉子を食パンで挟んだサンドウィッチ、味は文句なしでホントに美味い。

ＪＲ中央本線の小淵沢駅（山梨県）で販売している「八ヶ岳高原たまごサンド（７２０円）」